📚 犬猫 研究論文 — 2026.03.20
獣医学4件 + 行動科学3件 = 計7件
🔬 獣医学・栄養学 研究論文 — 2025–2026
注目論文 4件
1. 🏥 獣医腫瘍学
犬猫の腫瘍学ガイドライン2026 — 獣医腫瘍学の最前線レビュー
AAHAの2026年版腫瘍学ガイドラインに合わせ、Frontiers in Veterinary Science誌に獣医腫瘍学の進歩と課題をまとめたエディトリアルが掲載された。犬の血管肉腫の分子プロファイルと新たな治療標的、加速分割放射線療法(1日2回照射)による犬の歯肉扁平上皮癌治療の有望な結果などが紹介されている。
犬猫のがん治療は年々進歩しており、分子標的療法や個別化医療が現実味を帯びてきた。愛犬・愛猫のがん診断は絶望ではなく、治療の出発点。早期発見と専門医への相談が重要だ。
📖 Frontiers in Veterinary Science, 2026
🔗 https://www.frontiersin.org/journals/veterinary-science/articles/10.3389/fvets.2026.1787676/full
🏥 獣医腫瘍学
2. 🥩 獣医栄養学
植物性ドッグフードは肉ベースと同等の「栄養的妥当性」を持つ
ノッティンガム大学の研究チームが、英国で販売されている肉ベースと植物ベースの完全栄養ドライドッグフードを分析し、タンパク質含有量と個々のアミノ酸プロファイルを比較した。結果、植物ベースの製品も肉ベースと同等の栄養的妥当性を提供できることが示された。
ただし「栄養的に同等」は「すべての犬に最適」を意味しない。個体の健康状態やアレルギー、ライフステージによって最適な食事は異なる。植物性食への切り替えを検討する場合は、必ず獣医師に相談してから進めてほしい。
📖 Vet Times, 2025-2026
🥩 獣医栄養学
3. 🔬 猫マイクロバイオーム
猫のマイクロバイオーム研究の知識ギャップをサイエントメトリクスで特定
Veterinary Research Communications誌に掲載された研究で、猫の微生物叢(マイクロバイオーム)研究のこれまでの全体像がサイエントメトリクス分析で明らかにされた。犬と比較して猫のマイクロバイオーム研究は大幅に遅れており、腸内細菌と疾患との関連についてまだ多くの知識ギャップがあることが指摘された。
腸内環境は免疫、消化、さらにはメンタルヘルスにまで影響する。今後の猫のマイクロバイオーム研究の進展が、プロバイオティクスやプレバイオティクスを活用した新たな治療・予防法につながることが期待される。
📖 Vet Res Commun, 2026, 50, 6
🔗 https://link.springer.com/article/10.1007/s11259-025-10953-z
🔬 猫マイクロバイオーム
4. 🏥 犬消化器内科
犬の慢性腸症QoL評価ツール(CCEQoL)の開発と妥当性検証
J Vet Intern Med誌に掲載された研究で、犬の慢性腸症(CE)患者のQoL(生活の質)を多次元的に評価する新ツール「CCEQoL」が開発された。従来のCCECAI(臨床活動性指数)に加え、飼い主が感じる犬の日常生活への影響を定量化でき、より患者中心のケアを実現する。
慢性腸症は長期管理が必要な疾患であり、臨床スコアだけでなくQoLの変化を追跡することで、治療方針の微調整に役立つ。飼い主と獣医師のコミュニケーション改善にもつながるツールとして注目される。
📖 J Vet Intern Med, 2026, 40(1), aalaf089
🔗 https://academic.oup.com/jvim/article-pdf/40/1/aalaf089/66798718/aalaf089.pdf
🏥 犬消化器内科
🧠 行動・認知科学 研究論文 — 2025–2026
注目論文 3件
1. 🧠 犬認知科学
語彙豊富な犬は「盗み聞き」で新しい単語を学ぶ — Science誌
Science誌に掲載された画期的な研究で、多くのおもちゃの名前を覚えている「ギフテッド」犬が、1.5歳の人間の幼児と同様に「盗み聞き」(overhearing)で新しいラベルを学習できることが実験的に証明された。直接教えなくても、周囲の会話からおもちゃの名前を習得するという驚きの結果だ。
これは犬の認知能力の深さを示す重要な発見。ただし、この能力を持つ犬はごく一部の「ラベル学習者」に限られる。日常の会話で犬の名前やコマンドを一貫して使うことが、犬の言語理解を促進する可能性がある。
📖 Science, 2026, 391, 160-163
🔗 https://www.science.org/doi/10.1126/science.adq5474
🧠 犬認知科学
2. 🧠 猫認知科学
猫は「異質概念学習」ができる — 新たな認知能力の証拠
Vet Candy誌で紹介された研究で、猫が「異質概念学習」(oddity concept learning)— 3つの刺激の中から異なる1つを選び出す高度な認知タスク — を遂行できることが示された。これは犬やヒト以外の霊長類で確認されていた能力で、猫での実証は初めて。
この研究は1匹の猫を対象としたものだが、猫という種が高度な概念学習能力を持つことを示す重要な証拠だ。猫のトレーニングや行動管理において、猫の認知能力を過小評価しないことの重要性を改めて示している。
📖 Vet Candy / Animal Cognition, 2025-2026
🧠 猫認知科学
3. 🧠 猫行動学
猫のストレス行動管理 — 多因子アプローチで引っかき行動のリスク因子を特定
Frontiers in Behavioral Neuroscience誌のリサーチトピック(2026年2月公開)で、飼い猫の望ましくない引っかき行動に対する多因子アプローチの研究が紹介された。Demirbasらの研究チームが、環境要因、社会的要因、個体の性格特性などのリスク因子を包括的に特定した。
引っかき行動は猫の本能的なニーズだが、不適切な場所での引っかきは飼い主のストレスにもなる。爪とぎの適切な配置、環境エンリッチメント、ストレス要因の除去など、多角的なアプローチが効果的であることが改めて裏付けられた。
📖 Frontiers in Behavioral Neuroscience, 2026
🧠 猫行動学
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