🐾🐱 犬猫ニュース — 2026.03.31
犬8 + 猫5 = 計13件
🐾 犬ニュース — 2026.03.31
本日 8件
1. 🏥 医療・疾病・予防
VETMEDIN(ピモベンダン)がFDA正式承認——犬の心不全発症を15.6ヶ月遅延させる初の予防薬
2026年1月19日、FDAはBoehringer Ingelheim社のVETMEDIN(ピモベンダン)チュアブル錠および経口液剤に対し、ステージB2前臨床期の粘液腫性僧帽弁疾患(MMVD)を持つ犬における鬱血性心不全(CHF)発症の遅延を適応とする完全承認を付与した。これは2022年の条件付き承認から正式承認に移行した初の動物用医薬品である。
EPIC臨床試験では、ステージB2のMMVD犬においてVETMEDINがCHFまたは心臓関連死の発症を対照群と比較して15.6ヶ月遅延させたことが示されている。心臓病は全犬の約10%が罹患するとされ、特に僧帽弁疾患は最も一般的な心臓病であるため、愛犬の定期的な心臓検診が早期発見と治療開始の鍵となる。
2. 🏥 医療・疾病・予防
犬用凍結乾燥血漿がFDA審査を完了——Mantel社のcFDPが救急獣医療の新たな選択肢に
2026年1月、FDAはMantel Technologies社の犬用凍結乾燥血漿(cFDP)のリスク審査を完了し、低リスク製品としての市場投入を認めた。cFDPは犬の低血液量症の治療および出血の制御を目的とした同種プール血漿製剤で、室温保存が可能な凍結乾燥形態のため、緊急時にすぐ使用できるのが大きな利点だ。
各キットには凍結乾燥血漿20g入り250mLバッグと再溶解用注射用水が含まれ、処方箋制で獣医師の監督下でのみ使用される。従来、犬の大量出血時には新鮮凍結血漿の確保が課題だったが、cFDPの登場により救急現場での対応力が大幅に向上すると期待されている。愛犬が手術を控えている場合は、かかりつけ獣医師に最新の輸血製剤について相談するとよいだろう。
3. 🏥 医療・疾病・予防
脂腺炎の犬種別病理比較——秋田犬とプードルで炎症パターンが異なることが初めて判明
2026年2月にVeterinary Dermatology誌に掲載された研究で、秋田犬20頭とプードル13頭の脂腺炎(SA)病変を後方視的に比較した初の盲検病理組織学的研究が報告された。秋田犬はSA診断時の平均年齢が4.6歳(プードルは5.5歳)で、皮膚生検では秋田犬の75%で脂腺が完全に消失していた。秋田犬はより強い炎症反応を示す一方、プードルは過角化や毛包フロント形成が目立つといった犬種差が明らかになった。
これらの犬種特異的な病理像の違いは、SAの病態メカニズムの解明に重要な手がかりを提供する。秋田犬やプードル(特にスタンダード・プードル)のオーナーは、皮膚のフケ・脱毛・被毛の質の変化に注意し、早期に獣医皮膚科を受診することが推奨される。
🔗 https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/vde.70055
4. 🧬 研究・科学
DENND1B遺伝子——犬と人間に共通する肥満遺伝子をScience誌が報告
ケンブリッジ大学などの国際チームがScience誌に発表した研究で、ラブラドール・レトリーバー241頭のゲノムワイド関連解析により、DENND1Bという遺伝子が犬の肥満に関与していることが特定された。この遺伝子の変異アレルを1コピー持つだけで体脂肪率が約7.5%増加し、エネルギー恒常性の中核を担うメラノコルチン4受容体(MC4R)のシグナル伝達と輸送を制御していることが判明した。
さらにヒトゲノムの対応領域でもBMIとの有意な関連が確認され、犬の肥満研究がヒトの肥満治療にも応用できる可能性を示した。肥満は犬の関節疾患・糖尿病・寿命短縮のリスク因子であり、遺伝的にリスクの高い犬種では特に厳格な食事管理と運動が重要だ。
🔗 https://www.science.org/doi/10.1126/science.ads2145
5. 🥦 栄養・食事・サプリ
手作り犬ごはんの94%が栄養不足——Texas A&M大学が1,726食を分析した大規模調査
Texas A&M大学がAmerican Journal of Veterinary Researchに発表した研究で、犬の飼い主50,000人以上が参加し、1,726の手作り食レシピの栄養バランスを評価した。驚くべきことに、44%が「欠乏あり」、31%が「部分的に欠乏」と判定され、「完全」と評価されたのはわずか6%に過ぎなかった(残り20%は材料情報不足で評価不能)。
特にカルシウム・セレン・ヨウ素・亜鉛の不足が頻出し、カルシウムとリンのバランス崩壊は骨疾患や腎臓障害のリスクを高める。手作り食を続けたい飼い主は、獣医栄養学の認定専門医(DACVN)にレシピを作成してもらい、定期的にフード検査機関で栄養分析を行うことが推奨される。
6. 🥦 栄養・食事・サプリ
犬猫用サプリメント70製品の重金属分析——鉛・カドミウム検出も摂取上限値以下
Journal of Animal Physiology and Animal Nutritionに掲載された2026年3月の研究で、米国で販売されている犬猫用サプリメント70製品中の必須ミネラル5種と重金属12種の濃度が分析された。ニッケルが66製品で最も広く検出され、鉛は16製品(中央値0.145mg/kg)、カドミウムは10製品(中央値0.115mg/kg)で検出された一方、ベリリウム・水銀・タリウムはいずれの製品からも不検出だった。
ラベルにミネラル含有量を表示していた18製品のうち8製品で表示値を満たしていなかった。ただし、分析したすべてのサプリメントで各ミネラルの最大許容レベルを超過するものはなく、用法通りの使用であればリスクは低いとの結論。サプリメント選びでは、第三者機関の品質認証(GMP認証等)を取得した製品を選ぶのが賢明だ。
🔗 https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/jpn.70052
7. 🐕 犬学
セラピー犬が精神科入院患者の孤独感を軽減——VCU初のランダム化比較試験
バージニア・コモンウェルス大学(VCU)のNancy Gee博士が率いる研究チームが、精神疾患で入院中の患者を対象にした初のランダム化比較試験をFrontiers in Psychiatryに発表した。60名の患者を「セラピー犬+ハンドラー訪問群」「ハンドラーのみ訪問群」「通常ケア群」に無作為に割り付け、1日20分×3日間の介入を実施。その結果、セラピー犬群では孤独感が他の2群と比較して有意に大きく低減した。
特に元々犬を飼っていた患者ではより持続的な改善が見られた。Gee博士は「孤独感は1日15本の喫煙と同等の健康リスクがある」と指摘し、動物介在介入が精神科臨床において有効なエビデンスに基づくツールとなりうることを示した。
8. 🧬 研究・科学
機械学習で犬のパーソナライズド食事を設計——品種・疾患に応じた栄養最適化システム
Informatics誌(2026年2月)に掲載された研究で、犬のウェットフードレシピをパーソナライズするハイブリッドAIシステムが開発された。このシステムは食材データ・獣医療用フィードデータ・犬種別疾患データを統合し、推奨モジュールと線形計画法の最適化を組み合わせることで、各犬種の栄養ニーズと健康リスクに合わせた食事プランを自動生成する。
大型犬の関節問題や小型犬の歯科リスクなど犬種特有の健康課題を考慮した栄養設計が可能になり、ペットフード業界における「プレシジョン・ニュートリション」のトレンドを加速させる可能性がある。ただし、AIが生成したレシピであっても、実際に使用する前に獣医栄養学の専門家の監修を受けることが重要だ。
🔗 https://www.mdpi.com/2227-9709/13/3/34
💡 今日のワンポイント
手作り食でもサプリでも市販フードでも、愛犬の栄養バランスを「なんとなく」で判断するのは危険です。今日紹介した研究が示すように、専門家の知見とエビデンスに基づいた食事管理が健康長寿の最大の味方です。
🐱 猫ニュース — 2026.03.31
本日 5件
1. 🏥 医療・疾病・予防
低線量放射線療法が猫の特発性膀胱炎に90%の完全寛解——NC State大学が臨床応用を開始
ノースカロライナ州立大学のMichael Nolan博士らが率いる研究がJournal of Veterinary Internal Medicine(2026年1-2月号)に掲載され、雄猫の特発性膀胱炎(FIC)に対する低線量放射線療法が驚異的な成果を収めた。治療後1年間で90%の猫が完全寛解を達成し、これは従来の無治療時の再発率58〜65%と比較して画期的な改善だ。
FICは原因不明の慢性膀胱炎で、環境ストレスが主な要因と考えられており、繰り返す血尿・頻尿・排尿困難で猫と飼い主双方のQOLを著しく低下させる。NC State獣医病院ではすでに臨床応用を開始しており、今後は雌猫を対象とした試験も計画中。FICを繰り返す猫の飼い主は、かかりつけ獣医師にこの新たな治療選択肢について相談する価値がある。
2. 🏥 医療・疾病・予防
クロミプラミン併用行動療法が猫の強迫性排尿に顕著な効果——30日で10/11例が改善
2020〜2025年の症例を後方視的に検討した研究(Veterinary Sciences, 2026年)で、飼い主が「強迫的」と感じる長期の不適切排尿を呈する猫に対して、行動修正療法とクロミプラミン(三環系抗うつ薬)の併用が高い効果を示した。クロミプラミン併用群では30日後に11頭中10頭(91%)が改善した一方、行動修正のみの群では10頭中1頭にとどまった。
クロミプラミンはセロトニンとノルエピネフリンの再取り込みを阻害し、気分の安定化と強迫行動の軽減に寄与する。効果発現まで4〜6週間を要するが、スプレー行動の90%抑制も報告されている。猫の不適切排尿は必ずまず泌尿器疾患の除外が必要であり、薬物療法の開始は獣医師の判断のもとで行うべきだ。
🔗 https://www.mdpi.com/2306-7381/13/3/234
3. 🧬 研究・科学
猫のストレス状態を見た目で識別できるか——1,950人参加の大規模認知研究
Scientific Reports(2026年3月)に掲載された研究で、1,950人の参加者にリラックス・緊張・恐怖の3状態を示す猫の動画12本を評価してもらい、人間が猫のストレス関連行動状態を視覚的手がかり(表情・姿勢・尾の位置)から、どの程度正確に認識できるかを調べた。正答率はチャンスレベル(33%)を上回ったものの全体的には低く、このタスクが人間にとって難しいことが示された。
ただし、女性と猫の飼育経験がある参加者は有意に高い正答率を示し、年齢が上がるにつれて正答率が低下する傾向も確認された。猫はストレスを隠す傾向があるため、飼い主は日常的に猫のボディランゲージを学び、微細な変化を見落とさないことが愛猫の健康管理において重要だ。
🔗 https://www.nature.com/articles/s41598-026-44812-x
4. 🐱 猫学
猫は「予測可能性」を好む——サセックス大学の実験が「好奇心旺盛な猫」の通説を覆す
サセックス大学の研究チームが、手品にヒントを得た実験で猫の認知特性を調べた。おもちゃを箱に隠して見せた後、箱を移動し、おもちゃが元の場所に現れる(予測通り)か、別の場所に現れる(予測違反)かを猫に見せたところ、猫はおもちゃが元の場所に現れた場合により長く注視し、遊ぶ確率も高かった。
この結果は乳児や犬で確認されている「予測違反に長く注目する」パターンとは逆であり、猫が新奇性よりも予測可能性を好む可能性を示唆している。また、雌猫・室内飼い猫・雑種猫・多頭飼い家庭の猫が、おもちゃに興味を示す傾向が高いことも判明。猫に安心感を与えるには、生活環境のルーティンを一定に保つことが大切かもしれない。
🔗 https://www.sussex.ac.uk/broadcast/read/68547
5. 🐱 猫学
猫と飼い主の関係の質は品種・住環境・留守番時間に左右——413人のアンケート調査
Journal of Veterinary Behavior(2026年)に掲載された研究で、413人のスペイン語話者を対象に猫と飼い主の関係の質に影響する要因を調査した。その結果、純血種の猫・マンション住まいの猫・留守番時間が4時間未満の猫・行動問題が少ない猫・多頭飼い環境の猫で、飼い主との関係の質が高い傾向が確認された。
純血種では選択的繁殖により行動特性が予測しやすいこと、多頭飼いでは飼い主が猫のコミュニケーションにより多くの注意を払う傾向があることが、関係の質を高める要因と考察されている。猫との絆を深めるには、長時間の留守をを減らし、日常的に短い、インタラクティブな遊び時間を設けることが効果的だ。
🔗 https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S1558787825000656
💡 今日のワンポイント
猫は表情やボディランゲージでストレスを隠しがち。「いつもと違う」に気づくために、日頃から愛猫のリラックス時の姿勢や表情をよく観察しておくことが大切です。
毎朝7時配信

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