🐾 犬ニュース — 2026.04.02
本日 8件 | カテゴリ:医療・疾病・予防, 研究・科学, 犬学
1. 🏥 医療・がん診断
IDEXX Cancer Dxパネルに肥満細胞腫検出を追加——リキッドバイオプシーで、がんの3分の1以上をカバー
📅 2026.01.15
IDEXX Laboratories社は、犬のがんスクリーニングパネル「Cancer Dx」に肥満細胞腫(マスト細胞腫)の検出機能を2026年半ばから北米で追加すると発表した。既存のリンパ腫検出と合わせて、犬のがん症例の3分の1以上をカバーできるようになる。検体要件やワークフローに変更はなく、追加費用なしで2~3日以内に結果が得られる。
さらに、IDEXX inVue Dx Cellular Analyzerに微細針吸引(FNA)細胞診機能も追加され、スライド不要の設計で肥満細胞腫の迅速な院内検出が可能になった。がんの早期発見は治療成績を大きく左右するため、一般開業医でも血液検査だけでがんスクリーニングができるこの技術革新は、犬のがん医療を大きく前進させる可能性がある。
2. 🏥 医療・疾病・予防
CAPC 2026年寄生虫予報——ライム病・フィラリア・エーリキア症の感染リスク域が全米で拡大
📅 2026.03.23
Companion Animal Parasite Council(CAPC)が発表した2026年版予報によると、マダニ媒介のライム病リスクが従来の高リスク地域(上部中西部・北東部)からオハイオ、ケンタッキー、テネシー、ノースカロライナなど南部に拡大している。フィラリア症も南東部を中心に北上を続け、ミシシッピ川沿いや大西洋岸に沿って拡散中だ。
CAPCの予報は過去10年以上の監視データと年約1,000万件以上の獣医検査結果に基づき、94%の精度を誇る。「低リスク地域」とされてきたモンタナ西部やカリフォルニア北部でもフィラリアリスクが確認されており、年間通じた予防薬の投与がこれまで以上に重要になっている。かかりつけ獣医師に最新の予防プロトコルを相談しよう。
🔗 https://capcvet.org/articles/2026-annual-pet-parasite-forecasts/
3. 🧬 研究・長寿科学
Loyal社のLOY-002、FDA安全性審査パッケージが受理——犬初の寿命延長薬が市販に一歩前進
📅 2026.01.13
動物健康スタートアップのLoyal社は2026年1月、シニア犬向け寿命延長薬LOY-002のFDA条件付き承認申請において、Target Animal Safety(TAS)技術セクションがFDAに受理されたと発表した。すでに有効性の合理的期待(RXE)セクションも受理済みで、市販に必要な3つの主要技術セクションのうち2つをクリアしたことになる。
LOY-002は毎日1錠の経口薬で、加齢に伴う代謝ドライバーを標的として老化の進行を遅らせ、疾患の発症を遅延させることを目指す。臨床試験STAYは全米70の動物病院で1,300頭を登録し完了しており、史上最大規模の獣医臨床試験となった。承認されれば、どの生物種においても初のFDA承認寿命延長薬となる画期的な一歩だ。
4. 🧬 研究・科学
ゴールデンレトリーバー寿命研究——運動頻度と「水泳」がんんリスクの重要予測因子に
📅 2025.05.07
Morris Animal Foundation が14年にわたり3,000頭以上のゴールデンレトリーバーを追跡する「Golden Retriever Lifetime Study」の新たな分析結果が、Veterinary Oncology 誌に掲載された。がん発症の最も重要な予測因子は、運動の「種類」ではなく「頻度」と「強度」であり、とくに水泳のような高強度活動が最も強い予測因子であることが判明した。
これは逆説的に聞こえるかもしれないが、運動頻度が高い犬ほどがんリスクに関連する何らかの因子が変動することを示唆しており、因果関係ではなく相関として解釈する必要がある。いずれにせよ、定期的な運動が犬の全身健康に不可欠であることは間違いない。愛犬の運動習慣について獣医師と相談し、犬種や年齢に適した運動プランを立てることが推奨される。
🔗 https://link.springer.com/article/10.1186/s44356-025-00024-5
5. 🏥 医療・外科リハビリ
携帯型衝撃波デバイスCS-Pro VET、TPLO術後回復を無麻酔で有意に改善——ランダム化比較試験
📅 2025.07.24
Frontiers in Veterinary Science 誌に掲載されたランダム化比較試験で、世界初のハンドヘルド型圧電衝撃波デバイス「CS-Pro VET」がTPLO(脛骨高平部水平化骨切り術)後の犬の回復を促進することが示された。30頭の犬を対象に、術後の衝撃波治療群と偽治療群を比較したところ、治療群は4週目の荷重パラメータが臨床的に有意に改善した。
特筆すべきは、このデバイスが麻酔なしで使用できる点だ。重さわずか400gのバッテリー駆動式で、従来の大型衝撃波装置と比べてアクセスしにくい部位にも治療が可能。副作用や有害事象は報告されなかった。TPLO手術は犬の前十字靭帯断裂の標準的な外科治療であり、術後のリハビリ選択肢が増えることは飼い主にとっても朗報だ。
🔗 https://www.frontiersin.org/journals/veterinary-science/articles/10.3389/fvets.2025.1600116/full
6. 🏥 医療・疾病・予防
犬の認知機能障害(CCDS)初の国際標準診断ガイドラインがJAVMAに掲載——3段階の重症度分類を提唱
📅 2025.12.24
NC State大学、コーネル大学、コロラド州立大学、ワシントン大学の国際専門家ワーキンググループが、犬の認知機能障害症候群(CCDS)に関する初の標準化診断ガイドラインをJAVMA(2026年4月号)に発表した。CCDSは加齢に伴う進行性の神経変性疾患で、見当識障害・社会的交流の変化・睡眠障害・不適切な排泄・学習と記憶の低下・活動変化・不安(DISHAA)の行動領域に影響する。
ガイドラインでは軽度・中等度・重度の3段階を定義し、レベル1(病歴と検査に基づく診断)とレベル2(脳MRIによる診断)の2つの診断レベルを提案している。運動不足の犬は認知機能障害のリスクが6.47倍高いとの研究もあり、日々の散歩や頭を使う遊びがシニア犬の脳の健康に重要だ。7歳以上の犬は定期的な認知機能チェックを獣医師に相談しよう。
🔗 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41442884/
7. 🐕 犬学
EU、犬猫の福祉とトレーサビリティに関する新規則を採択——短頭種の繁殖に「適切な吻長」を義務化
📅 2026.01.15
EUは2026年1月、犬猫の福祉とトレーサビリティに関する新しい規則を採択した。この規則には、ブルドッグやパグなどの短頭種(ブラキセファリック種)に対して「体型に対して適切な長さの吻(マズル)」を求める条項が含まれている。ブリーダーは引き続き短頭種の繁殖が可能だが、健康問題を軽減するための「積極的かつ情報に基づいた繁殖選択」が義務付けられる。
ノルウェーではすでにイングリッシュブルドッグとキャバリアキング・チャールズ・スパニエルの繁殖が禁止されており、オランダやフィンランド、スウェーデンでも同様の規制が進んでいる。短頭種は呼吸器・神経・心臓疾患のリスクが高く、獣医師の大多数が健康リスクを高める極端な骨格の犬の繁殖禁止に賛成している。2026年春にEU議会・理事会での最終投票が予定されている。
8. 🏥 医療・疾病・予防
メイン州でパルボウイルス感染が急増——ドッグパークの汚染も疑われ、ワクチン接種の確認を呼びかけ
📅 2026.03.26
2026年3月、メイン州ミッドコースト地域とオーガスタ周辺で犬パルボウイルス(CPV)の感染例が急増していることが、ウォーレンのMidcoast Animal Emergency Clinic から報告された。ポートランドのQuarry Hill Dog Park での汚染の可能性も指摘されている。パルボウイルスは環境中で数ヶ月~数年間生存可能で、とくに未ワクチンの子犬に致命的な下痢・嘔吐・脱水を引き起こす。
最近ではCPV-2cという変異株の頻度が増加しており、ワクチン接種済みの成犬でも重症化する事例が報告されている。飼い主はワクチン接種スケジュールが最新であることを確認し、子犬のワクチンシリーズが完了するまではドッグパークなど不特定多数の犬が集まる場所を避けることが推奨される。症状が見られたら直ちに獣医師を受診してほしい。
🔗 https://www.wabi.tv/2026/03/26/potentially-deadly-virus-dogs-is-spiking-parts-maine/
💡 今日のワンポイント
シニア犬の健康管理では、認知機能の変化にも注意しよう。「夜中に起きて鳴く」「以前でできたことを忘れる」「家の中で迷う」といった兆候は認知機能障害のサインかもしれない。毎日の散歩、知育おもちゃ、新しい経験を通じて脳を刺激することが、シニア犬の認知機能維持に大切だ。
毎朝7時配信
🐱 猫ニュース — 2026.04.02
本日 5件 | カテゴリ:研究・科学, 猫学, 医療・疾病・予防
1. 🧬 研究・科学
トキソプラズマの脳内システムに「隠れた多様性」——UC Riverside大学がシングルセルRNA解析で従来の定説を覆す
📅 2026.01.27
カリフォルニア大学リバーサイド校の研究チームが2026年1月、猫を終宿主とする寄生虫トキソプラズマ(Toxoplasma gondii)の脳内シスト(嚢胞)に、従来考えられていた「休眠状態の単一形態」ではなく、複数のサブタイプが活動的に共存していることをシングルセルRNAシーケンシングで発見した。これは寄生虫のライフサイクルに関する根本的な理解を変える発見だ。
世界人口の約3分の1がトキソプラズマに感染しているとされるが、多くの人は無症状だ。しかし免疫低下時に再活性化する危険性があり、システム内の複雑な構造を理解することは新しい治療標的の開発に不可欠となる。猫の飼い主にとっては、猫トイレの衛生管理(毎日の掃除、手袋の着用)が引き続き最も効果的な予防策であることに変わりはない。
2. 🐱 猫学
世界最高齢の猫フロッシーが30歳に——人間換算136歳、「今も遊び好きで好奇心旺盛」
📅 2026.01.09
ギネス世界記録で「存命中の最高齢の猫」に認定されている英国の猫フロッシーが、2025年12月29日に30歳の誕生日を迎えた。人間の年齢に換算すると約136歳に相当する。ロンドン南東部オーピントンで飼い主のビクトリア・グリーンさんと暮らすフロッシーは、高齢にもかかわらず「朝は早起きして朝食を食べ、昼寝と遊びを繰り返す」元気な日々を送っている。
史上最高齢の猫はテキサス州の「クリームパフ」の38歳で、フロッシーはまだ及ばないものの、30歳は驚異的な長寿だ。猫の平均寿命は15~17歳とされるが、適切な栄養管理、定期的な獣医診察、ストレスの少ない生活環境が長寿の鍵となる。フロッシーの物語は、シニア猫の引き取りと適切なケアの大切さを改めて示してくれる。
3. 🏥 医療・疾病・予防
シリカ系猫砂が猫の肉球に肉芽腫を引き起こす可能性——Veterinary Pathology誌に13症例の報告
📅 2025.07.13
Veterinary Pathology誌に掲載された2026年の研究で、シリカ系猫砂が猫の肉球に肉芽腫(組織の異常な増殖)を引き起こす可能性が報告された。2005年から2023年にかけて2つの獣医教育機関に提出された13例の猫の肉球生検を分析したところ、組織内の異物がラマン分光法で複数ブランドのシリカ系猫砂と一致した。症状には慢性的な肉球の腫れ、瘙痒、出血、瘻孔などが含まれた。
この研究は比較的少数の症例に基づくものであり、シリカ系猫砂すべてが危険というわけではないが、原因不明の肉球トラブルが続く猫の飼い主は、猫砂の素材を変更してみることも選択肢の一つだ。とくに前足の肉球に慢性的な腫れや出血がある場合は獣医師に相談し、猫砂が原因の可能性を伝えてほしい。
🔗 https://journals.sagepub.com/doi/10.1177/03009858251352588
4. 🐱 猫学
猫の保護・譲渡率は63%に上昇も、シェルター収容数がそれを上回るペースで増加——米国の猫過剰問題
📅 2026.02.13
米国のシェルター統計データによると、2025年の猫の譲渡率は63%に達し、2019年の57%から着実に上昇している。年間約220万頭の猫が新しい家庭に迎えられ、前年比で約3万9,000頭増加した。夏季がピークとなる傾向があり、子猫の季節と重なるため、1年中受け入れ体制が求められている。
しかし問題は、シェルターに収容される猫の数が譲渡数の増加を上回るペースで増えていることだ。譲渡率が上がっても、野良猫の繁殖と飼育放棄により収容数が増加し続ければ、殺処分数は減らない。TNR(捕獲・不妊去勢・返還)プログラムの普及と、室内飼育・不妊去勢手術の徹底が、猫の過剰問題解決の鍵となる。保護猫の引き取りを検討している方は、地元のシェルターをぜひ訪ねてみてほしい。
🔗 https://worldanimalfoundation.org/advocate/pet-adoption-statistics/
5. ⚠️ 医療・疾病・予防
エバンズビル市、犬猫フェレットのマイクロチップ装着を義務化——全米の自治体で広がる動き
📅 2026.03.10
2026年3月、米国インディアナ州エバンズビル市議会は、すべての犬・猫・フェレットに市への登録とマイクロチップの装着を義務付ける条例を可決した。英国では2024年6月から猫のマイクロチップ装着が法律で義務化されており、違反者には最大500ポンドの罰金が科される。米国でも自治体レベルで同様の動きが広がりつつある。
マイクロチップは米粒ほどの大きさのICチップを皮下に埋め込むもので、迷子の際にスキャナーで読み取ることで飼い主を特定できる。首輪や名札と異なり脱落しないため、災害時や脱走時の身元確認に極めて有効だ。日本ではすでに2022年6月からブリーダーやペットショップ等での犬猫へのマイクロチップ装着が義務化されている。登録情報の更新を忘れずに行おう。
🔗 https://www.14news.com/2026/03/10/all-dogs-cats-ferrets-now-need-microchip-after-city-council-vote/
💡 今日のワンポイント
猫砂の選択は猫の健康に直結することがある。猫が肉球を頻繁に舐めたり、肉球の腫れや出血が続く場合は、猫砂の素材が原因の可能性も。素材の変更を試すとともに、獣医師への相談を忘れずに。
毎朝7時配信

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