📚 犬猫 研究論文ピックアップ — 2026.04.03

📚 犬猫 研究論文 — 2026.04.03

注目論文 5件



1. 🏥 獣医学(加齢医学)

セノリティクスLY-D6/2とNAD+前駆体の併用が高齢犬の認知機能を改善——ランダム化比較臨床試験

📅 2024.05.29

70頭の軽度から中等度の認知機能障害を持つ高齢犬が登録され、プラセボ群、低用量群、完全用量群に分けられた。3ヶ月時点で、完全用量群は認知機能評価スケール(CCDR)で有意な改善を示した(p=0.02)。59頭が3ヶ月、51頭が6ヶ月に到達し、虚弱の改善、活動量の増加、幸福度の向上も報告された。有害事象は全群で同等であった。セノリティク薬は老化細胞を除去し、NAD前駆体は細胞エネルギー代謝を促進する。

この研究は、犬における老化細胞除去薬の臨床効果を初めて示した重要な知見である。動物モデルでの成功は、人間のアルツハイマー病研究への応用の可能性を拡げ、新しい治療戦略の開発に貢献する可能性がある。老化に伴う認知機能低下は犬と人間の両方で深刻な問題であり、この併用療法は革新的なアプローチとなり得る。

📖 GeroScience, 2024 (vol11, issue5)

🔗 https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC11137034/

🏥 獣医学(加齢医学)


2. 🏥 獣医学(腫瘍学)

2026 AAHAがん診療ガイドライン——プライマリケア獣医チーム向けの最新がん診断・治療指針

📅 2026.01.01

アメリカ動物病院協会(AAHA)は、初めてプライマリケア向けの包括的な獣医腫瘍学ガイドラインを発表した。早期発見、診断検査、疼痛管理、手術・化学療法・放射線療法・免疫療法を含む治療選択肢、緩和ケア、および飼い主とのコミュニケーション方法がカバーされている。多角的アプローチと生活の質の評価を強調している。液体生検とセルフリーDNA解析などの最新診断技術も紹介されている。

このガイドラインは、一次診療獣医師チームが専門医なしに最先端のがん診療を実践できるようにするための重要なリソースである。従来、複雑ながん診療は二次・三次医療施設に限定されていたが、このガイドラインにより、基幹動物病院でも標準的で効果的ながん診療が可能になる。動物のがん治療にアクセス可能性と質の向上をもたらす画期的なガイドラインである。

📖 AAHA Guidelines, 2026

🔗 https://www.aaha.org/resources/2026-aaha-oncology-guidelines-for-dogs-and-cats/

🏥 獣医学(腫瘍学)


3. 🏥 獣医学(感染症)

モルヌピラビルによるFIP(猫伝染性腹膜炎)治療——73頭の前向き臨床試験で6ヶ月生存率77%

📅 2025.11.21

73頭の猫伝染性腹膜炎(FIP)感染猫に対し、モルヌピラビル10~21 mg/kg 1日2回、84日間の経口投与が行われた。6ヶ月生存率は77%に達し、再発率は12%(投与中止後9~99日以内)で、すべての再発例は再治療で寛解を達成した。滲出性FIPの41頭の部分集団では、免疫刺激薬の併用投与を行ったが追加的な利益は得られなかった。耐容性が良好で、投与中止を必要とする有害事象は報告されなかった。主著者はPetra ČernáおよびSteven Dow。

モルヌピラビルはGS-441524に次ぐFIPの第二の法的治療選択肢を提供する。経口投与の利便性により、より多くの飼い主がアクセス可能であり、FIP診断直後の治療開始が容易になる。再発は第二次治療で対応可能であることが示され、長期生存の実現可能性が大幅に改善された。

📖 Journal of Feline Medicine and Surgery, 2026

🔗 https://journals.sagepub.com/doi/full/10.1177/1098612X251403283

🏥 獣医学(感染症)


4. 🧠 行動・認知科学

犬は「他者の知識」を理解できるか——見知らぬ人への知識帰属能力の実験的検証

📅 2025.12.12

この研究は、ペット犬が見知らぬ人の見聞きした情報に基づいて「その人物が何を知っているか」を理解できるかどうかを検証した。犬は人間の視線と注意深さに対する感受性を示すが、人間の「知識状態」理解に関する証拠は矛盾している。研究では、隠された食べ物のタスクを用いて、隠し場所を見た人と見ていない人を区別できるかどうかを探究した。

この研究は、犬の社会認知の限界を理解する上で重要な知見を提供する。犬が「心の理論」を有しているかどうかは、動物認知科学の中心的な論争点である。人間との共進化の過程で、犬がどの程度まで人間の心的状態を推測できるのかを明らかにすることは、人間と犬のインタラクションの質を向上させるための基盤となる。

📖 Animal Cognition, 2025

🔗 https://link.springer.com/article/10.1007/s10071-025-02034-0

🧠 行動・認知科学


5. 🧠 行動・福祉科学

猫のトイレサイズと猫砂タイプの好み——行動変化との関連を実験的に検証

📅 2025.04.09

この研究は、猫が好むトイレボックスのサイズと猫砂のタイプを調査した。猫は50 cm以上の大型ボックスと、固結する粘土系猫砂を好む傾向を示した。快適なトイレ環境(大型ボックス+固結砂)の組み合わせは、通常の排泄行動を促進し、不適切な排泄(尿・便)を改善し、排泄時の3つの「不満足行動」を低減させた。トイレ使用を回避する行動問題の予防において、実用的な環境調整の重要性が示された。

トイレ問題は、猫の動物シェルター入所の最大原因である。この研究が示す単純な環境調整により、動物の福祉が大幅に向上する可能性がある。トイレサイズと砂質という基本的な要因だけで、多くの行動問題が解決されることは、飼い主教育と予防医学の観点から極めて価値が高い。猫の適応行動と環境デザインの関係を実証した重要な研究である。

📖 PubMed, 2025 (PMID 40204471)

🔗 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40204471/

🧠 行動・福祉科学


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