📚 犬猫 研究論文 — 2026.04.09

📚 犬猫 研究論文 — 2026.04.09

注目論文 5件



1. 🩺 獣医学・栄養学

猫の慢性腎臓病に対するAIM(マクロファージアポトーシス阻害因子)の臨床的インパクト

📅 2026.03.18

東京大学・宮崎徹博士らのグループは、組換え型ネコAIM(rAIM)を用いた慢性腎臓病モデル猫での臨床効果を報告した。rAIM投与群では、血清クレアチニン・SDMA・尿中タンパクなどの腎機能マーカーが非投与群より有意に改善し、組織学的にも尿細管障害と線維化の進行が抑制された。AIMは通常、腎臓内の不要物を掃除する「クリーンアップ分子」として働くが、猫ではこの機能が構造的に欠損していることが知られている。

rAIMを補充することで、猫本来の腎機能修復メカニズムを外部から駆動できる可能性が示された。論文は動物病院ベースの臨床試験データをまとめた査読済み報告として重要で、2027年春の実用化を目指す臨床開発の科学的基盤となる。

📖 Journal of Feline Medicine and Surgery, 2026

🔗 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41485732/

獣医学・栄養学


2. 🩺 獣医学・栄養学

猫の薬物療法に関する臨床的最新レビュー——新旧薬剤の使い分けを総説

📅 2026.01.15

Journal of Feline Medicine and Surgery誌に掲載された大規模レビューは、猫臨床で使用される薬剤の最新知見を網羅的にまとめたもの。抗生物質、鎮痛薬、抗ヒスタミン薬、SGLT2阻害薬、糖質コルチコイド、免疫抑制薬、抗けいれん薬など、カテゴリー別に2020年以降のエビデンス更新をレビューしている。特に経口SGLT2阻害薬の糖尿病適応、マロピタントの長期使用、メチマゾール経皮投与などの最新動向が詳述されている。

この総説は開業獣医師の日常診療に直結する内容で、「猫は犬と違う」ことを改めて強調する。日本の飼い主にとっては、主治医が最新の薬物療法に沿った選択をしているかを確認する参考資料にもなる。

📖 Journal of Feline Medicine and Surgery, 2026; 28(1)

🔗 https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC12501467/

獣医学・栄養学


3. 🥩 獣医学・栄養学

「超加工食品」の定義はペットフードに適用できるか?——Frontiers誌3月号が問う

📅 2026.03.10

Frontiers in Veterinary Science誌は、ヒト栄養学で議論が続く「ウルトラプロセスドフード(UPF)」の定義をペットフードに当てはめることの是非を検証した総説を掲載した。著者らは、押出成形・高温殺菌・成分分離など「超加工」にあたる工程がペットフードではむしろ栄養価・安全性の確保に寄与する側面があることを指摘する一方、高グリセミック負荷や超嗜好性が肥満・慢性疾患と関連する可能性も議論している。

結論として、「プロセッシング」自体を善悪で括るのではなく、個別製品の栄養プロファイル・原材料品質・エビデンスベースで評価すべきだと提言する。グレインフリーやロースフードを選ぶ際にも、この視点は有効だろう。

📖 Frontiers in Veterinary Science, 2026; 13

🔗 https://www.frontiersin.org/journals/veterinary-science

獣医学・栄養学


4. 🧠 行動・認知科学

犬の認知特性は日常行動と結びつくか?——160頭のバッテリーテスト長期追跡

📅 2025.12.05

アリゾナ大学・デューク大学の合同チームは、候補アシスタンスドッグ160頭に対し、実行機能・社会的注意・嗅覚識別・抑制制御など多面的な認知バッテリーを子犬期(8〜10週齢)と成犬期(21か月齢)の2時点で実施した。その結果、社会的注意・人間のコミュニケーション信号の利用・独立した問題解決への持続性・嗅覚識別・抑制制御が、個体内で中程度の順位安定性を示し、成犬期の日常行動を部分的に予測することが分かった。

この知見は、子犬期の簡易認知テストを、将来の介助犬・盲導犬・災害救助犬の適性スクリーニングに応用できる可能性を示唆する。一般家庭でも、子犬の「持続性」や「人への注意」を観察することで、将来のトレーニング難易度を大まかに予測できるかもしれない。

📖 Animal Behaviour, 2025

🔗 https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0003347224001258

行動・認知科学


5. 🧠 行動・認知科学

犬における「比較認知」の位置づけ——犬モデルのヒト社会認知研究への価値

📅 2025.06.28

PubMedに掲載された総説論文は、「犬はヒトの社会認知能力を研究する優れたモデル種であるか」という問いに取り組んでいる。著者らは、犬の人間指差し理解・共同注意・情動認識がヒト幼児に類似する一方、学習経験によって大きく変動することを指摘し、純粋な進化的起源を議論するには注意が必要だと結論づける。

この論文は、「犬とヒトの絆」研究が哲学的な段階から厳密な実験科学へと成熟しつつあることを示す好例。家庭犬との日常的なコミュニケーションにも、犬の学習履歴と個体差を尊重する姿勢が求められる。

📖 Animal Cognition, 2025; 28

🔗 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40581705/

行動・認知科学


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