📚 犬猫 研究論文 — 2026.05.01

A brown dog standing on top of a sandy beach

📚 犬猫 研究論文 — 2026.05.01

注目論文 5件



1. 🏥 獣医学・歯科

難治性ネコ慢性歯肉口内炎(FCGS)に対する同種子宮由来MSC(間葉系幹細胞)の長期フィールド安全性試験

📅 2026.04.20

ネコ慢性歯肉口内炎(FCGS)は痛みと食事拒否を伴う重篤な口腔免疫疾患で、歯科処置・抗炎症薬・免疫抑制剤に反応しない難治例が多い。本研究は、同種子宮由来の間葉系幹細胞(uMSC)を難治性FCGSのネコに静注し、長期(最大24か月)の安全性とフォローアップ転帰を評価した世界初の大規模フィールド研究である。重篤な有害事象なく、寛解率は60%超と報告された。

「全顎歯抜歯しか治療法がない」と諦めていた難治例に、再生医療という新しい選択肢が広がる可能性を示している。FCGSはペルシャ・ヒマラヤン・ラグドールなど特定の品種でリスクが高いとされ、口の痛みで食欲が落ちて体重が減少する子は要注意。痛そうに食べる、口臭が強い、よだれが多いなどのサインがあれば、必ず獣医師に口腔検査を依頼してほしい。

📖 Journal of Feline Medicine and Surgery, 2026 Apr

🔗 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41757710/

🏥 獣医学・歯科


2. 🏥 獣医学・感染症

ネコ伝染性腹膜炎(FIP)治療の最新ABCD ガイドライン更新——経口GS-441524が標準療法に確立

📅 2026.04.09

欧州のABCD(European Advisory Board on Cat Diseases)が2026年4月9日付で更新したFIP治療ガイドラインは、長らく「不治の病」とされていたFIPの治療がここ数年で激変したことを反映する内容。レムデシビルやGS-441524などのヌクレオシドアナログ系抗ウイルス薬が標準療法として位置づけられ、特に**経口GS-441524**が利便性・効果のバランスから第一選択薬として推奨されている。

日本国内でも未承認薬を個人輸入で投与するケースが急速に拡大しており、投与プロトコル・モルヌピラビルとの併用・治療期間など、現場の獣医師が頼れる「公式エビデンス」が必要とされていた。本ガイドラインはその標準を提示する。FIPの確定診断後はできるだけ早く専門病院に紹介してもらい、効果と副作用を慎重にモニターしながら治療を進めるべきである。

📖 Viruses, MDPI, 2026 Apr 9, 18(4):452

🔗 https://www.mdpi.com/1999-4915/18/4/452

🏥 獣医学・感染症


3. 🧠 行動・認知科学

「犬は『相手が何を見たか』を本当に追跡できるのか?」3択競争課題で家庭犬を試験——結果は『追跡できていない』

📅 2026.04.05

オランダ・Utrecht大学のNoordenbosらがAnimal Cognition誌に発表した最新研究は、「犬は人間の知識状態(誰が競争相手が見たか/見ていないか)を考慮して行動を選べるか」を、3択カップ競争課題で初めて系統的に検証した。実験デザインでは、犬は「競争相手が隠されたカップ」と「人間の競争相手が競争相手が見た/見なかった場面」の両方を観察する。結果、犬は競争相手が事前に見たかどうかにかかわらず、ランダムにカップを選んでいた。

過去の「犬は人の視線・注意状態を理解する」という直感的な常識に再考を迫る重要な研究である。犬の「人間理解」は単純な視線追跡にとどまる可能性が高く、メンタライジング能力(他者の心的状態を推測する力)はかなり限定的かもしれない。トレーニング設計やしつけの理論にも影響を与えそうで、今後の追試が注目される。

📖 Animal Cognition, 2026, 29(10)

🔗 https://link.springer.com/article/10.1007/s10071-025-02034-0

🧠 行動・認知科学


4. 🐕 獣医学・栄養学

「最小加工食 vs 押出キブル」——犬の代謝・腸内細菌叢の応答を直接比較したRCT

📅 2026.04.10

Frontiers in Veterinary Science誌に2026年4月10日付で掲載された本研究は、家庭犬において「最小加工食(生または軽やか加熱、約80℃調理)」と「従来の押出キブル」を比較する数少ない直接対照RCT。両群で代謝マーカー、便微生物叢、便質を解析したところ、最小加工食群で短鎖脂肪酸の増加・特定の有益菌(Faecalibacterium等)の増加・低度炎症マーカーの低下が確認された。

「フレッシュフード」「ホームクック食」が世界的に広がるなか、「ドライフードより本当に腸に優しいのか?」という飼い主の素朴な疑問に、初めて直接的なエビデンスを返した研究である。ただし、最小加工食は栄養設計と保存衛生が難しく、自家製では**ビタミン・ミネラル不足のリスク**も高い。完全栄養食として市販されている冷蔵タイプか、栄養士監修の製品を選ぶこと。

📖 Frontiers in Veterinary Science, 2026 Apr 10

🔗 https://www.frontiersin.org/journals/veterinary-science/articles/10.3389/fvets.2026.1734572/full

🐕 獣医学・栄養学


5. 🐕 獣医学・栄養学

ネコの腸内細菌叢は「年齢」で大きく変化——83頭・5ライフステージ横断解析、若齢成猫が多様性のピーク

📅 2026.04.18

Frontiers in Veterinary Science誌に掲載された本研究は、83頭のネコを5つの年齢グループ(離乳前1.5か月/早期子猫3か月/後期子猫6~10か月/若齢成猫2歳/成熟成猫7~10歳)に分類し、16S rRNA遺伝子シーケンスで腸内細菌叢を横断解析した。アルファ多様性は離乳前で最低、若齢成猫でピーク、成熟成猫で再び低下するU字カーブを示した。

ネコの腸内細菌は「年齢×食事×環境」の三要素で動的に変化することが裏付けられ、子猫期と成熟期に栄養配慮を強化すべきという臨床的示唆が得られる。子猫の成長期にはプレバイオティクス・離乳食の質、シニア期には消化の良い高タンパクと有用菌サプリの導入を、獣医師と相談しながら検討してほしい。

📖 Frontiers in Veterinary Science, 2026

🔗 https://www.frontiersin.org/journals/veterinary-science/articles/10.3389/fvets.2026.1775401/abstract

🐕 獣医学・栄養学


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