🎗️ 犬猫 腫瘍ニュース — 2026.05.13

🎗️ 犬猫 腫瘍ニュース — 2026.05.13

犬猫の腫瘍・がん関連ニュース&論文 計7件


🎗️ 腫瘍・がん関連ニュース — 2026.05.13

本日 7件


1. 🎗️ 医療・疾病・予防

「2026年版AAHA犬猫がん診療ガイドライン」が10年ぶりに大幅刷新——プライマリ獣医師が職場で使える「腫瘍別ステージング・治療・予後」クイックリファレンス+化学療法スタッフ安全プロトコル

📅 2026.01.02

米国動物病院協会(AAHA)は2026年1月2日、10年ぶりとなる「2026年版AAHA犬猫腫瘍ガイドライン」を公開した。今回の改訂は前版(2016年)から大幅に再構成され、プライマリ獣医療チームが「専門医に紹介すべきか自院で対応できるか」を判断できるよう、犬猫の主要な腫瘍種別に「ステージング検査・治療オプション・予後・予後不良因子」が一覧化されている。新しい治療法としてStelfonta(チギラノル・チグレート)、Tanovea(ラバクホサジン)、Laverdia-CA1(ベルジネキソル)、Gilvetmab(カニン化抗PD-1抗体)、Canalevia-CA1(化学療法誘発下痢治療薬)など、過去10年で承認された新薬の使い方が体系的に整理された。

特筆すべきは「化学療法スタッフ安全」「テレコンサルティング」「獣医師テクニシャンによる腫瘍診療支援」「クライアントコミュニケーション」「緩和ケア・終末期医療」までを含む包括的アプローチである点。日本ではAAHAガイドラインを直接適用しないが、JVCS(日本獣医がん学会)認定医や腫瘍科のある動物病院では参考資料として活用されており、飼い主としては「治療方針の根拠」を主治医に質問する際の出発点となる。

🔗 https://www.aaha.org/resources/2026-aaha-oncology-guidelines-for-dogs-and-cats/

🎗️ 医療・疾病・予防


2. 🧬 研究・科学

「血漿CDC6 mRNA」が犬B細胞リンパ腫の治療効果モニタリング指標に——治療中・治療後の経時測定で再発前の段階を捉える可能性、BMC Veterinary Research 2026年

📅 2026.03.20

イタリア・ボローニャ大学獣医学部の研究チームは、犬B細胞リンパ腫患者を対象に「血漿中CDC6 mRNAレベル」を治療経過にわたって測定し、寛解・再発の予測指標として有効か検証する研究をBMC Veterinary Researchに発表した。CDC6(細胞分裂周期6)は細胞増殖の中核を担うタンパク質で、がん細胞では顕著に発現量が上昇している。本研究では、化学療法中・治療終了後の犬の血液から抽出したCDC6 mRNAを定量PCRで測定したところ、治療反応群と非反応群の間で有意な差が見られた。

従来のリンパ腫モニタリングは「触診で再発リンパ節を見つける」「血液生化学で間接的に推測する」に頼っており、再発判定が遅れがちだった。CDC6を血液で測定する非侵襲的アプローチが実用化されれば、再発の兆候を早期に捕捉して治療強度を調整できる可能性がある。さらに人医療の血液腫瘍領域でも同様の取り組みが進んでおり、犬とヒトの「腫瘍液体生検」が連動して進化していく潮流の一例である。

🔗 https://link.springer.com/article/10.1186/s12917-025-05263-0

🧬 研究・科学


3. ☢️ 医療・疾病・予防

ウィスコンシン大、犬の末梢T細胞リンパ腫(PTCL)に「⁹⁰Y-NM600 標的放射性医薬品療法」の安全性・有効性試験を開始——フローサイトメトリーまたはIHC確定例の犬を全国から募集

📅 2026.04.01

ウィスコンシン大学獣医学部腫瘍科は、犬の末梢T細胞リンパ腫(PTCL)に対する新しい全身療法として、放射性同位元素イットリウム90を結合させた標的放射性医薬品「⁹⁰Y-NM600」の安全性・最適投与量・有効性を評価する臨床試験を始動した。PTCLは犬リンパ腫の約15%を占めるが、従来の多剤化学療法(CHOP)に対する反応率が低く、生存期間中央値も6〜10ヶ月と短い、難治性の血液がんとして知られる。NM600は腫瘍細胞に選択的に集積するキレート剤で、ステージや病変部位を問わず全身に放射線を届けられる新世代モダリティだ。

研究は段階的な用量増量プロトコル(doses escalation)で進められ、フローサイトメトリーまたは免疫組織化学(IHC)でPTCL確定診断を受けた犬であれば、病期に関わらず参加可能(腫瘍が採取可能であることが条件)。ヒトのCAR-T療法と並ぶ次世代腫瘍治療として注目される「標的放射性医薬品療法(TRT)」が犬の難治性血液がんで実証されれば、放射線安全管理体制が整った大学病院だけでなく、専門センターへの展開も期待される。

🔗 https://uwveterinarycare.wisc.edu/veterinary-clinical-studies/oncology/

☢️ 医療・疾病・予防


4. 🧬 研究・科学

AKC Canine Health Foundation、2026年春の研究助成サイクルで「血管肉腫・リンパ腫・てんかん」を重点課題に指定——Acorn助成(30,000ドル枠)が研究の入口を開く

📅 2026.04.30

AKC(米国ケンネルクラブ)Canine Health Foundationは、2026年春の研究助成サイクルにおいて「ヘマンギオサルコーマ(血管肉腫)」「リンパ腫」「てんかん」の3領域を重点課題に指定し、応募を受付中であると発表した。助成枠は若手研究者向け「Acorn」(最大30,000ドル、間接経費15%上限)と標準枠「Oak」(30,000ドル以上、間接経費15%上限)の2種類で、革新的な研究テーマを広く募集している。AKC CHFは2026年だけで犬のがん研究に360万ドルを投入する見通しで、米国における犬腫瘍学研究の最大級スポンサーだ。

血管肉腫はゴールデン・レトリーバー、ジャーマン・シェパード、ラブラドール等の中・大型犬に好発する致死率の高い血液腫瘍で、診断時にはすでに転移していることが多い致命的疾患である。リンパ腫は犬の腫瘍のうち15-20%を占める血液がん。これら2大難病とてんかんを重点指定したことは、世界の獣医研究の方向性を示すシグナルとして注目される。日本の研究者も応募可能で、国際共同研究のチャンスがある。

🔗 https://www.akcchf.org/investigator-opportunities/request-for-proposal-schedule/spring-2026/

🧬 研究・科学


5. 🏆 研究・科学

AKC CHF「2026年 犬の健康ディスカバリー・オブ・ザ・イヤー」候補ノミネート受付開始——犬の健康と獣医療に意義のある最新研究を表彰

📅 2026.04.10

AKC Canine Health Foundation(CHF)は、2026年版「Canine Health Discovery of the Year Award(犬の健康ディスカバリー・オブ・ザ・イヤー賞)」のノミネート受付を開始した。同賞は「過去数年以内に犬の健康・獣医学・人医療への応用に有意義な貢献をした研究」を毎年表彰するもので、推薦は研究者本人・臨床獣医・飼い主・ブリーダー誰でも可能。歴代受賞研究は腫瘍学、遺伝学、感染症、行動学など多岐にわたり、研究成果の社会実装を後押しするインキュベーター的役割を果たしている。

近年の腫瘍関連の有力候補としては、2026年2月のScience誌「猫オンコゲノム研究(493頭)」、コーネルRiney発表のトラメチニブによる犬口腔扁平上皮癌治療、Volition社の「Nu.Q Vet Cancer Test」によるリンパ腫早期検出、ELIAS社の骨肉腫免疫療法(ECI)の本承認などが挙げられる。受賞研究は世界中の獣医学コミュニティで採用される標準として広がることが多く、飼い主としては「2026年に注目すべき犬の健康トピック」を把握する良いシグナルとなる。

🔗 https://www.dvm360.com/view/akc-canine-health-foundation-opens-nominations-for-2026-canine-health-discovery-of-the-year-award

🏆 研究・科学


6. 🫁 医療・疾病・予防

「犬の原発性肺癌」治療法ごとの生存解析——外科切除のみで生存期間中央値2年超、化学療法併用は限定的、Frontiers Vet Sci 2026年

📅 2026.04.05

Frontiers in Veterinary Science誌に掲載された後ろ向き多施設研究では、犬の原発性肺癌(pulmonary carcinoma)に対する各種治療モダリティ別の生存期間と予後因子を解析した。原発性肺癌は犬の全悪性腫瘍の約1%を占める比較的稀ながん種だが、診断時にはすでにステージが進行していることが多く、ステージT1(局所限定)の症例では外科的肺葉切除のみで最大2年超の生存期間が得られた一方、転移を伴う進行ステージでは予後不良が確認された。化学療法・放射線療法・分子標的薬の併用は症例によって効果が限定的だった。

特筆すべき分子的知見として、犬の肺腺癌細胞株では恒常的なAKTリン酸化と、HER2阻害薬(lapatinib・neratinib)への感受性が確認されており、ヒトの非小細胞肺癌でも使われる分子標的薬の犬への応用可能性が示唆された。咳の長引く高齢犬では胸部X線・CTでの早期発見が予後を大きく左右するため、定期健診の重要性を改めて認識したい。

🔗 https://www.frontiersin.org/journals/veterinary-science/articles/10.3389/fvets.2026.1683766/full

🫁 医療・疾病・予防


7. 🧬 研究・科学

犬・猫の「軟部組織線維肉腫」におけるc-Mycがん遺伝子の発現解析——両種に共通する強い発現パターン、種を超えた治療戦略の可能性(Animals MDPI 2026年2月)

📅 2026.02.12

Animals誌(MDPI)に掲載されたイタリア・ピサ大学の研究チームによる比較解析では、犬と猫の軟部組織線維肉腫(soft tissue fibrosarcoma)の腫瘍組織におけるc-Myc(がん遺伝子)のmRNAおよびタンパク質発現を、PCRと免疫組織化学(IHC)で測定した。結果、犬の線維肉腫の70%以上、猫の線維肉腫の60%以上でc-Mycの過剰発現が確認され、組織学的グレードの上昇に伴って発現レベルが有意に増加していた。c-Mycは細胞増殖・代謝・アポトーシス回避に関わる転写因子で、ヒトの腫瘍の多くで「治療標的」として注目されている分子だ。

軟部組織線維肉腫は犬で6番目、猫で1番目の発症率を持つ皮下腫瘍で、再発率の高さと予後判定の難しさが課題となっている。本研究は「グレード判定の客観的指標」と「種を超えた分子標的療法(c-Myc阻害薬等)の応用可能性」を同時に示唆した点で意義深い。飼い主としては、しこりが見つかった際は「グレード分類のための適切な病理検査」を行ってもらうこと、再発予防のための定期フォローを欠かさないことが重要だ。

🔗 https://www.mdpi.com/2076-2615/16/4/584

🧬 研究・科学


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