🐾🐱 犬猫ニュース — 2026.05.18
犬4 + 猫2 = 計6件
🐾 犬ニュース — 2026.05.18
本日 4件
1. ⚠️ リコール・安全情報
AllProvide Holistic Pet Food、人気の「Gently Cooked Chicken Recipe for Dogs」をプラスチック混入で全14ロット自主回収——2月23日〜5月1日に直販された1lbブロックが対象(FDA連携・5月12日発表)
📅 2026.05.12
ジョージア州拠点の高級ペットフードメーカー AllProvide Holistic Pet Food は、自社の人気商品「Gently Cooked Chicken Recipe for Dogs(1lb / UPC 859125005809)」のロット 048-01〜048-14、賞味期限 2027年8月1日、流通期間 2026年2月23日〜5月1日の全製品を、プラスチック片の混入の恐れがあるとして自主回収すると発表した。発端は顧客から「製品中に異物(プラスチック片)が確認された」という苦情で、その後同社が念のため対象ロットを拡大して全回収を決断、FDA も承知のうえで進められている。問題のロットはオンライン直販のみで一般小売には流通していない。
プラスチック片は犬がそのまま誤飲すると口腔損傷・窒息・消化管閉塞の原因となり得るため、対象期間に AllProvide.com から購入した家庭は給与を直ちに中止し、ロット番号と賞味期限を確認して廃棄したうえで写真を撮ってメーカーに送ると返金が受けられる。日本国内の正規取扱店では本製品は扱われていないが、米国直販サイトから個人輸入している場合は購入履歴を確認すること。万一与えてしまい犬が嘔吐・腹痛・排便異常・行動変化を示している場合は速やかにかかりつけ獣医師に相談する。
🔗 https://truthaboutpetfood.com/allprovide-dog-food-recall/
2. 💉 医療・疾病・予防
「ワクチン接種後30日以内にIMHA(免疫介在性溶血性貧血)発症リスクが約2倍」——RVCら国際チームがJVIMで報告、ITP(血小板減少)には関連なし、因果はまだ断定せず(JVIM 2026年4月)
📅 2026.04.11
ロンドン王立獣医大(RVC)を中心とした国際研究チームは、犬の免疫介在性溶血性貧血(IMHA)と犬の免疫介在性血小板減少症(ITP)について、ワクチン接種との時間的関連を症例対照研究+システマティック・レビューで初めて系統解析した結果を Journal of Veterinary Internal Medicine 誌 2026年4月号(40巻2号、aalag057)に発表した。研究では、IMHA を発症した犬群と健常対照群を比較したところ、発症から過去30日以内にワクチン接種を受けていた犬の割合は IMHA 群で 11.9%、対照群で 6.1% と有意差が認められ、オッズ比は約2倍であった。同時に行った ITP の解析ではワクチンとの関連は確認されなかった。犬種による差も見られなかった。
ただし著者らは「この研究結果は因果関係を証明するものではない」と慎重なトーンで強調しており、ワクチン接種そのものを否定しているわけではない。IMHA は致死率も高い重篤な自己免疫疾患であるため、リスク要因のシグナルを掴むことは臨床的に意義深い。飼い主としては「ワクチン=危険」と短絡せず、犬の年齢・基礎疾患・前回接種からの間隔をかかりつけ獣医師と相談し、過剰接種を避けつつ必要な感染症予防は継続するというバランス感覚が重要だ。接種後1ヶ月は元気・食欲・粘膜色(歯ぐきが白っぽくないか)を意識して観察し、異常があれば早めに受診を。
🔗 https://academic.oup.com/jvim/article/40/2/aalag057/8644146
3. 🩸 医療・疾病・予防
「血管肉腫(HSA)」を訓練犬が血液の匂いだけで70%の精度で検出——ペン大Working Dog Centerが世界初の症例実証、年1回スクリーニング検査としての可能性に光(JVIM 2026年)
📅 2026.01.27
ペンシルベニア大学獣医学部 Working Dog Center(Cynthia Otto、Clara Wilson博士ら)は、訓練を受けた5頭のバイオディテクション犬が、犬の血管肉腫(HSA、ヘマンジオサルコーマ)患者の血清の匂いを健常犬・他疾患犬の血清から正確に嗅ぎ分けられることをダブルブラインド試験で実証した。研究結果は Journal of Veterinary Internal Medicine 2026年に掲載(PubMed 41319895)。HSA は脾臓・心臓などに発生する血管由来の悪性腫瘍で、症状が出てから発見しても手遅れになることが多く「サイレントキラー」と呼ばれる。試験犬は HSA サンプルを正答率 70% で識別し、健常対照より13倍以上、他疾患対照より10倍以上の頻度でアラート反応を示した。
血管肉腫はゴールデンレトリバー、ジャーマンシェパード、ラブラドール、シニア犬で頻発し、有効な早期スクリーニング検査がこれまで存在しない。匂い検知が将来「血液1滴で年1回スクリーニング」のような検査ツールに発展すれば、脾臓破裂・心嚢内出血で発見される現状を大きく変える可能性がある。研究チームは将来的に「VOCチップ式の血液検査装置を全動物病院に置く」ことを目標としており、6〜8歳以降のシニア大型犬を持つ飼い主にとって朗報。現時点では実用化前の段階だが、高リスク犬種を飼っている場合は腹部エコーを含む半年〜年1回の健康診断を主治医と相談することが現実的な対策。
🔗 https://penntoday.upenn.edu/news/sniffing-out-cancer-trained-dogs-can-detect-hemangiosarcoma-scent
4. 🧬 研究・科学
Waltham Petcare Science Institute、世界最大規模の「犬の腸内マイクロバイオーム・カタログ」を公開——982の新規菌株、89の新種、10の新属を発見(Microbiome誌 2026年1月)
📅 2026.01.30
英国 Mars 傘下の Waltham Petcare Science Institute は、健康な家庭犬107頭(米国+欧州)の便501サンプルを長鎖・短鎖両方のショットガンメタゲノム解析にかけ、犬の腸内マイクロバイオームの全容を世界最高解像度で明らかにした論文を Microbiome 誌に公開した。組み立てられたメタゲノム由来ゲノム(MAGs)は 5,753 件、これを重複排除して 1,031 株を同定。うち 982 株がこれまで論文に登場していなかった「犬固有・新規株」で、89 種・10 属が完全に新規。さらに健康な犬の腸内の 80% 以上を占める「コア菌叢」240 種をリスト化し、繊維発酵性細菌(Bacteroides、Prevotella、Faecalibacterium、Lactobacillus 等)が支配的であることを定量的に示した。
この研究で「これまで犬の腸内細菌のうち科学的にカタログ化されていたのは約25%だった」という長年の盲点が一気に解消された。今後はこのカタログを参照点として、加齢・疾患・食事介入による微妙な菌叢変動を高い解像度で追跡できるようになり、犬種別・年齢別のプロバイオティクス・プレバイオティクスのデザインも一気に精度が上がる見込み。家庭の飼い主としては、ヨーグルト程度ではなく「犬専用に同定された菌株」を含むプロバイオティクスを選ぶ流れが今後加速していくと考えてよい。腸内環境はフードの繊維量・水分量・運動量と密接に関わるため、便の状態(硬さ・色・におい)を毎日観察し、急な変化があれば早めにかかりつけ獣医師へ相談しよう。
🔗 https://link.springer.com/article/10.1186/s40168-025-02265-w
💡 今日のワンポイント
今日のテーマは「データが愛犬の健康を変える日」。ワクチン接種と IMHA の時間的関連、訓練犬による血管肉腫の匂い検知、犬専用の腸内細菌カタログ——いずれも「集めたデータを丁寧に解析することで、これまで見えなかった犬の身体の不思議がはっきりと見えてくる」研究です。家庭の飼い主にできる第一歩は、年齢・体重・接種歴・便の状態など日々の小さな観察を続けて、かかりつけ獣医師にスムーズに共有することです。
🐱 猫ニュース — 2026.05.18
本日 2件
1. 🦠 医療・疾病・予防
CDC、生肉キャットフード由来「H5N1鳥インフルエンザ感染猫からのヒト感染」を世界で初めて公衆衛生調査で確認——25人中1人が無症候性のIgM抗体陽性、生肉食の飼育猫を持つ家庭への警鐘
📅 2026.05.13
米CDCとロサンゼルス郡公衆衛生局は、市販の生肉ベース・キャットフードで H5N1(高病原性鳥インフルエンザ)に感染し死亡した家庭猫から「曝露を受けた人25名」のうち1名(獣医療従事者)が血清学的に H5N1 感染陽性を示していたことを、公式調査の結果として dvm360 と AVMA News に5月13日付で公表した。陽性者は症状を出していなかったが、血清中の特異的抗体が確認され「猫→人の感染が成立した世界で初めての記録例」と位置づけられる。同調査では、ロサンゼルスで「生肉・生乳・市販生肉ベース・キャットフード」を介して2024年12月〜2025年1月に少なくとも10頭の家庭猫が H5N1 感染(うち1頭は確定死亡)、アリゾナでも2026年に12例の感染猫が確認されている。
家庭猫の H5N1 感染は致死率70%にも達し、感染猫→ヒトへの感染が公衆衛生上の懸念として現実化したことの意味は大きい。CDC・FDA はすでに「猫に生肉・生乳・生鳥肉・生肉ベース・ペットフードを与えない」ことを強く推奨しており、4月にはペットフードメーカーに対して H5N1 を食品安全プランに組み込むことが正式に義務化された。日本でも野鳥との接触、養鶏場周辺の放し飼い、輸入生肉ベース・ペットフードを通じた感染リスクがゼロではない。屋外飼育の見直しに加え、生肉食をやめて十分に加熱したフードに切り替えること、猫が呼吸器症状・神経症状を見せた場合は速やかにかかりつけ獣医師に連絡することが当面の最重要対策となる。
2. 🧬 研究・科学
NC State大「Cat Camp」第1回研究助成、FIP・HCM・血栓塞栓症の若手獣医師4名に各15,000ドルを授与——猫専門の臨床研究者育成パイプラインを本格始動(2026年5月12日)
📅 2026.05.12
ノースカロライナ州立大学獣医学部(NC State CVM)は、若手獣医師を猫専門の臨床研究者へ育てるパイプライン「Cat Camp」の第1回研究助成として、35名の研修医・専門医候補の中から競争的に選ばれた4名に各15,000ドル(合計60,000ドル)の研究助成金を授与したと発表した。資金は Zoetis 社と NC State 大学からの寄付を、EveryCat Health Foundation(旧 Winn Feline Foundation)が管理する形で運用される。採択された4つの研究テーマは「猫伝染性腹膜炎(FIP)」「肥大型心筋症(HCM)」「動脈血栓塞栓症(ATE)」の3つの主要疾患を中心とした臨床関連研究で、いずれも家庭猫の死因上位を占める難治性疾患である。Cat Camp は、犬中心になりがちな獣医療研究のパイプラインに「猫専門」の若手をどう育てるかという長年の課題への直接的な回答として注目されている。
猫の難治性疾患研究は、犬に比べて研究者人口・資金とも限られてきた歴史的背景がある。FIP は GS-441524 系抗ウイルス薬の登場で治療可能となったが再発率・最適投与プロトコルなど未解明部分が残り、HCM は猫の心疾患の70%以上を占めるが原因遺伝子の理解は途上、ATE は HCM 続発の致命的合併症で予防策が不確立——いずれも飼い主にとって他人事ではない疾患群だ。今回の4名のような若手が継続的に育てば、5〜10年スパンで猫専門の獣医療水準が確実に底上げされる。シニア猫を持つ家庭は、定期健診時に超音波検査による HCM スクリーニング、咳・運動不耐・後肢の急な麻痺などのサインを共有することを忘れずに。
🔗 https://news.cvm.ncsu.edu/inaugural-cat-camp-research-grants-go-to-four-feline-focused-participants/
💡 今日のワンポイント
今日の猫ニュースは「家庭の中の感染リスクと、それを支える研究エコシステム」が両軸のテーマ。生肉ベース・キャットフードはここ数年「自然食」として人気を集めてきましたが、H5N1 やサルモネラなど命に関わる病原体のキャリアになり得ます。一方で、猫専門の若手研究者を育てる仕組み(Cat Camp など)も着実に整い始めています。飼い主としては、「与えるものは加熱済みのフード」「定期健診で HCM の超音波チェック」「研究の進展を希望として受け取り続ける」の3点をぜひ。
毎朝7時配信

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