🐾🐱 犬猫ニュース — 2026.05.19
犬4 + 猫2 = 計6件
🐾 犬ニュース — 2026.05.19
本日 4件
1. 🧠 医療・疾病・予防
Orion Animal Health「Tessie®(タシピミジン経口液)」がFDA承認——犬の 「騒音恐怖症」と「分離不安症」の両方に効く世界初の薬、米Zoetisが2027年中頃に発売予定
📅 2026.05.06
フィンランドのOrion Corporationは、傘下のOrion Animal Healthが新規α2A-アドレナリン受容体作動薬「Tessie®(一般名:tasipimidine 経口液、0.3 mg/mL)」について、米国食品医薬品局(FDA)から犬の 「騒音恐怖症(noise aversion)」と「分離不安症(separation anxiety)」の両方に対する治療薬として承認を取得したと、2026年5月12日付プレスリリースで発表した(FDA承認日は5月6日)。タシピミジンはOrion独自の新規分子で、米国では新規動物用医薬品として位置づけられる。中枢神経系で「びっくり反射(startle reflex)」をブロックし覚醒度(arousal)を抑える作用機序を持ち、雷・花火などの刺激予測時、もしくは犬を留守番させる1時間前に1回経口投与する。米国販売はZoetisが独占権を持ち、市場投入は2027年中頃を予定。
FDAが2つの不安症状の両方に対して同一製品を承認するのは初めてで、これまで「Sileo(デクスメデトミジン)が騒音、Reconcile/クロミプラミンが分離不安」と別々の薬を使い分けてきた獣医療に大きな変化をもたらす。雷・花火の季節や留守番のたびに犬がパンティング・震え・破壊行動を起こす家庭は、夏の雷シーズン前にかかりつけ獣医師と相談して 行動修正トレーニング+環境エンリッチメント+必要時の薬物療法 という三本柱の対応策を準備しておくのが理想。Tessieは日本での承認・発売はまだ未定だが、世界の動物精神医療の標準が変わる重要なマイルストーンとなる。
2. 🥩 栄養・食事・サプリ
Protix社「PureeX®+ProteinX®」黒色兵隊バエ(BSFL)由来100%ウェット食、家庭犬で 「鶏肉混合食と同等の高い嗜好性」 を実証——昆虫タンパクが犬の主食に定着しつつある(Pet Food Processing、2026年2月)
📅 2026.02.18
オランダの昆虫タンパク質メーカー Protix は、自社の「PureeX®」(黒色兵隊バエ幼虫 Hermetia illucens を最小限の加工で処理したペースト状原料)と「ProteinX®」(昆虫ミール)を使った2種類のウェットドッグフードについて、 「PureeX 100%・昆虫オンリー食」「PureeX+ProteinX+鶏肉のハイブリッド食」の両方が等しく高い嗜好性を示した ことをパラタビリティ試験で確認したと、Pet Food Processing 誌(2026年2月)と PetfoodIndustry 誌で発表した。試験犬は両方の食事を快く食べ、飼い主側も「食感・においの印象は良好」と回答した。Protix は同シリーズの製品を、ウェットフードと押出乾燥キブル(ドライフード)の両用途に展開予定。
牛・豚・鶏に比べて温室効果ガス排出量・水使用量・土地利用が圧倒的に少ない昆虫タンパクは、ペットフード業界でも「環境負荷の小さい代替タンパク源」として注目度が上昇中。2026年に公開された8,823人規模の大規模ペットオーナー調査でも、若い女性飼い主・ヴィーガン飼い主を中心に「昆虫タンパクペットフードに前向き」という回答が増加している。日本国内ではまだ昆虫ベース・ドッグフードの流通は限定的だが、輸入製品が徐々に増えつつある。食物アレルギー(牛・鶏に反応)が出る犬や、サステナビリティを重視する飼い主にとって、昆虫タンパクは「次世代の単一タンパク源食」として将来の選択肢になり得る。新規タンパク導入時は必ず7〜10日かけて段階的に切り替え、便・皮膚の変化を観察すること。
3. 🦷 医療・疾病・予防
「働く犬は 歯のケガが5倍・歯のすり減りが6倍多い」——警察犬・軍用犬の歯科疾患を一般家庭犬と比較した世界初の大規模解析、Frontiers Vet Sci 2026年
📅 2026.04.30
米ペンシルベニア大学獣医学部 Han, Reiter, Stefanovski, Castejón-González の各博士は、2018〜2022年に同大学歯科科を受診した 「働く犬」(警察犬・軍用犬・捜索救助犬など、咬む・捕まえる・引きずるなどの作業を仕事とする犬)と「一般家庭犬」 の歯科疾患をレトロスペクティブに比較した解析を、Frontiers in Veterinary Science 誌(2026年、doi.10.3389/fvets.2026.1816961)に発表した。結果は鮮明で、 働く犬は外傷性歯槽損傷(TDI)が1頭あたり平均 6.3±6.4個、歯のすり減りが平均 12.7±11.5本 だったのに対し、家庭犬はそれぞれ 1.3±1.7個・1.9±4.9本にとどまり、約5倍〜6.5倍の差があった。歯周病の発症率自体は両群で大きな違いはなかったが、外傷性歯科疾患の負荷は仕事内容により圧倒的に高いことが明らかになった。
働く犬は咬む練習・物の運搬・闘う訓練の中で前歯・犬歯・第4前臼歯にダメージが蓄積しやすい。歯の破折は神経露出・歯髄壊死・根尖膿瘍へと進展し、犬の食欲低下・パフォーマンス低下を招くため、 働く犬は年1〜2回の歯科専門医による評価と画像診断(歯科レントゲン)が推奨される。一方、家庭犬でも引っ張り遊び(タグオブウォー)、骨やデンタルチューの過度な使用は同様の損傷を起こし得る。硬すぎるおもちゃ(特に「親指で爪痕がつかない硬さ」のもの)は与えない、デンタルチューは犬の体格に合った柔軟性のものを選ぶ、定期的に口腔内をチェックする——これが家庭でできる最重要予防策。気になる破折・欠けを見つけたら、できるだけ早く獣医師に相談を。
🔗 https://www.frontiersin.org/journals/veterinary-science/articles/10.3389/fvets.2026.1816961/full
4. 🧠 研究・科学
「働き者の犬は若さを保つ」——ハンガリーELTE大、858頭の老齢犬解析で 生涯のスポーツ参加・飼い主との共同活動・犬種タイプが「犬の認知機能低下(CCD)」の重症度を左右することを実証(Frontiers Vet Sci 2026年4月)
📅 2026.04.25
ハンガリーのエトヴェシュ・ローランド大学(ELTE)動物行動学科 Csenge Anna Lugosi、Petra Dobos、Peter Pongracz の各博士は、7歳以上の老齢犬858頭を対象に飼い主アンケート調査を行い、 生涯にわたるスポーツ活動歴・飼い主との共同活動・犬種タイプ(協力的作業犬種 vs. 独立的作業犬種) が犬の認知機能低下(CCD: Canine Cognitive Decline)スコアに与える影響を多変量解析した結果を、Frontiers in Veterinary Science 誌(2026年、doi.10.3389/fvets.2026.1833531)に発表した。解析からは、 若齢期からスポーツやアジリティ・服従訓練・ノーズワーク等を継続してきた犬は、加齢に伴うCCDの重症度が有意に低いこと、 協力的作業犬種(牧畜犬・スポーツ犬)は独立的作業犬種よりCCDが軽い傾向があることが示された。飼い主との共同活動の頻度・質が高いほど、シニア期の認知機能維持に効いていた。
「使わない脳は衰える(use-it-or-lose-it)」というヒトの認知症予防原則が、犬にもそのまま当てはまることが大規模疫学で初めて示された意義深い研究。シニア期(7歳以降)の犬で問題視されるCCDは、夜鳴き・徘徊・トイレの失敗・飼い主を認識できないなどの症状を伴い、 11〜14歳で約25%、15歳以上では半数以上に何らかの兆候が出るとされる。家庭の飼い主にできる対策は明確で、 若い頃からトリック練習・ノーズワーク・新しい散歩コース・パズルフィーダーなど「考えさせる遊び」を継続すること、シニア期に入っても無理のない範囲で運動と知的刺激を続けることが、犬の脳の若さを守る最大の鍵となる。すでにCCDの兆候がある犬は、かかりつけ獣医師に相談のうえ食事療法(DHA・MCT・抗酸化サプリ等)や薬物療法(セレギリン等)の追加も検討を。
🔗 https://www.frontiersin.org/journals/veterinary-science/articles/10.3389/fvets.2026.1833531/full
💡 今日のワンポイント
今日のテーマは「犬の脳と健康寿命を伸ばす科学」。 不安症の新薬Tessieは「気持ちを楽に」、昆虫タンパクは「腸と地球に優しく」、働く犬の歯科データは「使いすぎを管理」、生涯スポーツは「脳の老化を遅らせる」——いずれも「犬の生活の質を、心身両面から底上げする」最新エビデンスです。 愛犬のシニア期を見据えて、毎日の「楽しい刺激」と「適切な休息」のバランスを意識してみてください。
🐱 猫ニュース — 2026.05.19
本日 2件
1. 🫘 医療・疾病・予防
「猫はなぜ腎臓病になりやすいのか?」——英ノッティンガム大、 猫だけに見られる『エーテル結合型トリグリセリド』が幼少期から腎臓に蓄積 していることを世界で初めて発見、慢性腎臓病(CKD)の根本機序解明へ(Frontiers Vet Sci 2026年)
📅 2026.03.27
英ノッティンガム大学獣医学部 Gardner 教授ら研究チームは、家庭猫と野生ネコ科動物の腎臓組織を クロマトグラフィー+脂肪酸解析+質量分析(lipidomics) で網羅的に解析した結果、 家庭猫の腎臓細胞には他のほぼあらゆる哺乳類には見られない『エーテル結合型・分岐構造の修飾トリグリセリド(mono-alkyl-diacylglycerols, MADAGsなど)』が、幼齢の段階から脂肪滴(lipid droplets)として大量に蓄積していることを世界で初めて発見し、Frontiers in Veterinary Science 誌(2026年、doi.10.3389/fvets.2026.1711591)に発表した。phys.org の科学記事(2026年3月27日付)と Vet Times、Catster などで広く報道。なぜ猫がCKDになりやすいのかという「獣医学の長年の謎」に、新しい分子レベルの仮説を提示した。
家庭猫の慢性腎臓病は 7歳以上で30〜40%、15歳以上では半数に見られる致死率の高い加齢疾患で、原因は長年「ライフスタイル・遺伝・食事・脱水」の組み合わせと考えられてきたが、決定的な「猫特異的」な機序は不明だった。今回発見された異常脂質は腎臓細胞に長期間蓄積することで、 酸化ストレス・小胞体ストレス・炎症 を起こし、徐々に細胞死を招く可能性が示唆される。Gardner 教授らは「この脂質の蓄積を抑える食事介入またはサプリメントの開発」を次の研究目標として掲げており、将来は 若齢期からの予防的食事介入で猫のCKDを根本から減らす 道筋が見えてくるかもしれない。当面、家庭の飼い主は新鮮な水の常備・年1回(シニアは年2回)の腎臓パネル(クレアチニン・SDMA・尿比重)チェックと、療法食を選ぶ際は主治医のアドバイスを受けることが現実的な対策。
🔗 https://phys.org/news/2026-03-cats-prone-kidney-disease-unusual.html
2. 🦠 医療・疾病・予防
Cornell大、 猫の致死的コロナウイルス変異体「FCoV-23」が、2023年キプロス大流行のはるか前から米国に10年以上潜伏していたことを発見——保管された2013・2016年の検体から検出、FIP流行への備えが急務(JFMS 2026年3月)
📅 2026.04.27
米コーネル大学獣医学部 Gary Whittaker 教授ら研究チームは、 2023年に地中海キプロス共和国で家庭猫およそ1万頭が死亡した致死的「FCoV-23(Cyprus-23、FCoV-2系統)」変異体が、実際には2013年・2016年の米国にも存在していたことを、保管検体のレトロスペクティブ全ゲノム解析で発見したと、Journal of Feline Medicine and Surgery 誌(2026年3月6日号)に発表し、Cornell Chronicle と Cornell Center for Vertebrate Genomics、phys.org(2026年4月)で広く報道された。20検体(組織・便・腹水)を全ゲノム解析した結果、 ウイルス表面のスパイクタンパク質「ドメインゼロ」領域に特徴的な欠失 が認められ、これがキプロス株と共通する病原性マーカーであることが確認された。FCoV-23 は急速な広がりと高い致死率を特徴とし、 猫の致死性疾患「猫伝染性腹膜炎(FIP)」のリスクを大きく押し上げる。
これまで「FIPの脅威はキプロスだけのローカルな問題」と考えられてきたが、実際には10年以上前から米国にも存在していたことが分かり、 多頭飼い・シェルター・キャッテリーは今後、FCoV-23 型のサーベイランス強化が不可欠な状況に。FIPは特定治療が困難な疾患だったが、近年は GS-441524 系抗ウイルス薬・経口レムデシビル等で 奏効率85〜90%まで改善しており、FIPの早期診断とウイルス株の同定が予後を左右する重要要素になっている。日本国内でも輸入猫・多頭飼い環境からのFCoV-23侵入リスクはゼロではない。新規導入猫の 14日間隔離・便を介した感染防御・多頭環境のストレス管理 を改めて徹底することが家庭でできる最重要対策。元気消失・体重減少・発熱・腹水(おなかが膨れる)等の症状があれば、速やかにかかりつけ獣医師の診察を受けること。
💡 今日のワンポイント
今日は猫の「見えない脅威」に光を当てる2本。猫の腎臓に幼齢期から蓄積する異常な脂質、そして10年以上前から潜伏していた致死的コロナウイルス——どちらも「いつもと違うシグナルを早期に拾うこと」が鍵です。 飼い主にできる最善は、年1〜2回の血液検査と尿検査、新規導入猫の隔離、便・水・トイレ周りの衛生管理。シニア猫は半年に1度の腎臓パネルを習慣化しましょう。
毎朝7時配信

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