📚 犬猫 研究論文 — 2026.05.21
注目論文 3件
1. 🧬 獣医学・栄養学
イヌのリーシュマニア症に対するDNAワクチン「Neoleish」——361頭の二重盲検試験で発症リスク約73%減
📅 2025.11.03
スペインの研究チームが、イヌのリーシュマニア症(Leishmania infantum による媒介性の人獣共通感染症)に対するDNAワクチン「Neoleish」の有効性を、ランダム化二重盲検フィールド試験で検証した。ワクチン群181頭・プラセボ群180頭の計361頭を最長734日間追跡したところ、ワクチン群では感染リスクが血液で約3.5分の1、骨髄で約2分の1に低下し、臨床発症リスクが約72.7%減少した。体内の寄生虫量も血液で約86%、骨髄で約96%減少した。
ワクチンは既に感染しているイヌに接種しても安全で、ELISA・IFATによる血清診断にも干渉しなかった点が実用上重要だ。リーシュマニア症は地中海沿岸など流行地域で深刻な犬の病気であり、サシチョウバエを介して人にも感染しうる人獣共通感染症である。日本は流行国ではないものの、輸入された犬や流行地への渡航・滑在時にはリスクがあり、無視できない。流行地域に住む・渡航する犬の飼い主にとって、サシチョウバエ対策に加えてワクチンが有力な予防の選択肢になりうることを示した成果といえる。
📖 PLoS Neglected Tropical Diseases, 2025, 19(11):e0012707
🔗 https://journals.plos.org/plosntds/article?id=10.1371/journal.pntd.0012707
🧬 獣医学・栄養学
2. 🧬 獣医学・栄養学
犬アトピー性皮膚炎に対する療法食の有用性——16頭で2か月給与、痒みと皮膚バリアが有意に改善(J-STAGE 和文論文)
📅 2025年
軽度〜中等度の症状を示す犬アトピー性皮膚炎(CAD)の患犬16頭に療法食を2か月間給与し、その有用性を検討した日本の研究。皮膚病変の重症度(CADESI-04)、痒みのスケール(PVAS)、経表皮水分蒸散量(TEWL)、角質層水分量(SSH)を給与前・1か月後・2か月後に測定した。その結果、2か月後にはCADESI-04とPVASの中央値が給与前に比べて有意に低下し、皮膚の角質層水分量(SSH)は有意に増加した。
療法食はアトピー性皮膚炎の皮膚症状を短期的に和らげ、皮膚バリア機能の回復にも寄与する補助療法として有用であることが示された。アトピー性皮膚炎は完治が難しく長期管理が必要な疾患で、ステロイドなど薬剤への依存を減らす選択肢として食事の役割は大きい。投薬と並行して、獣医師の指導のもと適切な療法食を取り入れることが、症状コントロールと皮膚の健康維持につながる。日本語の和文論文で、国内の読者にも参照しやすい点も特長だ。
📖 獣医臨床皮膚科, 2025, 31(1):25–31(J-STAGE)
🔗 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjvd/31/1/31_24-009/_pdf/-char/ja
🧬 獣医学・栄養学
3. 🧬 行動・認知科学
飼育環境が猫の愛着行動を左右する——家庭猫82頭の比較で、家庭飼育の猫は再会後に探索・遊びが活発(Animals 2025)
📅 2025.12.05
一般家庭またはアニマルシェルターで暮らす猫82頭を対象に、改変版「ストレンジ・シチュエーション・テスト」を用い、世話する人と一緒・分離・再会する各場面での探索・遊び・接触・発声などの行動を観察した。家庭で暮らす猫は、特に世話する人との再会後に探索と遊びの水準が高く、より高い安心感と人への結びつきを示した。一方シェルターの猫は遊びが少なく静かに振る舞い、再会後にゴロゴロ鳴き(purr)が多く、ストレスや安心の希求がうかがえた。
両群とも分離後の再会では身体的接触が増え、これは愛着のしるしと解釈された。また屋外スペースへのアクセスがある猫ほど探索が活発になる傾向もみられた。猫も人との安定した愛着を形成しうることを示す結果であり、飼い主が安心できる環境づくりや適切な遊びの機会を提供することが、猫の福祉と人‐猫関係の強化につながると考えられる。
📖 Animals (MDPI), 2025, 15(24):3521
🔗 https://www.mdpi.com/2076-2615/15/24/3521
🧬 行動・認知科学
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