🎗️ 犬猫 腫瘍ニュース — 2026.05.25

🎗️ 犬猫 腫瘍ニュース — 2026.05.25

犬猫の腫瘍・がん関連ニュース&研究 計6件


🎗️ 腫瘍・がん関連ニュース — 2026.05.25

本日 6件


1. 🏥 医療・疾病・予防

「猫の扁平上皮癌」に効く新薬を世界で初めてペット猫で臨床試験——UCSF&UC Davisの「STAT3阻害薬」、35%で病勢コントロール(Cancer Cell 2026年)

📅 2026.05

カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)のJennifer Grandis博士・Daniel Johnson博士と、UC Davis獣医学部のKatherine Skorupski博士らのチームが、がん細胞の増殖・転移を促すタンパク質「STAT3」を狙う新薬を、ペットの猫を対象に世界で初めて臨床試験した。対象は猫で最も治療が難しいがんの一つである扁平上皮癌(SCC)で、STAT3をブロックして腫瘍の増殖を抑える狙いだ。治療を受けた猫の35%で病勢がコントロールされ、副作用も軽微だった。成果は学術誌Cancer Cellに掲載された。

猫の扁平上皮癌はヒトの頭頸部扁平上皮癌と分子的に酷似しており、同じ薬がヒト患者にも有効である可能性が高いと期待される——猫もヒトも益を得る「比較腫瘍学(One Medicine)」の好例だ。試験に参加した猫は害を受けず、多くが恩恵を受けたという。NIHの支援とバイオテック企業との連携で、ペットとヒト双方の臨床試験へ前進している。長く有効な治療法に乏しかったがんに新たな光をもたらす成果だが、実際の治療選択は獣医腫瘍科専門医に相談を。

📖 Cancer Cell, 2026(UCSF/UC Davis)

🔗 https://www.vetmed.ucdavis.edu/news/new-cancer-drug-could-help-cats-and-people

🏥 医療・疾病・予防


2. 🧬 研究・科学

放射線の効きを高める新薬「XRD-0610」——NC州立大が臨床試験を開始、がん細胞のDNA修復を二重ブロック(2025年11月〜)

📅 2025.11

ノースカロライナ州立大学獣医学部の放射線腫瘍学者Mike Nolan准教授らが、放射線治療の効果を高める新薬「XRD-0610」の臨床試験を開始した。XRD-0610はがん細胞のDNA修復経路のうち2つの部分を同時にブロックする薬で、放射線で傷ついたがん細胞が自己修復するのを妨げ、放射線をより致命的にする。最初の患者が2025年11月に登録され、第1相試験は2026年6月まで参加犬を募集している。あわせて、放射線と新規免疫療法薬「XCSgel」を併用する別の試験も進められている。

放射線はがん細胞のDNAを傷つけて殺すが、腫瘍は自ら修復して生き延びてしまう。その修復を止める“放射線増感剤”という発想は、骨肉腫をはじめ幅広いがんに応用できる可能性がある(米国では毎年約8,000頭の犬が骨肉腫と診断され、手術と化学療法を行っても生存期間の中央値は約10か月とされる)。犬で得られた知見はヒトの放射線治療にも橋渡しされる比較腫瘍学のアプローチだ。臨床試験への参加に関心がある場合は、かかりつけの獣医腫瘍科に相談を。

📖 NC State College of Veterinary Medicine, 2025–2026

🔗 https://news.cvm.ncsu.edu/nc-state-clinical-trial-testing-promising-canine-osteosarcoma-treatment/

🧬 研究・科学


3. 🏥 医療・疾病・予防

血液で犬の“隠れたがん”を探す——マイクロRNA解析の国産がんスクリーニング検査「myRNA DOGs」が日本でサービス開始

📅 2025.08

犬のがんを血液中のマイクロRNA(miRNA)から見つけるスクリーニング検査サービス「myRNA DOGs(マイルナドッグズ)」が、2025年8月に日本で受付を開始した。少量の血液から網羅的なmiRNAプロファイルを解析し、機械学習モデルで「隠れたがんの可能性」を判定する仕組みだ。この技術は、京都大学とアークレイ株式会社がヒトの膵臓がん診断向けに開発を進めてきたmiRNA診断技術を、獣医療に応用したもの。次世代のがん検診として注目される。

がんは犬の死因の上位を占め、早期発見が予後を大きく左右する。症状が出る前に簡単な採血でがんの可能性をすくい上げられれば、シニア犬やがん多発犬種の健康管理に役立つ可能性がある。ただしこれはあくまで「スクリーニング(ふるい分け)」であり確定診断ではないため、陽性が出た場合は画像検査や細胞診・病理検査による精査が必要になる。国内で受けられる検査として、愛犬の年齢や犬種リスクをふまえ、導入の是非をかかりつけ獣医師と相談するとよい。

📖 ARKRAY/京都大学(2025年サービス開始)

🔗 https://arkraythinkanimal.com/post_lp/myrnadogs/

🏥 医療・疾病・予防


4. 🧬 研究・科学

犬の口腔メラノーマに「AAVがんワクチン」——ミネソタ大、3種の腫瘍抗原を樹状細胞へ運びT細胞を訓練(2026年1月)

📅 2026.01

ミネソタ大学の獣医腫瘍医Antonella Borgatti氏と、ホーメル研究所のウイルスベクター・ワクチン専門家George Aslanidi氏のチームが、犬の口腔メラノーマ(悪性黒色腫)を対象としたAAV(アデノ随伴ウイルス)ベースのがんワクチンを試験している。このワクチンは3種のメラノーマ抗原の「設計図」を樹状細胞に届け、T細胞ががん細胞を認識して攻撃するよう訓練する仕組みで、正常な細胞や組織を傷つけにくいのが特長だ。すでに口腔メラノーマと診断された家庭犬が飼い主の同意のもとで登録されており、Aslanidi氏はこの研究(ヒト・犬の双方に資する)に約250万ドルの助成を獲得した。

犬の口腔メラノーマは転移しやすく、最も悪性度の高いがんの一つ。本ワクチンは既存治療を補い、転移や再発を抑えることを狙う新しいアプローチで、従来の承認ワクチンとは異なる設計だ。得られたデータは、ヒトの臨床試験へ進めるかどうかの判断材料にもなる——犬とヒトが互いに学び合う比較腫瘍学そのものだ。愛犬のメラノーマ治療や臨床試験については、獣医腫瘍科専門医に相談を。

📖 University of Minnesota, 2026年1月

🔗 https://twin-cities.umn.edu/news-events/gentle-giants-fight-battling-oral-melanoma-dogs

🧬 研究・科学


5. 🧬 研究・科学

犬のがんで「ヒトと同時並行」の新規抗がん剤試験——ミズーリ大、TdCyd/Aza-TdCの用量設定試験を実施中

📅 2026.01

ミズーリ大学獣医医療センターは、がんを患う犬を対象に、新規抗がん剤「TdCyd」および「Aza-TdC」の安全性と有効性を評価する臨床試験で参加犬を募集している。これらは米国立がん研究所(NCI)由来のヌクレオシド系(DNAメチル化を抑える)新規化合物で、ヒトの臨床試験と同時並行で実施し、最大耐用量や体内動態(薬物動態・薬力学)を明らかにすることを目的としている。

これは、自然発生のがんを持つペットの犬が、犬とヒト双方に役立つ新薬開発を加速させる「比較腫瘍学」の典型例だ。本試験は用量を見極める初期段階であり、明確な有効性データはこれから得られる段階にある。とはいえ、最新の抗がん剤候補にアクセスできる機会でもあるため、参加適格性に関心がある飼い主は、まずかかりつけの獣医腫瘍科に相談するとよい。

📖 University of Missouri Veterinary Medical Center(臨床試験・募集中)

🔗 https://vhc.missouri.edu/small-animal-hospital/oncology/clinical-trials/current-clinical-trials/

🧬 研究・科学


6. 🧬 研究・科学

ニワトリのウイルスで猫リンパ腫を攻撃——「ニューカッスル病ウイルス」が猫リンパ腫細胞を選択的にアポトーシス誘導(Frontiers Vet Sci 2025年)

📅 2025.12

Frontiers in Veterinary Science誌に掲載された研究で、鳥類のウイルスである「ニューカッスル病ウイルス(NDV)」を、猫のリンパ腫細胞に対する“がん溶解性(オンコリティック)ウイルス療法”として試験管内(in vitro)で評価した。FeLV(猫白血病ウイルス)陽性の胸腺リンパ腫の猫から採取した細胞に緑色蛍光タンパク質付きNDV(NDV-GFP)を作用させたところ、ウイルスはがん細胞に感染・増殖し、用量依存的にアポトーシス(プログラムされた細胞死)を誘導した。重要なのは、正常な末梢血単核球はほとんど侵さず、がん細胞を選択的に攻撃した点だ。

猫のリンパ腫は再発や化学療法抵抗性が多く、新たな治療選択肢が求められている。がん溶解性ウイルスは腫瘍細胞を直接破壊するだけでなく、抗がん免疫を呼び起こす可能性もあり、難治性リンパ腫への応用が期待される。ただし本研究はあくまで試験管内の初期段階(前臨床)の結果で、生きた猫への治療として確立したわけではない。今後の生体での検証が待たれる成果であり、実際の治療判断は獣医腫瘍科専門医とともに行うべきだ。

📖 Frontiers in Veterinary Science, 2025

🔗 https://www.frontiersin.org/journals/veterinary-science/articles/10.3389/fvets.2025.1484947/full

🧬 研究・科学


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