🎗️ 犬猫 腫瘍ニュース — 2026.05.27

🎗️ 犬猫 腫瘍ニュース — 2026.05.27

犬猫の腫瘍・がん関連ニュース&研究 計6件


🎗️ 腫瘍・がん関連ニュース — 2026.05.27

本日 6件


1. 🧬 研究・科学

犬の難治性「末梢性T細胞リンパ腫」に放射性医薬品——ウィスコンシン大、標的アイソトープ⁹⁰Y-NM600の臨床試験を実施中

📅 2026

米ウィスコンシン大学獣医学部は、UWカーボンがんセンターと連携し、犬の末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)に対する標的放射性医薬品「⁹⁰Y-NM600」の安全性と有効性を評価する臨床試験を進めている。NM600はがん組織に集まりやすい性質を持つ分子に放射性同位体イットリウム90(⁹⁰Y)を結合させた「標的放射線治療(RPT)」で、全身に投与してがんを内側から照射する仕組みだ。T細胞リンパ腫は犬のリンパ腫のなかでも一般にB細胞型より予後が悪く、標準的なCHOP化学療法が効きにくいことが知られている。体内のがんを選択的に狙う放射性医薬品は、こうした難治性リンパ腫の新たな選択肢として期待される。

標的放射線治療はヒトのがん医療でも近年急速に広がっている分野で、犬での成果はヒト医療への橋渡し(比較腫瘍学)にもつながる。まだ臨床試験の段階であり、有効性・安全性の結論は今後のデータを待つ必要がある。愛犬がリンパ腫と診断され標準治療で効果が乏しい場合、こうした臨床試験への参加が選択肢になることもある。主治医や腫瘍科専門医に相談し、最新の治験情報を確認するとよいだろう。

🔗 https://uwveterinarycare.wisc.edu/veterinary-clinical-studies/oncology/

🧬 研究・科学


2. 🏥 医療・がん治療

「その子のがんに効く薬」を培養腫瘍で見つける——東大、犬猫の固形がんを“オルガノイド”で薬剤スクリーニングする個別化治療の臨床試験

📅 2025.06

東京大学大学院農学生命科学研究科附属動物医療センターは、犬や猫の固形腫瘍から「がんオルガノイド(培養した小さながん組織)」を作り、その子の腫瘍に効く分子標的薬を見つけ出すスクリーニング検査を開発した。患者ごとに腫瘍の性質は異なるため、あらかじめ複数の薬を培養した腫瘍で試し、最も効果が期待できる薬を選ぶ「個別化(オーダーメイド)治療」を目指す取り組みだ。この臨床試験は2025年6月に同センターの臨床試験委員会で承認された。分子標的薬はがん細胞特有の分子をピンポイントで狙うため、従来の抗がん剤より正常細胞への影響が少なく、副作用を抑えやすいとされる。

「効くかどうか分からない薬を順番に試す」のではなく「事前に効く薬を絞り込む」という発想は、限られた時間と体力でがんと闘うペットの治療において大きな意味を持つ。ヒトのがん医療でも実用化が進むオルガノイド創薬を、日本の獣医療がいち早く取り入れた点でも注目される。まだ研究・臨床試験の段階であり、すべての腫瘍・すべての薬に使えるわけではない。愛犬・愛猫ががんと診断されたら、こうした先進的な選択肢の有無も含め、腫瘍科のある動物病院に相談してみてほしい。

🔗 https://www.vm.a.u-tokyo.ac.jp/vmc/research/index.html

🏥 医療・がん治療


3. 💉 医療・がん治療

犬の骨肉腫ワクチン「OST-HER2」、2026年にFDA承認申請へ——断脚回避・延命のデータ、ヒトの骨肉腫治療への応用も視野

📅 2026

米OS Therapies社は、犬の骨肉腫(OSA)に対する免疫療法ワクチン「OST-HER2」について、2026年に米FDAへの生物製剤承認申請(BLA)を行う計画を明らかにした。同社は動物薬部門OS Animal Healthの上場(IPO)も2026年前半に計画しているという。OST-HER2は、がん細胞に多く現れる「HER2」というタンパク質を標的に免疫を活性化させるワクチンで、これまでの臨床試験では断脚(脚の切断)の回避・遅延、腫瘍の増大や転移の抑制、生存期間の延長が示されてきた。切除していない(unresected)骨肉腫の犬に緩和的放射線治療と併用した試験では、15頭中5頭が500日を超えて生存したと報告されている。

骨肉腫は大型犬に多い極めて悪性度の高い骨のがんで、従来は断脚+化学療法が中心だが、転移による予後不良が大きな課題だった。OST-HER2はヒトの小児・若年者に多い骨肉腫とも共通する標的を狙うため、犬での成果がヒトの治療開発を加速する「比較腫瘍学」のモデルとしても期待されている。承認申請はあくまで予定の段階で、実際の承認可否や時期は今後の審査次第だ。愛犬が骨肉腫と診断された場合の治療選択肢は近年急速に広がっており、腫瘍科専門医と最新の選択肢を相談したい。

🔗 https://www.biospace.com/press-releases/os-therapies-announces-positive-data-for-ost-her2-in-the-treatment-of-unresected-osteosarcoma-in-dogs-opening-the-potential-for-use-as-front-line-therapy-in-humans

💉 医療・がん治療


4. 💉 研究・科学

犬の血管肉腫(HSA)に「フレームシフト・ネオアンチゲン ワクチン」——ウィスコンシン大、脾臓摘出後の化学療法+ワクチン併用試験で再発予防に挑む

📅 2026

米ウィスコンシン大学獣医がんセンターは、犬の血管肉腫(HSA)に対して標準的な化学療法に「フレームシフトペプチド・ワクチン」を併用する臨床試験で犬を募集している。このワクチンはアリゾナ州立大学のStephen Johnston教授らが開発したもので、がん細胞で異常に作られる“フレームシフト”由来の異常タンパク質(ネオアンチゲン)を標的に免疫を訓練し、再発・転移を防ぐことを狙う。血管肉腫は脾臓・心臓・肝臓などに発生する悪性度の高い血管のがんで、とくに脾臓型では腫瘍破裂による急変が多く、外科+化学療法でも予後が厳しいことで知られている。

個々の腫瘍に共通して現れる異常タンパク質を狙うワクチン戦略は、「手術で取り切れない微小な転移」を免疫の力で抑える新しいアプローチとして注目される。血管肉腫は症状が出にくく発見が遅れがちなため、ゴールデン・レトリバーなど好発犬種では定期的な健康診断・腹部エコーが早期発見の鍵となる。本試験はまだ進行中で、有効性の結論にはまだ時間がかかる。愛犬がHSAと診断された場合、こうした臨床試験が選択肢になることもあるため、腫瘍科専門医に相談してほしい。

🔗 https://www.ccralliance.org/post/experimental-therapies-for-dogs-with-hemangiosarcoma

💉 研究・科学


5. 🩸 研究・科学

採血で“がんの危険度”をスコア化——犬の腫瘍を早期に見つける機械学習指標「Alertix-CRI」、TK1+CRP+年齢で多様ながんを検出

📅 2025.04.25

スウェーデン農業科学大学などのチームは、犬のがんを血液検査で早期に見つけるための機械学習モデル「Alertix-Cancer Risk Index(Alertix-CRI)」を開発した。この指標は、細胞増殖の指標となる酵素「チミジンキナーゼ1(TK1)」タンパク質と、炎症マーカーである犬C反応性タンパク(cCRP)、そして年齢を組み合わせて、がんの危険度をスコア化する。健康な犬67頭と、T細胞・B細胞リンパ腫、組織球肉腫、血管肉腫、骨肉腫、肥満細胞腫、乳腺腫瘍など各種のがんを持つ犬を含む計287検体を解析した。その結果、機械学習を用いたAlertix-CRIは、単独のバイオマーカーよりも多様な悪性腫瘍をより高い精度で検出できることが示された。成果は2025年4月、Frontiers in Veterinary Scienceに発表された。

がんは早期発見できれば治療の選択肢も予後も大きく変わるが、犬では症状が出る頃には進行していることが多い。簡単な採血でリスクを数値化できれば、健康診断に組み込んで“隠れたがん”を拾い上げる一次スクリーニングとして役立つ可能性がある。ただしスコアが高い=必ずがん、というわけではなく、確定診断には画像検査や細胞診・病理検査が欠かせない。シニア犬では年1回の血液検査と定期健診を習慣にし、しこりや体重減少など気になるサインがあれば早めに受診したい。

🔗 https://www.frontiersin.org/journals/veterinary-science/articles/10.3389/fvets.2025.1570106/full

🩸 研究・科学


6. 🏥 医療・がん治療

抗がん剤が効かない犬・猫のリンパ系腫瘍に新たな一手——日本大学動物病院、リンパ腫・形質細胞腫・骨髄腫の新規治療を探る臨床研究を実施中

📅 2026

日本大学生物資源科学部動物病院(ANMEC)は、犬と猫のリンパ球由来腫瘍(リンパ腫・形質細胞腫・多発性骨髄腫・慢性リンパ球性白血病など)に対する新規治療の臨床研究を進めている。これらの腫瘍では抗がん剤による化学療法が一般的だが、治療効果が得られなかった症例(難治例)や、まれな病型に対する確立された治療法は乏しいのが現状だ。研究チームは、こうした“次の手”に困る症例に対する新しい治療選択肢の確立を目指している。病理組織検査・細胞診などの診断は同院で行われ、試験は日本大学動物病院の倫理委員会の承認を得て実施されている。

国内の大学動物病院がこうした臨床研究を進めていることは、日本のペットのがん医療の選択肢を広げるうえで重要だ。とくに化学療法が効かなくなった後の治療は飼い主にとって切実で、治験・臨床研究への参加が新たな希望となることもある。一方で臨床研究は効果・安全性を検証する段階であり、参加には適応条件や十分な説明・同意が前提となる。愛犬・愛猫がリンパ腫などと診断され治療に行き詰まった場合は、かかりつけ医を通じて大学病院・腫瘍科への紹介や臨床研究の情報を相談してみてほしい。

🔗 https://hp.brs.nihon-u.ac.jp/~nuanmec/?page_id=4502

🏥 医療・がん治療


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