🎗️ 犬猫 腫瘍ニュース — 2026.06.01

🎗️ 犬猫 腫瘍ニュース — 2026.06.01

犬猫の腫瘍・がん関連ニュース&論文 計5件


🎗️ 腫瘍・がん関連ニュース — 2026.06.01

本日 5件


1. 🏥 比較腫瘍学

Cornell大、犬DNAから「胃がん」15の感受性遺伝子座を発見——Belgian Tervuren/Belgian Sheepdogの500頭ゲノム比較、HDAC2・SOX2-OT・IGF2BP2を新規同定(PNAS 2025年5月)

📅 2025.05.30

Cornell大学獣医学部Baker Institute for Animal Health/Riney Canine Health Center所属のJacquelyn Evans博士らが、Proceedings of the National Academy of Sciences(PNAS)誌に「Genomic analyses identify 15 risk loci and reveal HDAC2, SOX2-OT, and IGF2BP2 in a naturally occurring canine model of gastric cancer」を発表しました。犬の胃がん発生率はBelgian Tervurenで全犬種の約42倍、Belgian Sheepdogで約16倍と突出して高く、これを「ヒト胃がんの自然発症犬モデル」として位置づけ、胃がん犬200頭+健常犬270頭の全ゲノム比較を実施。15のリスクローカスが特定され、PTENなど既知のヒトがん抑制遺伝子のほか、これまで胃がん文脈ではマークされていなかったHDAC2・SOX2-OT・IGF2BP2が新たな候補として浮上しました。

ヒト胃がんは世界で5番目に多いがん種で、進行胃がんでは依然として治療選択肢が限られています。犬では症例数こそ少ないものの、Belgian Tervuren/Sheepdogでの濃縮はヒトでの「家族集積性胃がん」と類似した遺伝的構造を示すことから、犬の発見が直接ヒト胃がん精密医療の標的拡張に寄与する可能性があります。研究チームは追加サンプル収集を進め、犬向けの遺伝子検査キット開発も視野に。ベルジアン・タービュレン/シェパード飼育者は、定期健診で食欲不振・嘔吐・体重減少の兆候を見逃さず、内視鏡検査を積極的に検討することが推奨されます。

📖 PNAS 2025; 122(23)

🔗 https://www.pnas.org/doi/10.1073/pnas.2416723122

🎗️ 比較腫瘍学


2. 🥩 大学センター

UC Davis、犬の「肥満細胞腫」に対する分子標的モノクローナル抗体を開発——KIT受容体特異的抗体で正常細胞を保護、Morris動物財団が2026年に新規助成

📅 2026.04.30

カリフォルニア大学デービス校(UC Davis)獣医学部のMarietta M. Ravesloot-Chavez博士が、犬の最も一般的な皮膚がん「肥満細胞腫(MCT)」に対する新しい治療法として、KIT受容体(c-KIT/CD117)に特異的に結合する完全イヌ型モノクローナル抗体を開発中であり、Morris Animal Foundationが2026年新規助成プロジェクトの1つに採択しました。KIT受容体は犬MCTの約30%でc-KIT遺伝子の活性化変異を持ち、現在はtoceranib(Palladia)等の小分子チロシンキナーゼ阻害薬で治療されていますが、副作用や耐性が課題でした。新規モノクローナル抗体は、KITを発現する肥満細胞腫細胞のみを標的に攻撃しつつ、健常組織への影響を抑える設計です。

意義:低悪性度MCTは手術切除で根治可能ですが、高悪性度MCT・転移性MCTは予後不良で、Stelfonta(電気化学療法薬)やCHECKMATE K9(Vetigenicsの完全イヌ型抗CTLA-4+抗PD-1)など新薬の選択肢が広がりつつあります。Morris動物財団は2026年に犬がん研究8プロジェクトに資金提供し、抗体療法・免疫療法・診断バイオマーカーへの集中投資が進んでいます。家庭での実践は、皮膚の「いぼ・しこり」を発見したら大きさ・形・触感を写真で記録し、3週間以上変化があれば必ず細胞診(FNA)を受けること。高齢犬・好発犬種(ボクサー・パグ・ボストンテリア・ラブラドール)では年1〜2回の全身触診を獣医師に依頼すると安心です。

🔗 https://www.morrisanimalfoundation.org/article/new-canine-health-studies-2026

🎗️ 大学センター


3. 🧬 製薬・バイオテック企業

Vetigenics、完全イヌ型「抗cPD-1モノクローナル抗体 VGS-002」の犬膀胱がん(移行上皮癌)臨床試験を米国Ethos Vet系列で開始——フィラデルフィアのバイオテックが新薬パイプライン拡大(2025年12月→2026年継続中)

📅 2025.12.01

ペンシルベニア大学発スタートアップのVetigenics(フィラデルフィア)は、独自の「CANIBODIES™(完全イヌ型抗体)」プラットフォームから生まれた抗cPD-1モノクローナル抗体「VGS-002」を、犬の膀胱がん(urothelial carcinoma:尿路上皮癌、犬の膀胱腫瘍の大半を占める)に対して、米国Ethos Veterinary Health系列の動物病院で第1相パイロット臨床試験を開始しました。同社は2026年5月に追加で約1,000万ドルを調達し、2026〜2027年の登録拡大とFDA承認準備を加速する計画です。

意義:犬の膀胱TCC(移行上皮癌)はスコティッシュ・テリア、シェットランド・シープドッグ、ビーグル等の好発犬種で発生し、ピロキシカム+ミトキサントロン併用などの標準化学療法で生存期間中央値は約9ヶ月とされてきました。完全イヌ型免疫チェックポイント抗体は、ヒトのキイトルーダ/オプジーボに相当する「免疫の解除」治療を犬で実現するもので、メラノーマ向けの抗CTLA-4抗体(先行パイロット)に続く2剤目です。家庭での実践は、シニアの好発犬種で頻尿・血尿・残尿が続く場合は早めに尿沈渣・腹部超音波・必要時にはBRAF遺伝子変異の尿検出(CADET-BRAF)を依頼すること。臨床試験への参加に関心がある場合は獣医腫瘍科医に相談を。

🔗 https://vetigenics.com/news/vetigenics-begins-canine-bladder-cancer-trial/

🎗️ 製薬・バイオテック


4. 🌟 業界

PetCure Oncology、米国で「動物の放射線治療10,000患者」を達成——10年でアクセス革命、定位放射線治療を年1,000頭超に届ける(2026年1月)

📅 2026.01.07

米国の動物がん放射線治療ネットワーク「PetCure Oncology」が、2026年1月7日に「累計治療患者10,000頭」のマイルストーン到達を発表しました。10年前、SRS(定位手術放射線治療)/SBRT(定位体幹部放射線治療)は獣医大学附属病院など一部の学術機関に限られ、地理的アクセス格差が大きい問題でした。同社は提携クリニック網と臨床プロトコルを整備し、現在は年間約1,000頭の犬・猫患者を治療する米国最大規模の獣医放射線オンコロジー・プロバイダーに成長しました。

意義:定位放射線治療は通常の分割照射に比べ「短期間(1〜5回)・高線量・正確な標的化」で、麻酔回数を減らしながら脳腫瘍・鼻腔腫瘍・骨肉腫の緩和・口腔腫瘍などに有効で、コロラド州立大Flint動物がんセンターも2026年4月に最新のVarian Edgeリニアックを導入しました。犬猫のがん治療は「手術/放射線/化学療法/免疫療法」の組み合わせで生存期間と生活の質を両立する時代に入っており、初診で「うちの動物病院には放射線設備がない」と諦めるのではなく、PetCureのような提携ネットワークや動物病院群経由で専門医へのリファーが可能か必ず確認しましょう。日本国内でも東京・大阪・福岡等の獣医高度医療センターでSRS/SBRTが受けられる施設が増えており、早期紹介が予後を左右します。

🔗 https://petcureoncology.com/in-the-news/

🎗️ 業界・ガイドライン


5. 📘 学会・ガイドライン

AAHA「2026年版オンコロジーガイドライン」の化学療法安全章が公開——病院スタッフの曝露管理・抗がん剤調剤の閉鎖系移送・廃棄プロトコルを刷新(AAHA Trends 2026年5月)

📅 2026.05.15

米国動物病院協会(AAHA)は、2026年1月2日にリリースした「2026 AAHA Oncology Guidelines for Dogs and Cats」(10年ぶりの全面改訂)の各章について、月刊機関誌Trendsで詳細レビューを順次公開しており、5月号では「化学療法安全(Chemotherapy Safety)」章にフォーカスした特集を組みました。同章は、抗がん剤調剤時の「閉鎖系移送器具(CSTD)の標準装備」「個人防護具(PPE)の階層化」「経口抗がん剤を扱う飼い主向けの家庭内ガイダンス(手袋・専用ピル箱・排泄物処理・洗濯)」「クリニックの廃棄手順」を体系化しています。

意義:これまで小動物臨床で広く使われる「シクロホスファミド・ビンクリスチン・ドキソルビシン・ロムスチン」などは、調剤・投与・代謝排泄の段階で病院スタッフ・飼い主の曝露リスクが指摘されてきたものの、現場の運用は施設ごとにバラつきがありました。AAHA 2026ガイドラインはこれを米国獣医医療における事実上の標準(standard of care)として明文化した点が重要です。家庭で経口抗がん剤(Laverdia/verdinexor、Palladia/toceranib、ロムスチン等)を扱う場合は、必ず獣医師の指示に従い、(1)素手で触らない(ニトリル手袋)、(2)食事と別の場所で投与する、(3)治療後72時間は排泄物を素手で触らずビニール袋で密閉廃棄、(4)洗濯は他の衣類と別にする——を徹底してください。

🔗 https://www.aaha.org/trends-magazine/publications/chemotherapy-safety-a-key-element-of-the-upcoming-2026-aaha-oncology-guidelines-for-dogs-and-cats/

🎗️ 学会・ガイドライン


🎗️ 犬猫腫瘍ニュース | all-i-need-are-dogs.blog

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