🐾🐱 犬猫ニュース — 2026.06.01
犬4 + 猫2 = 計6件
🐾 犬ニュース — 2026.06.01
本日 4件
1. ⚠️ リコール・安全情報
英国の生肉ペットフード「サルモネラ激増」を10年分の公衆衛生データで可視化——2013年は年4株 → 2022年は年606株、人と犬で共有する血清型が増加(Frontiers Vet Sci 2026年)
📅 2026.04.20
英国の公衆衛生監視データ(2013〜2022年)を解析した最新研究が、Frontiers in Veterinary Science誌(2026年4月、Open Access)に掲載されました。生肉ベース・ペットフード(RMBF)由来のサルモネラ検出件数は10年間で激増し、2013年の「4検体・4血清型」から、2022年には「606検体・39血清型」へと約150倍に拡大。犬の便から検出されたサルモネラとRMBFで検出された血清型の重なりも明らかになり、特に2021〜2022年は人にも病原性のあるS. Typhimurium、S. 4,[5],12:i:-(モノファシック・チフィムリウム)、S. Newport、S. Anatumなどが両者の上位10株に共通していました。
この研究は「生肉食の犬・猫が、人にとってのサルモネラ感染経路となりうる」という人獣共通感染症(zoonosis)の警告を、定量的なエビデンスとして提示した点が重要です。米国でもRaaw EnergyやAlbright’s、Northwest Naturalsなど生肉系の自主回収が今年5月にも相次いでおり、生肉食を採用する家庭は「製品ロットの汚染リスク」と「家庭内でのクロスコンタミネーション」の両方への備えが必要です。生肉を扱う際は調理器具・冷蔵庫・床の徹底洗浄、給餌後の手洗いを徹底し、免疫低下のある人や小さな子どもがいる家庭では生肉食そのものを見直すことを獣医師は推奨しています。日本で生肉・冷凍生食タイプのフードを選ぶ際も、HACCP対応と国内検査体制の有無を必ず確認してください。
🔗 https://www.frontiersin.org/journals/veterinary-science/articles/10.3389/fvets.2026.1750907/full
2. 🏥 医療・疾病・予防
米国で犬インフルエンザH3N2が春の感染拡大——5月19日にジョージア大が新規検出、すでに11州2,000頭以上、ドッグショー・ペットホテルでの集団感染に警戒(CIDRAP / UGA 2026年5月)
📅 2026.05.19
CIDRAP(ミネソタ大感染症研究政策センター)が2026年5月にまとめた最新情報によると、5月6日時点で犬インフルエンザウイルス(CIV)H3N2亜型がカリフォルニア・テキサス・アイオワ・イリノイ・ウィスコンシン・インディアナ・ニューヨーク・マサチューセッツ・ロードアイランド・アラバマ・ミシガンの11州で検出されています。米国獣医師会(AVMA)の集計では2026年に入ってからの陽性犬は2,000頭超に達しました。さらに5月19日、ジョージア大学獣医診断研究所がアトランタ首都圏のペットホテルを利用した犬から新規検出を確認し、フロリダ州とジョージア州で開催された2つのドッグショーが今回のアウトブレイクの「火種」になった可能性が指摘されています。
H3N2はもともとアジア由来の鳥インフルエンザ系統で、2015年に米国に上陸して以降、ドッグショー・ペットホテル・グルーミング施設など犬が密集する環境で散発流行を繰り返しています。死亡率は1〜10%とされ、咳・発熱・元気消失・食欲不振などのほか肺炎を併発するケースもあり、重症化が懸念されます。同居犬・他の犬との接触前の予防接種(H3N2/H3N8二価ワクチン、2回接種+年1回追加)、集団施設利用後は10〜14日の経過観察、咳が出たら他犬と隔離してかかりつけ獣医師に連絡することが重要です。日本国内では風土病化していませんが、輸入犬・帰国犬を経由した持ち込みリスクがあるため、犬展示会・国際イベントの主催者は事前のワクチン接種証明と健康チェックを徹底することが望まれます。
🔗 https://www.cidrap.umn.edu/influenza-general/new-canine-flu-detected-several-more-states
3. 🥩 栄養・食事・サプリ
犬の腸内細菌「世界最大級カタログ」が完成——982の新規菌株・89新種・10新属を発見、240種で健常腸内の80%を構成(Waltham / Microbiome 誌 2026年)
📅 2026.01.18
英国Waltham Petcare Science Institute(Mars Petcareの研究機関)が、犬の腸内細菌を網羅的にマッピングした「Walthamカタログ」をMicrobiome誌(オープンアクセス)に2026年1月に発表しました。米国と欧州の健常犬107頭から501の糞便サンプルを採取し、ロングリード/ショートリード両方のショットガン・メタゲノム解析を実施。5,753のメタゲノム由来ゲノム(MAGs)を再構成し、1,031の代表菌株に集約しました。このうち982株は「これまで報告のなかった新規菌株」で、89の新種、10の新属が確認されました。さらに、健常な犬の腸内では240種のコア細菌が全体の80%以上を占め、繊維発酵性のFirmicutes門が優位であることも明らかになりました。
犬の腸内細菌は単なる「お腹の健康」だけでなく、皮膚・関節・行動・免疫など全身に影響することが分かってきており、本カタログは個別化栄養学・プレ/プロバイオティクス開発・腸内環境ベースのCKD/IBD治療研究の基盤になります。1株あたり平均71のCAZyme(糖質活性酵素)が見つかったことから、犬と腸内細菌が「繊維分解」を中心に共進化してきたことも示唆されます。家庭で実践できることは、フードを切り替える際は7〜10日かけて段階的に行う、食物繊維(甜菜パルプ・サイリウム等)を適量含む良質なフードを選ぶ、抗菌薬使用後はかかりつけ獣医師と相談して整腸目的のサプリやプロバイオティクスを検討すること——です。「うちの子の便」を観察し続けることが、最も身近な腸内環境モニタリングになります。
🔗 https://link.springer.com/article/10.1186/s40168-025-02265-w
4. 🐕 犬学
アリゾナ大「SIGNAL試験」始動——成長ホルモンIGF-1が犬の脳の老化を左右するかを実証へ、75頭の中型犬を2年間追跡(U of Arizona 2026年)
📅 2026.03.31
米アリゾナ大学獣医学部のEvan MacLean准教授らが、「SIGNAL(Study of IGF-1, Neurocognitive Aging and Longevity)」と名付けた新しい縦断試験を2026年3月31日に発表しました。地域社会から募集した10〜13歳の中型犬(体重15〜25kg)75頭を2年間追跡し、血中インスリン様成長因子-1(IGF-1)濃度と認知機能テストの変化を月次〜年次でひも付けます。American Kennel Club Canine Health Foundationが助成し、4月22日に追加プレスリリースを公開しました。
IGF-1はヒト・げっ歯類・犬で「血中濃度が低いほど寿命が長い」ことが繰り返し報告されており、大型犬は小型犬に比べIGF-1濃度が最大28倍高いことが、大型犬が短命であることの主因とされています。本試験は「同じ体格でもIGF-1が高い犬と低い犬で、認知の老化に差が出るか」を初めて精緻に解析する点が画期的です。結果はLoyalの「LOY-002」をはじめとする寿命延長薬の作用機序の理解、シニア犬の認知症(CCDS)の早期介入指標の開発にもつながります。10歳前後の中型犬(柴・ボーダーコリー・スプリンガースパニエル等)を飼っている方は、年に1回の血液検査でIGF-1・甲状腺ホルモン・SDMA・血圧をまとめてチェックする「シニア犬ドック」を、かかりつけ獣医師に相談してみてはいかがでしょうか。
🔗 https://news.arizona.edu/news/new-u-study-will-investigate-growth-hormones-and-cognitive-aging-dogs
💡 今日のワンポイント
今日のキーワードは「データで見る犬の健康」。生肉食のサルモネラリスク、犬インフルエンザの州別マップ、腸内細菌の網羅的カタログ、IGF-1と老化の縦断データ——いずれも「見えていなかった犬の健康リスクと寿命の伸びしろを、大規模データで可視化する」最新研究です。愛犬の毎日の食事・予防接種・腸内ケア・シニアドックを、改めて見直すきっかけにしてください。
🐱 猫ニュース — 2026.06.01
本日 2件
1. 🧠 医療・疾病・予防
猫の認知症は「アルツハイマー病と同じ脳病態」——アミロイドβ+ミクログリア/アストロサイトのシナプス貪食が活発化、ヒトAD研究の自然発症モデルとして再注目(Edinburgh大、EJN 2025年→2026年5月メディア再評価)
📅 2026.05.21
英国エディンバラ大学のRobert McGeachan博士らが、家庭猫25頭の脳組織(若齢/老齢/猫認知機能不全症候群=CDS発症の3群)を免疫組織化学・共焦点レーザー顕微鏡で解析した研究(European Journal of Neuroscience、2025年公開)が、2026年春に英Live Science、South Gate Associates、APPN Newsなど英語圏の科学メディアで一斉に取り上げられ、「猫の認知症はアルツハイマー型の自然発症モデル」として再注目されています。研究では老齢猫・CDS猫の両方でアミロイドβがシナプス内に蓄積していること、CDS群ではミクログリアとアストロサイトが「アミロイドβを含むシナプスごと食べる(シナプス貪食)」現象が有意に強まることが明らかになりました。
これは、ヒトのアルツハイマー病で報告されているシナプス過剰除去メカニズムが、猫の自然発症の認知症でも起きていることを示す世界初の組織学的証拠です。マウスモデルでは再現困難な「自然発症・慢性経過・老化に伴う発症」が猫で揃って観察できるため、新規治療薬・神経保護薬の前臨床評価モデルとして極めて価値が高い。家庭での実践としては、11〜14歳以上の猫で「夜中の徘徊・大声で鳴く・トイレを失敗する・毛づくろい低下・人や同居動物への興味消失」などの行動変化を見たら早めに獣医師に相談すること。CKD・甲状腺機能亢進症・関節炎などの併存疾患を整理した上で、SAMe・ω-3脂肪酸・抗酸化サプリ・環境エンリッチメント(ライト・ナイト・コンソレーション、餌の隠し場所、フェロモン製品)を組み合わせるのが現状の標準ケアです。
🔗 https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/ejn.70180
2. 🥩 栄養・食事・サプリ
健康な猫の腸内細菌は「年齢層・住環境」で大きく異なる——5世代83頭の16S rRNA解析、生涯ステージごとの個別化栄養への足がかり(Frontiers Vet Sci 2026年)
📅 2026.04.15
Frontiers in Veterinary Science誌(2026年4月、Open Access)に掲載された日米欧の合同研究は、健常猫83頭を「子猫・若猫・成猫・シニア・超高齢」の5群に分け、室内のみ/屋外アクセスあり/多頭飼育という住環境変数も加えて、16S rRNA遺伝子シーケンスで腸内細菌叢を比較した初の横断研究です。年齢が上がるにつれて短鎖脂肪酸(SCFA)産生菌(FaecalibacteriumやRoseburia)が減り、代わりにエンテロコッカス・Bacteroides系の比率が上がる傾向が明らかになり、住環境別では多頭飼育猫の方が単頭飼育猫よりも種多様性が低かった。
犬の腸内細菌は近年Walthamカタログ(2026年1月、Microbiome誌)で網羅的に整理されましたが、猫はまだ犬ほど詳細に解析が進んでいませんでした。本研究の意義は「ライフステージごとの腸内変化」と「飼育環境の影響」を初めて統合的に示した点にあります。猫はもともと肉食寄りの腸内環境を持ち、シニアになるとタンパク質消化効率が落ちやすいことが分かっています。家庭では、ライフステージ別フードへの切り替えを年齢ごとに見直す、シニア期からは消化吸収率の高いタンパクを含む「シニア向けフード+プレバイオティクス(FOS/イヌリン)」を選ぶ、抗菌薬使用後はプロバイオティクス補給で腸内細菌のリセットを支える——などが、明日からできるアクションです。複数頭飼育の家庭は、トイレや食器を清潔に保ち、個別計量で過食を防ぐことが腸内環境の健康維持にもつながります。
🔗 https://www.frontiersin.org/journals/veterinary-science/articles/10.3389/fvets.2026.1775401/full
💡 今日のワンポイント
今日は「猫の脳と腸の科学」がテーマ。アルツハイマー類似の認知症メカニズムと、ライフステージ別の腸内細菌変化——どちらも「シニア猫の生活の質を、もう一段引き上げる」科学的な手がかりです。11歳を超えた愛猫の毎日の行動・食欲・トイレ・毛づくろいを「3日に1回」観察してみてください。早期発見と適切なフード見直しが、シニアライフを大きく変えます。
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