🎗️ 犬猫 腫瘍ニュース — 2026.06.18

🎗️ 犬猫 腫瘍ニュース — 2026.06.18

犬猫の腫瘍・がん関連ニュース&論文 計6件


🎗️ 腫瘍・がん関連ニュース — 2026.06.18

本日 6件

1. 🧬 研究・科学

犬の「組織球性肉腫」にMEK阻害薬トラメチニブ——バーニーズに多い難治がんへ、4大学が合同で第II相試験

📅 2026.06.01

組織球性肉腫はバーニーズ・マウンテン・ドッグやフラットコーテッド・レトリーバーなどに多い、進行が速く治療の難しいがんだ。ミシガン州立大・フロリダ大・ウィスコンシン大・バージニア工科大の4施設が合同で、ヒトのがんでも使われるMEK阻害薬「トラメチニブ」を犬の組織球性肉腫に用いる第II相非無作為化試験を実施している。資金はバーニーズ・マウンテン・ドッグ・クラブ・オブ・アメリカがモリス動物財団の寄付者主導研究プログラムを通じて拠出した。

この試験の狙いは、トラメチニブを1日1回経口投与したときの腫瘍縮小効果と生存への寄与を確かめると同時に、腫瘍の遺伝子マーカー(KRASやPTPN11/SHP2の変異など)が治療反応を予測できるかを検証する点にある。これが実現すれば、「効きやすい犬」をあらかじめ見分けて投薬する個別化医療につながる。好発犬種の飼い主は、しこりや跛行、元気消失などのサインを見逃さず、早期に腫瘍科のある施設を受診してほしい。

🔗 https://research.vetmed.ufl.edu/phase-ii-open-label-non-randomized-multicenter-clinical-trial-of-trametinib-for-dogs-with-histiocytic-sarcoma/

🏷️ 研究・科学


2. 🔬 医療・疾病・予防

猫の「注射部位肉腫」を切ったあと、取り残しをその場で確認——光干渉断層撮影(PS-OCT)で断端を数分で評価

📅 2026.06.01

猫の注射部位肉腫(FISS)や乳腺腫瘍は、手術で取り切れずに細胞が残ると再発しやすいことが課題だ。オハイオ州立大学の臨床試験は、ヒトの乳がん手術で実績のある新しい光干渉断層撮影(PS-OCT)を用い、腫瘍を切除した直後にその場で「がん細胞の取り残し(断端陽性)」があるかを数分で顕微鏡レベルに評価できるかを検証している。従来は病理検査の結果が出るまで数日かかり、取り残しが判明しても再手術が必要になっていた。

手術中に断端をリアルタイムで確認できれば、その場で追加切除でき、再発リスクと再手術の負担を大きく減らせる可能性がある。とくにFISSは局所再発が多く、初回手術での「広く確実な切除」が予後を左右するだけに、こうした術中診断技術の意義は大きい。愛猫にしこりが見つかったら、注射歴の有無も含めて早めに獣医師へ相談し、腫瘍の場合は外科・腫瘍科の専門的な切除計画を検討したい。

🔗 https://vmc.vet.osu.edu/clinical-trials-office/current-trials/injection-site-sarcomas-or-mammary-tumors-cats

🏷️ 医療・疾病・予防


3. 🎗️ 研究・科学

犬が「骨肉腫征服」の鍵に——タフツ大が15億円規模の国際共同研究「Defying Osteosarcoma」に参画

📅 2026.06.04

患者主導の財団が1,500万ドル(約23億円)を投じる「Break Through Cancer」の骨肉腫撲滅チーム「Defying Osteosarcoma」が始動し、8つの主要機関から20人超の研究者が結集した。タフツ大学カミングス獣医学大学院の2人の獣医腫瘍学者——比較腫瘍学のシェリル・ロンドン博士と、ヘザー・ガードナー博士——がこの取り組みの中心を担う。骨肉腫がなぜ治療に反応する/転移するのかを解明し、より精密な治療法の設計をめざす多年度のプロジェクトだ。

骨肉腫は犬に多く、ヒト(とくに小児・若年者)にも発生する共通のがんで、犬の自然発生がんを研究することがヒトの治療開発を加速する「比較腫瘍学」の好例とされる。犬が研究の中心に据えられるのは、犬の骨肉腫がヒトのものと生物学的に近く、寿命が短いため結果が早く得られるからだ。大型犬の飼い主は、足を引きずる・特定の部位を痛がるといった症状に注意し、気になれば早めにレントゲンなどの検査を受けてほしい。

🔗 https://www.myvetcandy.com/news/2026/6/4/tufts-veterinarians-just-joined-a-15-million-push-to-finally-beat-osteosarcoma-dogs-are-central-to-why-it-could-work

🏷️ 研究・科学


4. 🧠 医療・疾病・予防

犬の脳腫瘍「神経膠腫(グリオーマ)」にCAR-T細胞療法——コロラド州立大、抗がん薬verdinexorと併用する臨床試験

📅 2026.06.01

コロラド州立大学の脳研究センターは、犬の神経膠腫(グリオーマ)に対し、CAR-T細胞免疫療法を用いる臨床試験を進めている。これは犬のグリオーマにCAR-Tを使う初の試みだ。患者の血液からT細胞を取り出し、がん細胞を狙う特殊な受容体(CAR)を組み込んで体内に戻すほか、手術時には腫瘍へ直接2回目のCAR-T細胞を注入する。さらに、犬のリンパ腫やヒトの脳腫瘍で有望な結果を示した抗がん薬verdinexor(ベルジネキソル)を併用する。

犬の自然発生グリオーマはヒトの高悪性度脳腫瘍とよく似ているため、この試験はボクサーやボストン・テリアなど短頭種に多い犬の脳腫瘍の治療を進めるだけでなく、小児の高悪性度グリオーマの新しい治療への扉を開く可能性も秘めている。発作(てんかん様の症状)や行動の変化、ふらつきなどは脳腫瘍のサインのこともあるため、急な変化に気づいたら早めに獣医師に相談したい。

🔗 https://labs.vetmedbiosci.colostate.edu/brain-research-center/clinical-trials/canine-glioma-brain-tumor-immunotherapy-car-t-cell-and-chemotherapy-verdinexor-trial/

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5. 💊 研究・科学

予後の悪い犬の「膀胱・尿道がん」に新作用機序——CDK9阻害薬エニトシクリブの臨床試験が始動

📅 2026.06.01

犬の移行上皮癌(TCC)は膀胱や尿道にできる悪性腫瘍で、ピロキシカムなどのNSAIDsやミトキサントロン・カルボプラチンといった抗がん薬が用いられるものの、多くは1年未満の生存にとどまる予後の厳しいがんだ。こうした中、これまでとはまったく異なる作用機序をもつCDK9阻害薬「エニトシクリブ(enitociclib)」を犬のTCCに用いる臨床試験が新たに始まった。CDK9はがん細胞の増殖や生存に関わる遺伝子の転写を支える酵素で、これを阻害することでがんの増殖を抑えることが期待される。

従来の化学療法で十分な成果が得られていないTCCに対し、新しい標的を狙う治療の選択肢が増えることの意義は大きい。TCCは血尿や頻尿、排尿困難といった膀胱炎に似た症状を示すため、抗菌薬で治らない膀胱炎症状が続く場合は、超音波検査などでの精査を検討する価値がある。気になる排尿トラブルが続くときは、早めにかかりつけの獣医師に相談してほしい。

🔗 https://www.dogcancertcc.com/clinical-trials

🏷️ 研究・科学


6. 💉 医療・疾病・予防

犬の「肥満細胞腫」を切らずに治す注射——Stelfonta(チガラノールチグレート)の非外科的治療、2026年も実績を更新

📅 2026.04.01

肥満細胞腫は犬で最も多い皮膚のがんのひとつで、通常は外科切除が基本だが、部位によっては大きく切れず再発の心配がつきまとう。Stelfonta(有効成分チガラノールチグレート)は、腫瘍に直接注射して局所で腫瘍組織を破壊する非外科的な治療薬で、プロテインキナーゼC(PKC)を活性化させて腫瘍の血流と細胞構造を壊す「オンコリシス」によってがんを退縮させる。肘や飛節より先、あるいは全身の皮膚にできた、転移のない一定の大きさ以下の肥満細胞腫が対象となる。

無作為化比較試験では、1回の注射で28日以内に75%の犬が腫瘍の完全消失を達成し、再投与を含めると87%に達した。注射後12週時点で96%の犬が無病を維持し、約98%で3カ月以内に創傷が完全治癒したと報告されている。2026年には実臨床での使用実績や、まれな合併症への注意・適切な投与プロトコルに関する報告も蓄積されつつある。手術が難しい部位の肥満細胞腫では有力な選択肢になりうるため、適応や副作用について腫瘍科の獣医師と相談するとよい。

🔗 https://www.dvm360.com/view/a-new-nonsurgical-treatment-option-for-canine-mast-cell-tumors

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