🎗️ 犬猫 腫瘍ニュース — 2026.06.23

🎗️ 犬猫 腫瘍ニュース — 2026.06.23

犬猫の腫瘍・がん関連ニュース&論文 計6件


🎗️ 腫瘍・がん関連ニュース — 2026.06.23

本日 6件


1. 🧬 研究・科学

駆虫薬ニクロサミドの新規プロドラッグ、犬の骨肉腫転移抑制に可能性

📅 2026.01.15

寄生虫駆除薬として知られるニクロサミドを静注用に改良したプロドラッグ(mNSPT)を、自然発生した犬の骨肉腫に適用した臨床的実現可能性試験が、American Journal of Veterinary Research誌(Vol.87, Issue 1, 2026年)に掲載された。研究では、肺など遠隔転移が画像上検出されない段階の犬10頭を対象に、原発腫瘍を切除した後、カルボプラチン(300mg/m²を3週ごと4サイクル)に続けて実験的mNSPT(10mg/kgを週1回4サイクル)を静脈内投与した。経口投与では吸収率が低いニクロサミドを静注化することで全身循環時間を延ばし、理論上は腫瘍への取り込みを高める狙いがある。

薬物動態解析では、点滴終了時のニクロサミドステアレート(NS)平均濃度は134.88±13.32μg/mL、曲線下面積(AUC)は211.62±27.89h·μg/mLが得られた。これまでのヒトおよび犬の骨肉腫細胞株を用いたin vitro試験で細胞増殖の抑制とアポトーシス増加が、マウス試験で肺転移の減少が確認されており、今回の犬を用いた実証は比較腫瘍学の観点からヒトの骨肉腫治療開発にも示唆を与える。投与は安全に実施可能で、製剤化と全身投与の実現可能性が示された点が大きな成果である。

🔗 https://avmajournals.avma.org/view/journals/ajvr/87/1/ajvr.24.06.0176.xml

研究・科学


2. 🧬 研究・科学

簡便な血液検査で犬リンパ腫の治療反応を予測できる可能性

📅 2026.03.25

タフツ大学カミングス獣医学部とマサチューセッツ大学チャン医学部の研究チームは、犬のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の治療反応を、腫瘍組織ではなく血液中の免疫細胞の遺伝子発現から予測できる可能性を示した。過去の臨床試験で採取された血液サンプルを解析し、抗CD20抗体とドキソルビシンによる導入療法を受けた犬を、低分子阻害薬TAK-981、KPT-9274、RV1001の3群に分けて経過を追った。腫瘍を直接調べる代わりに循環免疫細胞の遺伝子活性を見る、ヒトや獣医領域で広まりつつある「リキッドバイオプシー」に近い非侵襲的アプローチである。

最も意外な発見は、インターフェロン刺激遺伝子の活性が高い犬ほど予後が悪く、生存期間の短縮や早期再発と一貫して関連していた点だった。インターフェロンは免疫細胞間の情報伝達を担うサイトカインだが、血液のがんであるリンパ腫では一部の関連シグナルがむしろ有害に働く可能性がある。さらにチームは、治療開始からわずか1週間時点でのTBHD、NPNT、ISG20という3遺伝子の活性が治療反応を予測しうることを特定した。簡便な血液検査による予後層別化が、犬のリンパ腫治療の個別最適化につながると期待される。

🔗 https://now.tufts.edu/2026/03/25/simple-blood-tests-may-predict-response-lymphoma-treatment

研究・科学


3. 🏥 医療・がん治療

訓練された犬が血液サンプルから血管肉腫の匂いを嗅ぎ分ける

📅 2026.02.11

ペンシルベニア大学獣医学部ワーキングドッグセンターは、訓練された探知犬が犬の血管肉腫(ヘマンギオサルコーマ)を血液サンプルの匂いから識別できることを示す研究を発表した。血管肉腫は進行してから診断されることが多い「ありふれた、攻撃的で致死的な」がんであり、早期発見手段の確立が課題となっている。盲検下の実験室試験では、5頭の探知犬が合計423回の盲検試行を行い、血管肉腫の犬の血清を対照サンプルから約70%の精度で区別した。個々の犬の成績は57.1%から78.6%の範囲だった。

研究チームは血液の上方から空気を送り込むオルファクトメーター(嗅覚測定装置)を用い、自動化されたサンプル提示と二重盲検によりバイアスを抑えた管理されたproof-of-concept試験を実施した。この結果は、腫瘍が揮発性有機化合物(VOC)の特徴的なシグネチャを産生し、将来の診断に応用できる可能性を支持する。論文は2025年11月に発表され、PubMedにも収載された。チームは最終的に化学マーカーを検出する「電子の鼻」と呼ばれる装置を開発し、スクリーニング検査として実用化することを目指している。

🔗 https://penntoday.upenn.edu/news/sniffing-out-cancer-trained-dogs-can-detect-hemangiosarcoma-scent

医療・疾病・予防


4. 💊 新薬・治療

OS Therapies、犬の未切除骨肉腫でOST-HER2の良好なデータを発表

📅 2025.04.10

バイオ医薬企業OS Therapiesは、免疫療法OST-HER2を緩和的放射線療法と併用し、未切除の四肢骨肉腫を持つ犬を治療した臨床データを発表した。OST-HER2は、HER2を発現するがん細胞に対し強力な免疫応答を引き起こすため、HER2を組み込んだリステリア菌(Listeria monocytogenes)を利用した免疫療法である。試験では、15頭中5頭で原発腫瘍の臨床的・画像的な進行停止、肺転移の遅延、そして500日を超える全生存期間の延長が認められた。これは未切除骨肉腫という難治例での結果として注目される。

別途Molecular Therapy誌に掲載されたデータでは、OST-HER2が3回投与レジメンの初回投与から強力な自然免疫および細胞傷害性免疫応答を誘導し、それが原発腫瘍切除後の犬における転移予防と長期生存に相関することが示された。これらの結果は、ヒトの骨肉腫において化学療法開始前のフロントライン治療としてOST-HER2を用い、化学療法の必要性そのものを減らせる可能性を開くものとされる。OST-HER2はすでに米国農務省(USDA)から犬の骨肉腫治療として条件付き承認を受けており、ヒト向けにもFDAから希少疾病用医薬品指定やファストトラック指定を取得している。

🔗 https://www.newsfilecorp.com/release/248054/OS-Therapies-Announces-Positive-Data-for-OSTHER2-in-the-Treatment-of-Unresected-Osteosarcoma-in-Dogs-Opening-the-Potential-for-Use-as-FrontLine-Therapy-in-Humans

研究・科学


5. 🏥 医療・がん治療

フリント動物がんセンター、最新放射線装置を導入し精密がん治療を強化

📅 2026.04.22

コロラド州立大学のフリント動物がんセンター(Flint Animal Cancer Center)は、新型のVarian Edge直線加速器(リニアック)を2026年4月20日に稼働させ、すでに患者の治療を開始した。この最新システムは、がんと闘うペットに対して高精度かつ効率的な放射線治療を提供するよう設計されている。同センターはコロラド大学がんセンターと密接に連携し、世界で最も先進的とされる比較腫瘍学研究プログラムのパートナーを務めており、ペットの犬で安全かつ迅速に新たな治療戦略を検証してヒトの研究に橋渡しする体制を整えている。

研究面でも進展があり、2026年2月には米国国立衛生研究所(NIH)がDan Regan博士の研究室に対し、既存のFAK阻害薬が骨肉腫患者の予後を改善できるかを調べる研究へのMERIT Award(メリット賞)を授与した。さらにRegan博士は腫瘍内科医のBreelyn Wilky医師と連携し、犬とヒトの双方で新しい薬剤の組み合わせを研究している。最新の放射線装置と分子標的治療の研究を組み合わせることで、同センターは伴侶動物のがん治療の質を高めつつ、ヒトのがん研究にも貢献する精密獣医がん医療を推進している。

🔗 https://www.csuanimalcancercenter.org/2026/04/22/radiation-oncology-upgrade/

医療・疾病・予防


6. 🧬 研究・科学

猫の腫瘍学が進展、診断・治療・管理の最新動向をFrontiers誌が総説

📅 2025.10.20

国際的なオープンアクセス誌Frontiers in Veterinary Scienceは、猫の腫瘍学(feline oncology)における診断・治療・管理の進歩をまとめた特集の編集論文を公開した。猫で最も多いがんはリンパ腫であり、一般的な治療プロトコルとしてCOP(シクロホスファミド、ビンクリスチン、プレドニゾロン)やCHOPが用いられ、高悪性度では6〜9か月、低悪性度では2年以上の生存期間中央値が報告されている。猫は犬に比べて腫瘍学研究が遅れがちだったが、近年は猫特異的な治療開発が活発化していることが強調されている。

特集では複数の新規治療アプローチが取り上げられた。線維肉腫に対するIL-2免疫療法や、ヒト腫瘍学から応用されたチェックポイント阻害薬の臨床試験が進行中であること、また定位放射線治療(SRS/SRT)により従来15〜20回必要だった照射を1〜3回に減らせることが示された。さらに、腫瘍溶解性ウイルス療法ではNDV-GFPが猫の胸腺リンパ腫細胞内で増殖し用量依存的に細胞生存率を低下させたこと、電気化学療法とトセラニブ・クロラムブシルを組み合わせた集学的治療で従来法に反応しなかった症例が完全寛解に至った例も報告された。猫の腫瘍治療の選択肢が着実に広がっていることを示す総説である。

🔗 https://www.frontiersin.org/journals/veterinary-science/articles/10.3389/fvets.2025.1694132/full

研究・科学


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