🎗️ 犬猫 腫瘍ニュース — 2026.06.25
犬猫の腫瘍・がん関連ニュース&論文 計7件
🎗️ 腫瘍・がん関連ニュース — 2026.06.25
本日 7件
1. 🧬 研究・科学
犬の「T細胞リンパ腫」に標的型の放射性医薬品——ウィスコンシン大、90Y-NM600で腫瘍を内側から照射する臨床試験
📅 2026
ウィスコンシン大学獣医学部(UW Veterinary Care)は、同大のCarboneがんセンターと共同で、犬の末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)に対する新しい標的型放射性医薬品「90Y-NM600」の臨床試験を進めている。NM600はがん細胞に集まりやすい分子に放射性同位体イットリウム90(90Y)を結合させたもので、体内から腫瘍を狙って照射する「標的放射線治療(ラジオファーマシューティカル)」の一種だ。T細胞リンパ腫は犬のリンパ腫の中でも予後の悪いタイプが多く、新たな治療選択肢が求められている。
抗がん剤が効きにくい・再発しやすいT細胞リンパ腫に対し、放射性医薬品で全身のがん細胞を内側から叩くアプローチは、従来の化学療法とは異なる武器になりうる。安全性・有効性・最適な投与量を評価する段階であり、実用化にはさらなる検証が必要だが、犬のリンパ腫治療の幅を広げる試みとして注目される。
🔗 https://uwveterinarycare.wisc.edu/veterinary-clinical-studies/oncology/
🧬 研究・科学
2. 🧬 研究・科学
「ニューカッスル病ウイルス」で猫のリンパ腫を攻撃——がん細胞内で増えてアポトーシスを誘導、新しいウイルス療法の可能性(in vitro)
📅 2025
リンパ腫は猫に多いがんの一つで、化学療法に反応しない・再発する症例が少なくないため、新しい治療法が強く求められている。研究チームは、緑色蛍光タンパク質を組み込んだニューカッスル病ウイルス(NDV-GFP)を、FeLV陽性の胸腺リンパ腫の猫から分離したリンパ腫細胞に感染させる試験管内(in vitro)実験を行った。その結果、NDVはがん細胞に感染して増殖し、アポトーシス(細胞死)を誘導することが示された。
これは、ウイルスを使ってがん細胞を選択的に壊す「腫瘍溶解性ウイルス療法」が、猫のリンパ腫にも応用できる可能性を示す予備的な成果だ。あくまで細胞レベルの段階であり、実際の猫での有効性・安全性はこれからの課題だが、既存治療が効かない症例に新たな道を開くかもしれない。
🔗 https://www.frontiersin.org/journals/veterinary-science/articles/10.3389/fvets.2025.1484947/full
🧬 研究・科学
3. 🔬 研究・科学
犬の「口腔メラノーマ」、手術で切除すると免疫の指標が動く——術後に複数のサイトカインが上昇、免疫反応との関係を解析
📅 2026
犬の口腔内悪性黒色腫(メラノーマ)は、進行が速く転移しやすい難治がんだ。研究チームは、悪性口腔メラノーマの犬で、手術によるがん切除の前後で血中サイトカイン(免疫を調整するタンパク質)のプロファイルがどう変化するかを調べた。その結果、腫瘍の外科的切除後に、GM-CSF・IFN-γ・MCP-1・IL-18・IL-2といった複数のサイトカインが有意に上昇することが分かった。
これは、腫瘍を取り除くことで体の免疫環境が変化することを示す所見で、免疫チェックポイント阻害薬などの免疫療法と手術を組み合わせる際のヒントになりうる。犬のメラノーマでは免疫療法への関心が高まっており、こうした免疫指標の理解は、治療効果の予測やタイミングの最適化につながる可能性がある。
🔗 https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC12300486/
🔬 研究・科学
4. 🏥 医療・がん治療
猫の「口のがん(扁平上皮癌)」に新しい標的薬の開発——イリノイ大、がん細胞に多い酵素NQO1を狙う化合物を臨床応用へ
📅 2026
口腔扁平上皮癌(SCC)は猫の口のがんで最も多く、進行が速く治療が難しい。イリノイ大学獣医学部は、化学者Hergenrother教授らが開発した新規抗がん化合物を使い、猫の口腔SCCの治療に取り組んでいる。この化合物は、口腔扁平上皮癌の細胞が多量に産生する酵素「NQO1」を標的にして、がん細胞を選択的に攻撃する仕組みだ。同大は放射線治療と組み合わせる臨床試験なども含め、複数の口腔がん試験を進めている。
猫のがんには承認された抗がん剤がほとんどなく、人や犬の治療を流用せざるを得ないのが現状だ。猫のがんの特徴に合わせて設計された新しい標的薬の開発は、これまで打つ手の少なかった口腔がんに新たな希望をもたらす。口の中のしこり・出血・よだれ・食べづらさなどは早期発見のサインなので、見逃さないことが大切だ。
🔗 https://vetmed.illinois.edu/pet-health-columns/mouth-cancer-cats/
🏥 医療・がん治療
5. 💉 新薬・治療
犬の「血管肉腫」に既製(オフ・ザ・シェルフ)のがんワクチン——Calviri社、SOCH試験で予防的ワクチンの延命効果を検証
📅 2026
バイオ企業Calviriは、犬の血管肉腫(ヘマンギオサルコーマ)を対象とした臨床試験「SOCH(Scout Out Canine Hemangiosarcoma)」を開始した。血管肉腫は脾臓などにできる悪性度の高いがんで、破裂による突然の出血で命を落とすことも多く、予後が非常に悪い。SOCH試験では、Calviri社の「既製(pre-made/オフ・ザ・シェルフ)」のがんワクチンを、手術や化学療法といった標準治療と組み合わせることで、ステージ1〜2の犬の生存期間を延ばせるかを検証する。
多くのがんワクチンが患者ごとに作る「オーダーメイド型」であるのに対し、あらかじめ用意された「既製型」ワクチンは、コストや時間の面で実用化しやすい利点がある。血管肉腫は早期発見が難しく治療成績も厳しいがんだけに、標準治療に上乗せできる新しい免疫療法への期待は大きい。ゴールデン・レトリーバーなど好発犬種では、定期的な健康診断と腹部エコーが早期発見に役立つ。
🔗 https://www.dvm360.com/view/biotechnology-company-launches-cancer-vaccine-trial-for-dogs
💉 新薬・治療
6. 🏥 医療・がん治療
日本大学、治療法が確立していない犬猫のがんに臨床試験——犬の肺がん、犬猫のリンパ腫・多発性骨髄腫の症例を募集
📅 2026
日本大学の動物病院(ANMEC)腫瘍内科は、現在治療法がない・確立されていない腫瘍性疾患に対して、新しい治療法の確立を目指した臨床試験を行っており、症例を募集している。対象は、犬の肺がん、犬・猫のリンパ腫、犬・猫の多発性骨髄腫/形質細胞腫など。外科・放射線腫瘍科とチームを組み、動物の全身状態や併発疾患、がんの広がりをふまえて、ご家族の意向を尊重した治療方針を提案するという。
海外の最先端試験だけでなく、国内の大学病院でも新しいがん治療への挑戦が進んでいる。標準治療で打つ手が限られた場合に、こうした臨床試験が選択肢になることもある。動物の抗がん剤治療は「生活の質を保ちながら続ける」ことを重視して用量・方法が設計されており、気になる場合はかかりつけ医を通じて二次診療施設に相談するとよい。
🔗 https://hp.brs.nihon-u.ac.jp/~nuanmec/?page_id=4255
🏥 医療・がん治療
7. 💊 新薬・治療
犬の「骨肉腫」に自家がん免疫療法+抗がん剤——ELIAS社のECI、化学療法と併用で1年生存率71%(標準治療は21%)
📅 2025.06.20
犬の骨肉腫(骨のがん)に対し、米ELIAS Animal Healthの自家がん免疫療法「ECI(ELIAS Cancer Immunotherapy)」を化学療法と組み合わせる臨床試験の中間結果が、ミズーリ大学のJeffrey Bryan教授らによって報告された。カルボプラチン(抗がん剤)を1回投与した21日後にECIを行った14頭では、1年生存率が71%に達し、標準治療(カルボプラチン4回のみ)の対照14頭の21%を大きく上回った。ECIは患者自身の腫瘍をもとにした「オーダーメイドのがんワクチン」と、活性化したT細胞を組み合わせて、がん細胞を狙い撃つ仕組みだ。
ECIは2025年3月にUSDA(米農務省)の認可を受けた、犬の骨肉腫に対する唯一の承認治療で、最終結果は2026年後半に報告される見込みだ。骨肉腫は大型犬に多く、痛みが強く転移しやすい予後の悪いがんで、「1年後に半数以上が生存」という見込みは大きな前進といえる。まだ症例数の限られた中間解析だが、化学療法と免疫療法を組み合わせる新しい治療への期待が高まっている。
🔗 https://www.dvm360.com/view/new-data-for-novel-bone-cancer-therapy-demonstrates-improved-outcomes
💊 新薬・治療
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