🐾🐱 犬猫ニュース — 2026.06.26
犬4 + 猫2 = 計6件
🐾 犬ニュース — 2026.06.26
本日 4件
1. 🏥 医療・疾病・予防
米国でハエの幼虫が肉を食う「ラセンウジバエ症」が犬で初確認——ニューメキシコ州で小型犬1頭、米国内の確認例は計5頭に
📅 2026.06.08
米農務省(USDA)動植物検疫局(APHIS)は2026年6月8日、ニューメキシコ州リー郡で飼われていた小型の雄犬から「新世界ラセンウジバエ(New World screwworm)」の寄生を確認したと発表した。同州で犬の感染が確認されたのは初めてで、米国本土での確認例はこれで計5頭となった。最初の米国本土での動物感染例は6月3日にテキサス州で確認されており、今回の犬も当初はテキサスの症例と取り違えられたが、飼育地はニューメキシコ州ユーニスと判明した。犬は現在もテキサス州で治療を受けており、USDAと州当局は同居動物の検査や周辺地域への注意喚起を進めている。
ラセンウジバエはハエの一種で、生きた動物の傷口に産卵し、孵化した幼虫(ウジ)が生きた組織を食い進むため、放置すると致命的になる。家畜だけでなく犬や人にも寄生しうる人獣共通の脅威で、米国では数十年ぶりの再侵入として警戒が強まっている。日本国内には分布していないが、傷のある状態で流行地域へ渡航・滞在する場合は注意が必要だ。愛犬の体に治りにくい傷や、傷口に動くウジがいるのを見つけたら、すぐに獣医師に相談してほしい。
2. 🏥 医療・疾病・予防
犬の「食物アレルギー」、症状が出るのに必要なタンパク質量を初めて数値化——11頭・71回の経口負荷試験で「平均4.1日後・体重1kgあたり約0.86g」
📅 2026.05.20
ドイツ・ミュンヘン大学(LMU)のRalf Mueller氏らは、犬の食物有害反応(AFR=いわゆる食物アレルギー)について、どのくらいの量のタンパク質を食べると症状が出るのかを前向き二重盲検で調べた。すでにAFRが確定している犬11頭に対し、牛・鶏・小麦・羊・魚など7種類のタンパク源を、それぞれ量を段階的に増やしながら7日間にわたり計71回の経口負荷試験(OFC)を実施。その結果、35回の負荷で皮膚のかゆみなどの症状が現れ、多くは2〜6日目に出現、発症までの平均日数は4.1日(1〜7日)だった。反応が出たのは多くが20〜30gのタンパク質摂取時で、平均21g、体重で補正すると中央値で約0.86g/kg(0.06〜2.5g/kg)に相当した。
これまでAFRで「どれだけ食べたら症状が出るか」という閾値はほとんど分かっておらず、診断や食事管理の手がかりになる重要なデータだ。一方で、発症に必要な量も発症までの日数も個体差が非常に大きいことが浮き彫りになった。これは、わずかな量の原因タンパク質でも反応する犬がいることを意味し、除去食試験(特定のタンパク質を完全に断つ食事)を厳密に行うことの大切さを裏づける。原因不明のかゆみや皮膚炎が続く犬では、自己判断で市販フードを切り替える前に、かかりつけの獣医師と除去食試験の計画を立てることをおすすめしたい。
🔗 https://www.frontiersin.org/journals/veterinary-science/articles/10.3389/fvets.2026.1767167/full
3. 🥩 栄養・食事・サプリ
「軽く加熱した手作り風フード」はカリカリより血糖・腸にやさしい?——健康な犬23頭のクロスオーバー試験で代謝・腸内に明確な差
📅 2026.04.10
オーストラリアのAndrew Holmes氏らは、フードの「加工度」が犬の体にどう影響するかを、健康な犬を使ったランダム化クロスオーバー試験で検証した。24頭(うち1頭は健康上の理由で除外、23頭が完了)を対象に、まず1週間それぞれの普段のフードを与えたうえで、「押し出し成形のカリカリ(EKD)」と「軽く加熱した低加工フード(MPD)」を2週間ずつ順番に給与。食前・食後の血液と、各犬12回分の便を採取して、血糖・ホルモン・腸内細菌の反応を比べた。
その結果、低加工フード(MPD)の期間は、便の状態が良好になり、食欲やインスリン分泌に関わる消化管ホルモン(GIPやPYY)が低く、食後の血糖上昇もカリカリより小さく抑えられた。さらに腸内細菌の多様性(αダイバーシティ)も高まる傾向がみられ、「何を食べるか」だけでなく「どう加工されたか」が犬の代謝と腸内環境に影響することを示した。ただしこれは2週間という短期間の比較であり、どちらのフードも栄養的には完全食。長期的な健康への意味づけにはさらなる研究が必要だ。フード選びで迷ったら、加工度だけにとらわれず、愛犬の体調や持病に合うものを獣医師と相談して選んでほしい。
🔗 https://www.frontiersin.org/journals/veterinary-science/articles/10.3389/fvets.2026.1734572/full
4. 🥩 栄養・食事・サプリ
関節炎の犬に「天然成分サプリ」は鎮痛薬に匹敵——魚油・アボカド大豆抽出物など配合のサプリ、20頭でCOX-2阻害薬と同等以上の効果
📅 2026.02.09
イタリアのFabrizio Dini氏らは、自然発生の変形性関節症(OA)を持つ犬20頭を対象に、天然成分を組み合わせたサプリメント(魚油、アボカド・大豆の不けん化物ASU、ウコン、デビルズクロー、ボスウェリア、セイヨウシロヤナギ、黒コショウ、アスタキサンチンなどを配合した「Asudyn」)の効果を、二重盲検ランダム化比較試験で調べた。犬を2群に分け、A群にはサプリを90日間連続で経口投与、B群には選択的COX-2阻害薬マバコキシブ(Trocoxil)を所定の間隔で投与。跛行(NRS)、痛み(CBPIとVAS)、関節液の性状、レントゲン所見などを投与前から180日後まで評価した。
その結果、天然成分サプリは痛みの軽減・跛行の改善・関節液の質の向上のいずれにおいても、鎮痛薬マバコキシブと同等、項目によってはそれ以上の効果を示した。長期使用で副作用が問題になりやすい非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)に対し、こうしたサプリは安全性の高い選択肢・併用候補になりうる。ただし対象は20頭と少数で、特定の市販製品を用いた試験である点には注意が必要だ。関節炎のケアは体重管理・運動療法・薬・サプリを組み合わせる「多角的アプローチ」が基本なので、サプリを試したい場合もまずはかかりつけの獣医師に相談してほしい。
🔗 https://www.frontiersin.org/journals/veterinary-science/articles/10.3389/fvets.2025.1693838/full
🐱 猫ニュース — 2026.06.26
本日 2件
1. 🏥 医療・疾病・予防
猫から人へ「鳥インフルエンザ(H5N1)」が伝播した初の証拠——米CDCが報告、感染猫の世話をした獣医療スタッフに抗体
📅 2026.05.07
米CDCの週報(MMWR、2026年5月7日号)は、高病原性鳥インフルエンザA(H5N1)が感染した飼い猫から人へ伝播したとみられる初めての血清学的証拠を報告した。発端は、2024年11月から2025年1月にかけてロサンゼルス郡の5世帯で飼い猫19頭が重い呼吸器・肝臓・神経症状を示し、うち14頭が死亡または安楽死した事例だ。これらの猫の多くは市販の生(非加熱)のペットフードを食べていたとされる。感染猫に接触した25人を調べたところ、獣医療スタッフ1人の血液からH5N1への過去の感染を示す抗体が検出され、猫から人への感染が裏づけられた。
H5N1は猫では致死率が高く、感染した猫の最大7割が死亡するとの報告もある。一方でCDCは、一般の人への現時点のリスクは低く、人から人への持続的な感染は確認されていないと強調している。日本でも生肉・生レバーなどを猫に与える飼い方が一部にあるが、加熱不十分な肉や未殺菌の生乳はH5N1を含む病原体のリスクがあるため避けるのが無難だ。猫が急な発熱・元気消失・呼吸困難・神経症状を示した場合は、早めにかかりつけの獣医師に相談してほしい。
🔗 https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/75/wr/mm7517a1.htm
2. 🥩 栄養・食事・サプリ
猫の血糖・コレステロールを左右するのは「炭水化物」より「タンパク質と脂肪」——18頭で3種類の食事を比較(JVIM 2026)
📅 2026.02.27
カナダ・ゲルフ大学のHannah Godfrey氏らは、フードの三大栄養素(タンパク質・脂肪・炭水化物)の割合が猫の血糖・インスリン・コレステロールにどう影響するかを、健康な成猫18頭(やせ型9頭・肥満型9頭)で調べた。各猫に「低タンパク食」「低脂肪食」「低炭水化物食」の3種類のドライフードを28日ずつ与え、食前と食後6時間の血液を採取して比較。その結果、低タンパク食では食後のインスリン上昇が最も小さく(タンパク質由来のアミノ酸がインスリン分泌を促すため)、低脂肪食では総コレステロールと悪玉(LDL)コレステロールが下がった。一方、炭水化物の量は血糖やインスリンの反応を大きく変えなかった。
「猫に炭水化物は良くない」という通説に反し、この管理された試験の範囲内では、炭水化物より「タンパク質と脂肪」のほうが代謝に影響していた。また肥満型の猫でも、インスリン抵抗性や脂質異常といった代謝の異常は明確には見られず、肥満の重症度や期間によって代謝への影響が変わる可能性が示された。猫は意外に「代謝が柔軟」で、さまざまな栄養バランスに適応できることを示す結果だが、長期的な影響は今後の研究課題だ。フードの「炭水化物ゼロ」表示だけにとらわれず、愛猫の体型や持病に合った総合栄養食を、必要に応じて獣医師と相談しながら選ぶとよい。
🔗 https://academic.oup.com/jvim/article/40/1/aalag013/8488662
毎朝7時配信

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