🎗️ 犬猫 腫瘍ニュース — 2026.06.28
犬猫の腫瘍・がん関連ニュース&論文 計5件
🎗️ 腫瘍・がん関連ニュース — 2026.06.28
本日 5件
1. 🧬 研究・科学
犬のがんに「EGFR/HER2」を狙うペプチドワクチン——600頭超で安全性を確認、ステージⅡでは生存が200日以上延長(イェール大)
📅 2026
イェール大学が開発した犬用のがん免疫療法「EGFR/HER2ペプチドワクチン」は、多くの悪性腫瘍で過剰に出現するEGFR・HER2という分子を標的に、免疫の攻撃を促す治療だ。これまで600頭を超える犬に投与され、骨肉腫・血管肉腫・乳腺癌といった侵襲性の高いがんを対象に評価が続いている。臨床試験は2026年末まで継続が認められており、報告されている副作用は軽微とされる。
原発部位を越えて広がるステージⅡのがんでは、生存期間が200日以上延びた例や、2年以上生存した症例も報告されている。シアトル近郊では、犬用の抗PD-1抗体Gilvetmabや抗がん剤カルボプラチンと本ワクチンを組み合わせる試験も進行中だ。手術・放射線・化学療法に免疫療法を重ねる「併用」が、単独より有効になりうる方向性を示している。ただし正式な実用化には承認手続きが必要で、現時点では参加できる臨床試験を通じて受けられる治療である点に留意したい。
🔗 https://www.ccralliance.org/post/egfr-her2-yale-vaccine-update
🧬 研究・科学
2. 🧬 研究・科学
犬の骨肉腫を「ゲノム×免疫×腸内細菌」で読み解く——パデュー大が主導する多施設マルチオミクス研究
📅 2026
米パデュー大学のWerling比較腫瘍学研究センター(Childress博士ら)が主導する多施設研究が、骨肉腫の犬から腫瘍組織・血液・便を複数の時点で採取し、がんの遺伝的特徴・免疫・腸内細菌(マイクロバイオーム)がどのように相互作用して悪性度を左右するのかを解析している。あわせて造影CT(DCE-CT)や磁気共鳴スペクトロスコピー(MRS)といった先端画像を使い、治療が免疫をどう動かすかを可視化しようとしている。
骨肉腫は大型犬に多い極めて悪性度の高い骨のがんで、米国では年間およそ8,000頭が診断されると推計される。腫瘍そのものだけでなく、腸内環境や全身の免疫までを一体で捉える「マルチオミクス」のアプローチは、どの子にどの治療が効くのかを見極めるバイオマーカー探索につながると期待される。犬の自然発生がんはヒトの骨肉腫とよく似ており、その成果は比較腫瘍学としてヒトの研究にも橋渡しされる。
🔗 https://vet.purdue.edu/wcorc/clinical-trials/canine-osteosarcoma.php
🧬 研究・科学
3. 🏥 医療・がん治療
犬の骨肉腫に「自然免疫を刺激する分子(CpG)」+放射線——イリノイ大が免疫療法の臨床試験
📅 2026
イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の獣医教育病院は、放射線治療に、自然免疫を刺激する分子「CpGオリゴデオキシヌクレオチド(CpG-ODN)」を腫瘍内へ注射して組み合わせる、犬の骨肉腫に対する新しい免疫療法の臨床試験を進めている。放射線でがん細胞を壊しながら、CpGが免疫の“火付け役”を腫瘍局所に呼び込み、全身の抗腫瘍免疫を底上げすることを狙う。局所治療と免疫療法を一体化させる発想だ。
骨肉腫は転移しやすく、断脚や標準的な化学療法を行っても、再発・転移に苦しむ症例が少なくない。放射線という局所治療に免疫療法を重ねることで、目に見えない微小転移まで叩く効果が期待される。こうした試験的治療は参加できる施設や条件が限られるため、関心がある場合は腫瘍科の専門医に相談するとよい。新しい治療は万能ではないが、選択肢が広がること自体が、飼い主と犬にとって大きな希望になる。
🔗 https://cancer.illinois.edu/clinical-trial-aims-to-help-canines-with-osteosarcoma/
🏥 医療・がん治療
4. 🧬 研究・科学
犬のがんゲノムを解く「前例のない連合」——TGen・VAIがNCI・ペンシルベニア大・ミシガン州立大と430万ドル規模の研究プログラム
📅 2026
米国の研究機関TGenとVan Andel研究所(VAI)が、国立がん研究所(NCI)、ペンシルベニア大学、ミシガン州立大学、さらにブリーダーや臨床獣医師と手を組み、2年・430万ドル(約6.7億円)規模の犬がん研究プログラムを立ち上げた。dvm360はこれを「前例のない連携」と報じている。犬に自然発生するがんを大規模にゲノム解析し、ヒトのがんとの共通点や、犬種ごとに偏るがんの背景を探る比較腫瘍学の基盤づくりを目指す。
犬のがんはヒトのがんと組織像や分子変化がよく似ており、犬で得た知見がヒトの治療開発に、ヒトの知見が犬の治療に役立つ「双方向」の関係にある。大規模で資金力のある連携は、希少ながん種の解析や新しい治療標的の発見を加速しうる。こうした研究の成果が、やがて身近な動物病院で使える検査や治療として還元されていくことが期待される。基礎研究への投資が、最終的に一頭一頭の診療を変えていく好例といえる。
🔗 https://www.dvm360.com/view/new-canine-cancer-research-program-dubbed-unprecedented-collaboration
🧬 研究・科学
5. 🏥 医療・疾病・予防
「去勢・避妊」とがんリスクの関係をどう読むか——肥満細胞腫は減り、リンパ腫は性別で逆の傾向(2026年の指摘)
📅 2026.02
不妊手術(去勢・避妊)とがんリスクの関係は、研究によって結論が割れている。dvm360が2026年に取り上げた指摘によれば、複数の大規模研究で不妊手術により肥満細胞腫のリスクが約2.5分の1に下がる一方、質の高い研究では避妊したメスでリンパ腫リスクが約30%上がり、去勢したオスでは約40%下がるという、性別で逆向きの傾向も示されている。同じ「がん」でも、種類や性別によって手術の影響が大きく異なるのだ。
重要なのは、こうした数字が犬種・性別・手術の時期によって大きく変わり、単純に「不妊手術はがんに良い/悪い」とは言えない点だ。不妊手術には、望まない繁殖の防止に加え、子宮蓄膿症や乳腺腫瘍の予防といった明確な利点もあり、がんリスクだけで是非を判断すべきではない。研究結果の“読み方”に注意しつつ、その子の犬種・性別・年齢・健康状態をふまえて、かかりつけ獣医師とよく相談して決めることが大切だ。
🔗 https://www.dvm360.com/view/are-veterinary-professionals-reading-veterinary-cancer-research-wrong-
🏥 医療・疾病・予防
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