📚 犬猫 研究論文 — 2026.06.28
注目論文 3件
1. 🧠 行動・認知科学
犬の「学習のクセ」は犬種グループで違う?——105頭・5つの品種クレードでタッチ学習課題を反復、改善がみられたのは「逆転学習」だけ
📅 2026.01.16
用途別に育種されてきた犬種は、認知能力にも一貫した違いがあると考えられている。カナダ・ブリティッシュコロンビア大学の研究チームは、5つの品種クレード(系統群)を代表する105頭の犬に、的にタッチして学ぶ「ハンドタッチ学習課題」を30日間隔の2セッションで実施し、弁別学習・逆転学習・消去抵抗の変化を比較した。報酬への反応性や衝動性、これまでのトレーニング歴などの要因も統計的に調整したうえで、犬種グループ間の平均的な成績を解析している。
その結果、セッション間での学習成績の変化は全体に限定的で、統計的に有意な改善がみられたのは「逆転学習(ルールが切り替わったときの学び直し)」のみだった。これは、犬の“賢さ”が単一のものさしでは測れず、課題の種類や犬種の背景によって現れ方が異なることを示している。家庭でも、覚えが早い・切り替えが得意といった得手不得手には個体差・系統差が大きい。しつけがうまくいかないときは「この子は頭が悪い」と決めつけるのではなく、課題の出し方や報酬の設計が合っていない可能性を考えたい。
📖 Animal Cognition, 2026
🔗 https://link.springer.com/article/10.1007/s10071-026-02044-6
🧠 行動・認知科学
2. 🦠 獣医学・感染症
犬と猫にも広がる「インフルエンザDウイルス」——欧州3か国の血清調査で、健康な犬猫から抗体を検出
📅 2026.02
おもに牛などの家畜で知られるインフルエンザDウイルス(IDV)が、犬や猫にも感染しうるのか——。米CDCの専門誌Emerging Infectious Diseases(2026年2月号)に、フランス・イタリア・ウクライナの飼い犬・飼い猫を対象にIDVの抗体保有率を調べた多施設の血清疫学調査が掲載された。2015〜2024年に集めた検体を解析した結果、臨床的に健康な動物でも、ウクライナの猫の0.85%、犬の2.46%から、IDVへの曝露を示す抗体が検出された。
保有率自体は低いものの、家庭で暮らす犬猫がこのウイルスに自然曝露している可能性を示す点で、人と動物と環境の健康をつなぐ「ワンヘルス」の観点から重要だ。IDVが犬猫で実際に病気を起こすかどうかはまだ不明で、今すぐ過度に心配する段階ではない。一方で、家畜と接する機会のある動物や多頭飼育の環境では、呼吸器症状の監視や基本的な衛生管理の意義を改めて示す結果といえる。新しい人獣共通感染症の芽を早期に捉えるうえでも、こうした地道な調査は欠かせない。
📖 Emerging Infectious Diseases, 2026, 32(2)
🔗 https://wwwnc.cdc.gov/eid/article/32/2/25-1164_article
🦠 獣医学・感染症
3. 🥗 獣医学・栄養
健康なシニア猫は「いつ・どう食べる」のか——ウェット/ドライ/併用の自由給餌で24時間の採食パターンを比較
📅 2026.01
猫の食事は「何を」だけでなく「いつ・どのように」食べるかも健康に関わる。学術誌Animals(2026年・第16巻1号)に、家庭で暮らす健康なシニア猫を対象に、ウェット・ドライ・両者の併用をそれぞれ自由給餌(ad libitum)で与えたときの24時間の採食パターンを比較した研究が掲載された。猫は一度に少量を何度も食べる「ちょこちょこ食い」の傾向が確認され、採食の山は夜明けと夕暮れの前後に集中していた。これは、薄明薄暮に狩りをする猫本来の生活リズムを反映していると考えられる。
食事の形態(ウェットかドライか、その併用か)によって、食べるリズムや一回量、総摂取の傾向が変わりうることは、肥満や食欲低下の管理に役立つ視点だ。とくにシニア猫では、食が細くなる、夜間にしきりに食べたがるといった変化が体調のサインのこともある。自動給餌器の活用やウェットの併用など、その子の自然なリズムに寄り添った与え方が、無理のない体重管理や食欲の維持につながる可能性がある。気になる食欲・体重の変化が続くときは、早めに獣医師へ相談を。
📖 Animals, 2026, 16(1):45
🔗 https://www.mdpi.com/2076-2615/16/1/45
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