🎗️ 犬猫 腫瘍ニュース — 2026.06.29
犬猫の腫瘍・がん関連ニュース&論文 計6件
🎗️ 腫瘍・がん関連ニュース — 2026.06.29
本日 6件
1. 🏥 医療・がん治療
犬のリンパ腫に「自宅で飲める」初の経口薬——FDAがLaverdia(ベルジナクサー)を本承認、点滴のTanoveaとあわせIV+経口の二本柱に
📅 2026
米FDAは2026年、犬のリンパ腫に対する初の経口治療薬「Laverdia(一般名ベルジナクサー/verdinexor)」を本承認(フル承認)した。これは「SINE化合物」と呼ばれる薬で、がん細胞の核から腫瘍抑制タンパク質が外へ運び出される経路(核外輸送)をブロックし、抑制タンパクを核内にとどめてリンパ腫細胞の増殖を抑える。条件付き承認時の臨床試験では、無増悪期間(病気が進行するまでの時間)が対照に比べ有意に延長した(37日 vs 23日)。週2回・最低72時間あけて、必ず食事と一緒に与えるのが基本の使い方だ。
これまで犬のリンパ腫治療は通院での化学療法が中心で、飼い主・犬ともに負担が大きかった。Laverdiaは獣医師の管理下で「自宅投与」できる選択肢として、すでに本承認済みの点滴薬Tanovea(ラバクフォサジン)と並び、IV(点滴)と経口を症例や飼い主の事情に応じて使い分け・組み合わせる道を開く。ただし副作用管理は必須で、適応や投与計画は腫瘍科の獣医師とよく相談すること。
🔗 https://www.dvm360.com/view/fda-grants-full-approval-to-laverdia-for-canine-lymphoma
医療・疾病・予防
2. 🏥 医療・がん治療
「切らずに肥満細胞腫を治す」注射薬Stelfontaに重い全身合併症の報告——10歳犬で投与後にショック・膵炎、四肢切断に至った症例(2026年)
📅 2026
犬の非転移性の肥満細胞腫を「手術せずに」治療できる腫瘍内注射薬Stelfonta(チギラノール・チグレート)について、重い全身性合併症を報告するケースレポートが「Frontiers in Veterinary Science」2026年に掲載された。10歳のオスのビズラの後肢(飛節外側)の皮下肥満細胞腫に1回投与したところ、24時間以内に嘔吐・下痢・循環血液量減少性ショック・膵炎を発症し、最終的に四肢切断に至った。複数の診断が併存しうるため合併症とStelfontaの因果関係は断定できないとされたが、注意喚起となる症例だ。
Stelfontaは1〜2回の治療で約87%の肥満細胞腫を消退させる有効な薬だが、添付文書では「肘・飛節より上の皮下腫瘍には注射しない」よう求めている(壊死組織が皮下にたまり全身性の有害反応リスクが高まるため)。今回の症例は、適応部位・腫瘍サイズの遵守と、投与後の慎重な経過観察の重要性を改めて示す。低侵襲な治療にも固有のリスクがあり、メリット・デメリットを腫瘍科でよく確認したうえで選択することが大切だ。
🔗 https://www.frontiersin.org/journals/veterinary-science/articles/10.3389/fvets.2026.1757258/abstract
医療・疾病・予防
3. 🏥 医療・がん治療
10年ぶり全面改訂——AAHAが2026年「犬猫の腫瘍診療ガイドライン」を公開、かかりつけ医向けに診断から終末期ケアまで体系化
📅 2026.01.02
米国動物病院協会(AAHA)は2026年1月2日、犬と猫の腫瘍診療に関する新ガイドライン「2026 AAHA Oncology Guidelines for Dogs and Cats」を公開した。AAHAの腫瘍ガイドラインとしては初版から10年ぶりの全面改訂で、専門病院だけでなく「かかりつけ医(プライマリケア)」チームが、診断・ステージング・治療・支持療法・紹介のタイミング・経過観察までを実践できるよう、最新エビデンスと専門家の合意をまとめている。診断については「予後の判断と治療方針の決定には、細胞診または病理組織診断が必要」とし、針生検が不確定なら腫瘍の挙動を決めつけず生検・病理に進むよう促している。
新ガイドラインは、疼痛管理・栄養サポート・緩和ケア・終末期ケア、さらに「スタッフや飼い主の抗がん剤曝露を防ぐ化学療法の安全管理」や、獣医看護師を“腫瘍ケアの担い手”として活かす視点、遠隔コンサルトの活用まで踏み込んでいる。注目点として「免疫が落ちているがん患者には生食(ローフード)は推奨しない」と明記した——サルモネラや大腸菌の感染リスクが患者にも介護する家族にも高まるためだ。愛犬・愛猫ががんと診断されたとき、飼い主が治療の全体像を理解する助けにもなる内容だ。
🔗 https://www.dvm360.com/view/key-takeaways-from-aaha-s-2026-oncology-guidelines
医療・疾病・予防
4. 🐱 医療・がん治療
猫の「注射部位肉腫」と乳腺腫瘍、手術中に“取り残し”を数分で見つける——ヒト乳がん手術の技術を応用した新しい断端評価をオハイオ州立大が試験
📅 2026
オハイオ州立大学獣医医療センターが、猫の「注射部位肉腫(FISS)」と乳腺腫瘍の手術で、切除後に残ったがん細胞(取り残し)をその場で検出する新しいイメージング法の臨床試験を進めている。これはヒトの乳がん手術ですでに成果を上げている技術を応用したもので、切除した組織の断端(マージン)を顕微鏡レベルで数分以内に評価できるのが特徴だ。再発の大きな原因となる「微小な取り残し」を手術中に把握できれば、その場で追加切除を判断でき、再手術や再発を減らせる可能性がある。
猫のFISSは局所再発が非常に多く、根治には「広範囲切除+放射線」が必要とされるなど、治療が難しいがんとして知られる。手術の質を左右する“断端評価”をリアルタイム化する試みは、猫の負担を減らしながら治療成績を高める一歩になりうる。注射部位肉腫はワクチンなどの注射との関連が指摘される病気でもあり、しこりに気づいたら早めに動物病院で相談してほしい。
医療・疾病・予防
5. 🧬 研究・科学
犬の乳がんは「免疫にブレーキをかける」仕組みを持っていた——コーネル大が新マーカーCD109を発見、ヒト乳がん治療にも光
📅 2026.01.22
コーネル大学のKimaya Bakhle氏とAnushka Dongre博士らが「Communications Biology」2026年1月22日付で発表した研究で、自然発生した犬の乳腺がん(乳腺がんはヒトの乳がんとよく似る)が、いかにして体の免疫を抑え込むかを明らかにした。鍵となるのは「上皮間葉可塑性(EMP)」という細胞の性質変化で、がんがこれを乗っ取ると、浸潤・転移・抗がん剤抵抗性に加えて、制御性T細胞やM2型マクロファージを呼び寄せて抗腫瘍免疫を弱めることが、犬の腫瘍で初めて確認された。さらに、細胞表面のタンパク質「CD109」が、犬・マウス・ヒトに共通してこの免疫抑制に関わることを世界で初めて突き止めた。
この免疫抑制の仕組みは乳腺がんだけでなく、口腔扁平上皮癌・尿路上皮癌・肺がんなど複数の犬のがんでも共通してみられたという。犬・マウス・ヒトで保存された“深い”メカニズムであることから、犬でEMP由来の免疫抑制を標的にできれば、免疫療法が効きにくいヒトの乳がん治療にも応用できる可能性がある。人と犬が同じ病気を分かち合い、互いの医療を前進させる「比較腫瘍学」の好例といえる。
研究・科学
6. 🏥 医療・がん治療
犬のがんに「免疫の二重ブロック」——抗CTLA-4+抗PD-1のダブル抗体療法、初の犬で投与開始(Vetigenics「Checkmate K9」)
📅 2026
ペットバイオテック企業Vetigenicsが立ち上げた犬の固形がん向け臨床試験「Checkmate K9」で、ウィスコンシン大学にて初めての犬に投与が行われた。これは2種類の免疫チェックポイント阻害抗体——VGS 001(抗イヌCTLA-4抗体)とVGS 002(抗イヌPD-1抗体)——を併用する「ダブル・チェックポイント阻害」のパイロット試験で、さまざまな固形がんの犬を対象に安全性と初期の有効性を評価する。ヒトの医療では、抗CTLA-4と抗PD-1の併用が単剤より強い抗腫瘍効果を示し、進行黒色腫で5年生存率を高めた実績があり、その知見を犬に応用する試みだ。
複数の獣医腫瘍学者が参加する多施設・オープンラベル試験で、犬のがん治療の権威であるDavid Vail博士が研究責任者を務める。単剤では安全性と一定の効果が確認されている2つの抗体を組み合わせることで、より手強い腫瘍にも対抗できる新たな武器になることが期待される。研究を通じて、犬と人のがん治療の橋渡し(比較腫瘍学)がさらに進む可能性がある。
🔗 https://www.dvm360.com/view/first-dog-receives-combination-immunotherapy-in-new-cancer-trial
医療・疾病・予防
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