🎗️ 犬猫 腫瘍ニュース — 2026.07.01

🎗️ 犬猫 腫瘍ニュース — 2026.07.01

犬猫の腫瘍・がん関連ニュース&論文 計6件


🎗️ 腫瘍・がん関連ニュース — 2026.07.01

本日 6件


1. 🧬 研究・科学

犬の骨肉腫が小児がん克服のカギに——タフツ大が1500万ドルの国際連合に参画、犬とヒトの治療を同時に前進

📅 2026.06.04

米タフツ大学カミングス獣医学部の比較腫瘍学者2名(Cheryl London博士、Heather Gardner博士)が、Break Through Cancer財団の「Defying Osteosarcoma TeamLab」に参画した。患者主導の財団から1500万ドルの出資を受け、8つの主要研究機関から20名超の研究者が結集する多年度プロジェクトで、両博士は飼い犬の骨肉腫(osteosarcoma、悪性度の高い原発性骨腫瘍)を対象とした新規治療の臨床試験を担当する。骨肉腫は米国で年間2万5000頭超の犬に発生する一方、ヒトでは小児・若年者を中心に年間1000人未満で、犬の症例数の多さと進行の速さ(多くは1〜2年で肺転移)が研究を加速させる。タフツチームは最初の4年間で4〜6件の犬向け臨床試験を計画し、リキッドバイオプシー(血中の循環腫瘍DNA解析)やゲノム解析データをヒトの小児試験へ橋渡しする。

骨肉腫の標準治療はこの40年間ほとんど進歩しておらず、強力な化学療法と外科手術という構図が続いてきた。犬は免疫系が正常な「自然発生がんモデル」としてマウスより優れ、犬で得た知見が2030年までに少なくとも2件の小児試験設計に直接反映される見込みだ。骨肉腫が疑われる愛犬(特にゴールデン・レトリーバーやグレート・デーンなど大型犬)で、足を引きずる・特定部位の腫れや痛みがある場合は、早期にかかりつけ医や腫瘍科専門医へ相談を。臨床試験への参加は獣医師を通じて検討できる。

🔗 https://www.myvetcandy.com/news/2026/6/4/tufts-veterinarians-just-joined-a-15-million-push-to-finally-beat-osteosarcoma-dogs-are-central-to-why-it-could-work

🧬 研究・科学


2. 💊 医療・がん治療

犬で実証された骨肉腫ワクチン「OST-HER2」、ヒトの転移性骨肉腫でFDA承認審査へ

📅 2026.02.06

OS Therapies社は、肺転移を完全切除した骨肉腫患者の再発予防・遅延を目的とするOST-HER2(OST31-164)について、米FDAへのローリング方式の生物学的製剤承認申請(BLA)を開始した。OST-HER2はHER2を発現するがん細胞に対し免疫反応を誘導する、遺伝子改変リステリア菌を用いた免疫療法で、犬の骨肉腫ではすでにUSDA(米農務省)の条件付き承認を受けている。ヒト第2b相試験(評価可能例36例)では2年全生存率75%(歴史的対照40%、P<0.0001)を達成し、12カ月の無イベント生存を達成した患者では2年全生存率100%という結果だった。臨床モジュールは2026年3月末までに提出予定で、FDAの判断は2026年9月30日までに見込まれている。

本件は「比較腫瘍学(comparative oncology)」の成功例として注目される。FDAは犬の骨肉腫試験とヒト第2b相試験を横断するバイオマーカーデータの審査に関心を示し、Type D会議が予定されている。犬の骨肉腫はヒトと分子レベルで酷似しており、犬での実証がヒトの希少がん治療を後押しする構図だ。愛犬が骨肉腫と診断された飼い主は、HER2標的免疫療法を含む最新の選択肢について腫瘍科専門医に相談を。

🔗 https://www.onclive.com/view/rolling-fda-bla-submission-for-ost-her2-begins-for-fully-resected-pulmonary-metastatic-osteosarcoma

💊 医療・がん治療


3. 🏥 医療・がん治療

国産「イヌ化抗PD-1抗体」が犬の口腔メラノーマで持続的な抗腫瘍効果——150頭の多施設試験

📅 2026.01.22

山口大学の井頸将哉氏・水野拓也教授らと日本全薬工業などの研究グループが、進行した犬の口腔内悪性黒色腫(oral malignant melanoma:口腔メラノーマ)150頭を対象に、イヌ化抗イヌPD-1モノクローナル抗体「ca-4F12-E6」の安全性と有効性を評価する多施設前向き臨床試験を実施し、結果をJournal for Immunotherapy of Cancer誌(2026年1月22日付)に発表した。3mg/kgを2週ごとに静脈投与した結果、奏効率は14.7%、最良奏効率は16.7%で、治療関連有害事象は40.0%(多くはグレード1〜3)だった。さらに、ベースラインの白血球数・好中球数・CRP上昇は予後不良と関連し、マイクロサテライト不安定性(MSI)が高い腫瘍では全生存期間が有意に延長した(p=0.0168)。

口腔メラノーマは犬で非常に侵襲性が高く、確実な完全寛解が得られる治療は限られてきた。免疫チェックポイント阻害薬で一部の犬に持続的な腫瘍制御が可能であることが裏付けられ、炎症マーカーやMSI状態が「効きやすい個体」を見極める予測バイオマーカーになりうる点が臨床的に重要だ。愛犬の口の中にしこり・出血・口臭・よだれの増加などがある場合は早期受診を。免疫療法の適応は腫瘍科専門医と相談を。

🔗 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41571458/

🏥 医療・がん治療


4. 🐱 研究・科学

猫の乳がんをオルガノイドで再現、人のがんと共通する進行経路LMTK3/FADS2を発見——東京農工大

📅 2025.11.27

東京農工大学(山本晴氏、臼井達哉准教授、佐々木一昭教授ら)が、山口大学・北里大学との共同研究で、乳がんに罹患した猫の腫瘍組織から3次元オルガノイドの作出に成功し、Scientific Reports誌(2025年11月22日付)に発表した。猫の乳がん(FBC:feline breast cancer)は約90%が悪性で再発率は約80〜90%と非常に難治性だが、研究チームは32症例のFBCオルガノイドの作製に成功。各患者由来のオルガノイドは抗がん剤に対し個体ごとに異なる感受性を示し、薬剤感受性評価ツールとして有用であることが示された。RNAシークエンスにより、LMTK3/FADS2経路が細胞増殖・浸潤・アポトーシスを介してFBCの進行に重要な役割を果たすことが判明した。

注目すべきは、このLMTK3/FADS2経路がヒトの乳がん細胞株やヒト乳がんオルガノイドでも同様に機能し、乳がんの進行と相関していた点だ。猫と人の乳がんは類似性が多く、本モデルは新規治療標的の探索と動物・ヒト間のトランスレーショナル研究の両面で期待される。猫の乳腺のしこりは悪性の可能性が高く、避妊手術未実施の高齢猫では特に注意が必要。早期発見・早期の外科切除が予後を左右するため、定期的な触診とかかりつけ医での確認を。

🔗 https://www.tuat.ac.jp/english/outline/disclosure/pressrelease/2025/20251127_01.html

🐱 研究・科学


5. 🏥 医療・がん治療

フリント動物がんセンターが最新放射線治療装置「Varian Edge」を導入——犬猫に高精度・短時間照射

📅 2026.04.22

米コロラド州立大学フリント動物がんセンター(FACC)が、最新型のリニアアクセラレータ(直線加速器)「Varian Edge」を導入し、2026年4月20日から治療を開始した。第1号患者は鼻腔腫瘍と闘う7歳のゴールデン・レトリーバー「Cricket」で、通常分割照射18回の治療計画が組まれた。本装置は周囲の正常組織への影響を抑えながら高精度に放射線を照射でき、麻酔・治療時間の短縮、画像誘導・治療計画能力の向上を実現する。放射線腫瘍科のTiffany Martin科長は「精度・速度・適応性において獣医放射線腫瘍学の変革的な前進」と述べている。

放射線治療は鼻腔腫瘍・脳腫瘍・骨肉腫など外科切除が難しい腫瘍で重要な選択肢となる。高精度な定位放射線治療(SBRT/SRT)は近年、大学病院以外にも普及が進み、地理的な制約が緩和されつつある。愛犬・愛猫が手術困難な部位の腫瘍と診断された場合、放射線治療の適応について腫瘍科専門医に相談する価値がある。本装置は腫瘍生物学や放射線と他療法の併用研究にも活用され、比較腫瘍学を通じてヒトのがん治療にも還元される見込みだ。

🔗 https://www.csuanimalcancercenter.org/2026/04/22/radiation-oncology-upgrade/

🏥 医療・がん治療


6. 🧬 研究・科学

犬猫の固形腫瘍に「がんオルガノイド検査」で個別化治療——東大が臨床試験を開始

📅 2025.06.01

東京大学大学院農学生命科学研究科 附属動物医療センターが、犬と猫の固形腫瘍に対し、症例ごとに有効な分子標的薬を特定して個別化治療(プレシジョン・オンコロジー)を行うための「がんオルガノイドスクリーニング検査」を開発し、その有効性と安全性を検証する臨床試験を開始した。本試験は2025年6月に同センターの臨床試験委員会で承認された。この検査では、生検や外科手術で採取した腫瘍組織から3次元のオルガノイド(患者由来のミニ腫瘍)を培養し、効果が期待できる候補となる分子標的薬を選び出したうえで実際に投与し、その効き目と安全性を確かめる。

従来のがん治療は「同じ診断名なら同じ薬」が基本だったが、実際には同じ腫瘍でも個体ごとに薬の効きやすさが大きく異なる。オルガノイドを使えば投与前に「この子に効く薬」を予測でき、無効な薬による副作用や時間のロスを減らせる可能性がある。同様の手法は他大学でも犬の移行上皮癌・前立腺癌・肺癌・アポクリン腺癌などで報告されており、日本発の個別化がん医療が着実に広がりつつある。愛犬・愛猫が固形腫瘍と診断され標準治療で効果が乏しい場合、こうした先進的検査・臨床試験の適応について腫瘍科専門医や大学病院に相談する価値がある。

🔗 https://www.vm.a.u-tokyo.ac.jp/vmc/research/index.html

🧬 研究・科学


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