🐾🐱 犬猫ニュース — 2026.07.02
犬4 + 猫2 = 計6件
🐾 犬ニュース — 2026.07.02
本日 4件
1. 🏥 医療・疾病・予防
「留守番」と「花火」を1剤で──犬の分離不安+雷・花火恐怖に効く初の飲み薬をFDAが承認(Tessie/タシピミジン)
📅 2026.06.04
米食品医薬品局(FDA)が、犬の「分離不安」と「騒音恐怖(雷・花火など)」の両方に適応をもつ初めての内服薬 Tessie(タシピミジン経口液)を承認した。タシピミジンはα2アドレナリン受容体作動薬で、脳内の受容体に働きかけて、恐怖・パニック時に過剰になる交感神経(闘争・逃走反応)の活動を鎮める。分離不安をもつ犬の最大4割が雷や花火への恐怖も併発するとされ、これまで別々に対処されがちだったこの2つを1剤でカバーできる点が新しい。投与は、花火などの刺激が始まる約1時間前、あるいは犬を留守番させる約1時間前に経口で与える。報告された副作用は嘔吐・下痢・元気消失、そして鎮静に伴う一過性の活動低下や軽い運動失調などだった。
行動療法(環境整備や段階的な馴致)が引き続き治療の土台であることに変わりはないが、症状が重く生活の質が下がっている犬にとっては、薬で恐怖のピークを抑えながら訓練を進められる選択肢が増えた意義は大きい。花火シーズンや引っ越し・生活環境の変化で不安が強く出る愛犬には、投薬の適否やタイミングを含めてかかりつけの獣医師に相談してほしい。
2. 🏥 医療・疾病・予防
1.9mmの極細カメラで「あごの関節」をのぞく──UC Davisが犬の顎関節ナノ関節鏡を世界で初めて臨床導入
📅 2026.06.15
カリフォルニア大学デービス校(UC Davis)の付属動物病院が、犬の顎関節(TMJ)に「ナノ関節鏡」を世界で初めて臨床応用し、あごの関節疾患の診断における新たな標準手技として採用した。顎関節の障害は口の痛みを引き起こし、食べる・飲む・鳴くといった基本動作を妨げて生活の質を大きく下げるが、従来はCTやPETに頼るしかなく、関節の軟骨表面や滑膜そのものを直接見たり生検したりはできなかった。今回使われた関節鏡はわずか1.9mmで、あごの小さな切開から挿入して関節内部をリアルタイムに観察し、組織のサンプル採取まで行える。これまでに実施された4例すべてで意味のある所見が得られ、「これまで犬で存在が知られていなかった免疫介在性の顎関節炎」を新たに発見したという。
チームを率いた歯科口腔外科のBoaz Arzi獣医師は、ヒトの口腔外科医が長年使ってきた技術を獣医領域へ橋渡しし、研究成果を Frontiers in Veterinary Science に報告した。現時点の用途は診断だが、ヒト医療ではすでに損傷した関節円板の修復など「治療」にも使われており、将来は犬猫の治療応用も期待される。ただし現行スコープは中〜大型犬向けで、猫や小型犬に使える極細スコープはまだ存在しない点は今後の課題だ。愛犬が硬いものを噛みたがらない、口を開けづらそう、あごを痛がるといった様子があれば、顎関節の異常も念頭に専門的な検査ができる施設に相談する価値がある。
🔗 https://www.dvm360.com/view/new-micro-scoping-technique-transforms-jaw-disorder-diagnosis-in-dogs
3. 🥩 栄養・食事・サプリ
犬に「植物性(ヴィーガン)食」を3か月──61頭の血液を精密解析、大きな差はわずかも分岐鎖アミノ酸の低下に注目
📅 2026.06.09
カナダの複数大学の研究チームが、健康な成犬61頭を「動物性(肉ベース)食」と「植物性(ヴィーガン)食」に分けて3か月間与え、血清中のアミノ酸・一炭素代謝物・脂肪酸を比較した結果を Frontiers in Veterinary Science に発表した。近年、環境負荷や倫理面から植物性ドッグフードへの関心が高まる一方、犬の代謝への影響を血液指標で丁寧に追った研究は限られていた。今回の解析では、多くの項目で両群の差は小さかったものの、植物性食の犬でロイシン・イソロイシン・バリンといった「分岐鎖アミノ酸(BCAA)」の血中濃度が低下する傾向がはっきり見られた。研究者はこの低下について明確な説明がつかず、さらなる検証が必要だとしている。
BCAAは筋肉の維持やエネルギー代謝に関わる重要なアミノ酸で、長期的にどんな意味をもつのかはまだ分からない。「植物性食が短期的に大きな代謝異常を起こすわけではない」という安心材料と、「未解明の変化があり油断はできない」という注意点の両方を示した研究といえる。愛犬にヴィーガン食や手作りの植物性食を検討する場合は、必須アミノ酸やビタミン・ミネラルが過不足なく満たされる設計かどうかが要で、自己流ではなく獣医師や獣医栄養の専門家と相談しながら進めてほしい。
🔗 https://www.frontiersin.org/journals/veterinary-science/articles/10.3389/fvets.2025.1706965/full
4. 🐕 犬学
「小さい犬」は縮むのではなく“形が変わる”──852頭のCTが明かした矮小化と頭蓋の丸み、そして脊髄空洞症のリスク
📅 2026.05.22
コーネル大学の研究チームが、頭部CTを撮影した852頭(頭蓋の既知疾患がない犬)を解析し、犬は体が小さくなるとき「単純に相似形で縮む」のではなく、頭蓋の“形そのもの”が変わることを明らかにした(Veterinary Radiology & Ultrasound誌)。体が小型化すると、脳を収めるドーム(頭蓋冠)が風船のように膨らみ、頭が丸くなる「アロメトリック(不等比)スケーリング」が起きるという。研究では、鼻の長短にかかわらず「頭蓋指数(頭の丸さの指標)が高く、体重が約44ポンド(約20kg)未満」の犬種で、脊髄空洞症になりやすい傾向が確認された。キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルはその代表例だ。
「小型犬だから頭が丸いのは当たり前」と見過ごされがちな頭の形を、客観的な数値で捉え直した点にこの研究の価値がある。頭蓋の丸みは見た目の愛らしさと結びつく一方で、脳や脊髄の空間的な余裕に影響し、痛みや神経症状につながる病気の素因にもなりうる。小型・短頭種の子犬を迎える際は、その犬種がもつ体質的なリスク(脊髄空洞症など)も知っておくと、初期のサイン(首まわりをかゆがる、抱き上げると痛がる等)に早く気づける。気になる症状があれば神経科の診療ができる施設に相談を。
🔗 https://news.cornell.edu/stories/2026/06/it-skull-deformity-or-just-tiny-dog
💡 今日のワンポイント
花火や雷が増えるこの季節、留守番や騒音でパニックになる犬には「叱る・なだめすぎる」より、安心できる隠れ場所づくりと段階的な馴致が基本。それでも強い恐怖が続くなら、新しく承認された薬など医療的な選択肢もあります。我慢比べにせず、早めに獣医師へ相談してください。
🐱 猫ニュース — 2026.07.02
本日 2件
1. 🏥 医療・疾病・予防
かつて「ほぼ致死」だったFIPが“治せる病気”に──欧州ABCDが2026年の新ガイドラインを公表、治療成功率84.6%
📅 2026.04.09
猫伝染性腹膜炎(FIP)は、つい数年前まで診断されればほぼ助からない病気だったが、抗ウイルス薬の登場で「治療可能で、しばしば治癒する病気」へと大きく様変わりした。欧州猫疾病アドバイザリーボード(ABCD)は2026年4月9日、最新の研究を反映した治療ガイドラインを学術誌 Viruses に公表。GS-441524、レムデシビル、モルヌピラビル(EIDD-2801)とその活性代謝物といった選択肢を整理し、投与量や治療期間の考え方を示した。集計された治療成功率は全体で84.6%に達し、GS-441524を他の抗ウイルス薬と併用した場合に成績が良く、ウェットタイプ(滲出型)や神経症状を伴う症例では低くなる傾向が示された。最適だった用量はFIPの型・重症度・神経/眼症状の有無に応じて1日1回5〜10mg/kg(相当の皮下投与)とされる。
以前より治療期間を短縮できる可能性にも言及され、飼い主の負担軽減につながる点も注目される。ただし日本では薬剤の入手経路や品質の問題、神経・眼型での用量調整など、専門的な判断が欠かせない領域であることに変わりはない。愛猫に発熱が続く、お腹が膨れる、元気・食欲が落ちる、黄疸や神経症状が出るといったサインがあれば、FIPも念頭に置いて早めに猫の診療に詳しい獣医師へ相談してほしい。
🔗 https://www.avma.org/news/new-fip-guidelines-highlight-available-antivirals-shorter-treatment-course
2. 🐱 猫学
猫は「好奇心のかたまり」ではなかった?──英サセックス大の“手品”実験、猫は意外にも「予想どおり」を好む
📅 2025.09.20
「猫は好奇心旺盛」という通説に、英サセックス大学の研究が意外な一石を投じた。研究チームは手品(スリー・オブ・ハンド)に着想を得た実験を設計。2つの箱の一方におもちゃを入れて見せ、いったん覆い隠して箱を動かし、入れ替えたり元に戻したりしたうえで、おもちゃを「予想どおりの場所」または「予想外の場所」から出現させ、猫がどれだけ長く注視するかを測った。すると猫は、おもちゃが元の(予想どおりの)場所に現れたときの方がよく遊び、長く見つめた。これは、期待に反する“ありえない”出来事を長く見つめる犬・一部の類人猿・ヒトの乳児とは正反対の反応だった。
つまり猫は「期待どおり/期待外れ」を区別する認知能力はもっているが、その関心の向きが他種と逆で、むしろ予測可能性を好む可能性が示された。さらに、メス・完全室内飼い・雑種・多頭飼育の家の猫ほどおもちゃに強い関心を示すなど、性別や飼育環境が行動に影響することも分かった。狩りをする動物だからこそ「不確実さ」より「見通しの立つ環境」を好むのかもしれない。模様替えや新入り、来客などで生活が急に変わると猫がストレスを感じやすいのも、この“予測可能性を好む”性質と地続きだと考えると腑に落ちる。
🔗 https://www.sussex.ac.uk/broadcast/read/68547
💡 今日のワンポイント
猫は「予想どおりの毎日」に安心する動物。ごはんやトイレ掃除の時間、寝床の位置をできるだけ一定に保つだけでもストレスは減ります。そして万一FIPを疑う症状が出ても、今は治せる時代。あきらめず、早めに専門的な診療へ。
毎朝7時配信

コメントをどうぞ