📚 犬猫 研究論文 — 2026.07.03

Blue-eyed merle puppy relaxing in lush green grass.

📚 犬猫 研究論文 — 2026.07.03

注目論文 3件



1. 🩺 獣医学・栄養学

生肉食(RMBD)の犬は肥満が少ないがミネラル不足のリスク ― 健康な犬104頭を比較

📅 2026.02.06

ドイツ・ライプツィヒ大学のチームが、12か月以上にわたり生肉主体食(RMBD)を与えられてきた健康な犬51頭と、市販総合栄養食(CD)を与えられてきた53頭(計104頭)を対象に、3〜5か月間隔で2回の臨床評価を行い、血液・尿・糞便を分析した。その結果、RMBD群のボディコンディションスコア(BCS)中央値は5(IQR 4-5)とCD群の6(IQR 5-7)より有意に低く、より引き締まった体型だった(P<0.001)。一方でRMBD食はカルシウム:リン比の中央値が1.0と推奨値1.4を下回り、血中のヨウ素・銅・亜鉛・マンガン濃度もCD群より有意に低かった。CD食では逆にCa・P・ナトリウムが推奨量の2倍以上に達していた。

RMBDは肥満予防の面で利点がある可能性が示された一方、微量ミネラルの不足という栄養バランスの偏りが浮き彫りになった。ただし、いずれの犬にも欠乏の臨床症状は認められなかった。手作り・生食を実践する飼い主は、体型維持のメリットだけでなく、Ca:Pバランスや微量元素の補給に注意し、栄養設計を獣医師や動物栄養士に相談することが望まれる。市販フードでもミネラル過剰に留意したい。

📖 BMC Veterinary Research, 2026, 22(1):127

🔗 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41652624/

🩺 獣医学・栄養学


2. 🧠 行動・認知科学

補助犬の「向き不向き」を行動から読み解く ― 1760頭のデータで職種適性を解析

📅 2026.05.08

米ミネソタ大学のチームが、国際使役犬登録(IWDR)に登録された北米6団体の補助犬データを解析した。52項目の標準行動評価(BCL)を用い、訓練を修了した成功犬678頭と途中リリースされた1,082頭(計1,760頭)を比較。全体の成功率は47.5%だった。犬は「アラート型」(盲導・聴導・医療アラートなど、必要をパートナーより先に察知する犬)と「レスポンス型」(介助・自閉症支援・PTSD支援など指示に応じて動く犬)に分類され、レスポンス型が76%を占めた。解析の結果、「落ち着けなさ」が1段階悪化するとレスポンス型である確率が58.7%上がるなど、職種と結びつく行動特性が子犬期の評価段階から確認された。

行動評価によって、子犬の段階で適性のある職種へ振り分けられれば、成功率の向上と犬の福祉改善の両立が期待できる。論文は、1頭の育成に約2年・3〜5万ドルを要すること、成功率が10%上がれば年間約45万ドルの節約になることを指摘する。一般の飼い主にとっても、犬の気質(落ち着き・興奮しやすさ・見知らぬ人への反応)を早期に見極め、その子に合った役割や環境を与えることが、犬と人双方の幸福につながるという示唆となる。

📖 Frontiers in Veterinary Science, 2026, 13:1777631

🔗 https://www.frontiersin.org/journals/veterinary-science/articles/10.3389/fvets.2026.1777631/full

🧠 行動・認知科学


3. 🩺 獣医学・栄養学

猫はなぜ「猫草」を食べる? 味覚センサーで解明 ― イネ科の「うま味」が鍵か(J-STAGE)

📅 2026.04.10

日本獣医生命科学大学の岩﨑永治・森昭博の両氏が、猫がイネ科植物(いわゆる猫草)を食べる理由を探るため、味覚センサー(味覚分析システム)を植物に応用する手法を確立した。イネ科・マメ科を含む牧草・野菜・果実・毒性植物など15科39種の植物各100gを、粉砕したキャットフードと純水とともに攪拌・遠心分離し、水層部を分析。各味覚の測定誤差率はすべて50%未満で評価可能と判断した。主成分分析では先味の「うま味」が他の味覚と異なる特徴を示し、階層クラスター分析の結果、イネ科植物は酸味・苦味が比較的少なく、うま味と塩味を持つという味覚的特徴が明らかになった。

イネ科特有の高い「うま味」が猫にとって魅力的であり、それが猫がイネ科植物を受け入れる理由の一つではないか、という仮説が立てられた。従来「毛玉の排出」や「消化促進」などで語られてきた猫草嗜好に、味覚という新たな視点を加える研究である。飼い主にとっては、愛猫が猫草を好むのは味の好みも関係している可能性を示唆する。なお毒性植物との誤食には引き続き注意が必要で、市販の安全な猫草を選ぶのが安心だ。

📖 ペット栄養学会誌, 2026, 29(1):1-14

🔗 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jpan/29/1/29_1/_article/-char/ja

🩺 獣医学・栄養学


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