🐾🐱 犬猫ニュース — 2026.07.08
犬4 + 猫2 = 計6件
🐾 犬ニュース — 2026.07.08
本日 4件
1. 🐕 犬学
1万1000年前の頭骨が語る「犬の多様化」——短頭・長頭のばらつきは、ビクトリア朝の品種改良のはるか前から始まっていた(Science/英エクセター大・仏CNRS)
📅 2026.01.06
英エクセター大学とフランスCNRSを中心に40以上の機関が参加した国際チームが、更新世から現代までのおよそ5万年分・643個の犬とオオカミの頭骨を3Dモデル化し、幾何学的形態計測で「かたち」の変化を精密に追跡した研究をScience誌に発表した。最も古い確実な家畜犬はロシア中石器時代のベレチエ遺跡(約1万1000年前)のもので、頭骨サイズの縮小は約9700〜8700年前から、かたちのばらつきの拡大は約8200年前から検出され始めた。新石器時代にはすでに、犬の多様性は更新世の標本の2倍、現代の犬に見られる幅の半分に達していたという。これは「犬の多様性の大半は19世紀の犬種クラブ以降の選抜育種の産物」という従来の通説を覆す発見だ。
一方で、後期更新世の「原始犬(プロト・ドッグ)」候補には家畜化の特徴が確認できず、家畜化のごく初期の姿はいまだ化石記録の中に隠れたままだとも指摘された。研究者は「犬の多様性はビクトリア朝のブリーダーの産物ではなく、人間社会と数千年にわたって共進化してきた遺産だ」と述べている。狩猟・牧畜・番犬・伴侶といった役割の広がりが、早い段階から犬のかたちを多様にしてきたと考えられる。愛犬の「犬種らしさ」の源流が、想像よりずっと古い人と犬の暮らしの中にあることを教えてくれる研究だ。
🔗 https://www.sciencedaily.com/releases/2026/01/260106001920.htm
2. 🏥 医療・疾病・予防
犬の「寿命を延ばす薬」LOY-002、FDA審査が前進——安全性データが受理され、史上最大の獣医臨床試験「STAY」でデータ収集中
📅 2026.01
米バイオ企業Loyalが開発する高齢犬向けの健康寿命延長薬「LOY-002」について、2026年1月、FDA(米食品医薬品局)の動物医薬品センターが「標的動物安全性(TAS)」の技術セクションを受理したと発表された。これは有効性の合理的期待(RXE)に続く2つ目の技術セクションの通過で、寿命延長を目的とした薬で安全性パートが受理されたのは初めてとされる。LOY-002は加齢に伴う代謝機能の低下を標的とし、10歳以上・体重約6.4kg(14ポンド)以上の犬を対象とするビーフ味の錠剤だ。有効性と実地安全性を確かめる大規模試験「STAY」は、全米約70の動物病院で1000頭規模の犬を4年かけて追跡する、獣医療史上最大かつFDAと事前合意した初の長寿命化臨床試験である。
Loyalは飼い主による生活の質(QOL)評価も指標に組み込み、「ただ長生きするのではなく、最期まで元気に過ごせるか」を重視している。条件付き承認が下りれば、あらゆる種を通じて世界初の「長寿薬」となる可能性があり、早ければ2026年後半から2027年の実用化が見込まれている。ただしこれはあくまで開発途上の薬であり、現時点で市販されているわけではない。愛犬の老化対策としては、まず定期健診・適正体重・運動・歯のケアといった「今できること」を続けつつ、こうした新薬の動向をかかりつけ獣医師と一緒に見守るのがよいだろう。
🔗 https://www.dvm360.com/view/second-drug-for-canine-healthy-lifespan-extension-receives-fda-support
3. 🏋️ トレーニング・行動科学
犬は「意思伝達ボタン」で言葉を意図的に組み合わせていた——152頭・26万回の押下を解析、偶然でも真似でもない「2語のつなぎ」(UCサンディエゴ校)
📅 2024.11
米カリフォルニア大学サンディエゴ校の比較認知研究室が、録音ボタン(サウンドボード)で「話す」訓練を受けた犬152頭を21カ月にわたり観察し、26万回を超えるボタン押下(うち約19万5000回は犬自身によるもの)をScientific Reports誌で解析した。専用アプリ「FluentPet」で飼い主が記録したデータをコンピュータシミュレーションと統計解析で検証したところ、犬による2語の組み合わせは偶然の連打でも飼い主の模倣でもなく、統計的に有意な「意図的なパターン」で現れていた。たとえば「外」+「トイレ」のように、要求を伝える組み合わせが偶然を超える頻度で観察されたという。一方で「大好き」のようなボタンは飼い主より犬が押す頻度がずっと低く、単なる真似ではないことも裏づけられた。
これは犬が人間のような文法や言語を操るという意味ではないが、少なくとも「複数の記号を目的をもって並べる」能力を持つ可能性を示す興味深い結果だ。自宅でボタン訓練を試す場合は、日常のやりとりの中で飼い主自身がボタンを押して見せる「モデリング」を根気よく続けることがカギになる。うまく反応しなくても叱らず、犬のペースを尊重して楽しく取り組むことが大切だ。愛犬が何を「言おう」としているのか、その手がかりを探る新しい遊びとして取り入れてみてはいかがだろうか。
🔗 https://www.nature.com/articles/s41598-024-79517-6
4. 🏥 医療・疾病・予防
犬の関節炎注射「リブレラ(ベジンベトマブ)」に安全性情報が追加——「急速進行性の関節症(RPOA)」や免疫介在性多発関節炎に注意を、と規制当局
📅 2026.01
犬の変形性関節症(OA)の痛みを抑えるモノクローナル抗体注射「リブレラ(有効成分ベジンベトマブ)」について、規制当局が2026年1月、製品情報に「免疫介在性多発関節炎」「不全麻痺・麻痺」といった有害事象を追記し、関節そのものが急速に悪化する「急速進行性関節症(RPOA)」への注意を促した。リブレラは神経成長因子(NGF)を標的とする世界初のクラスの鎮痛薬で、臨床試験では約8割の犬に意味のある改善がみられ、腎臓や肝臓への負担が少ない点が高齢犬にとって大きな利点とされてきた。しかし人の抗NGF薬でも報告されてきたRPOAが、犬でも起こりうる懸念として改めて焦点になっている。今回の措置は薬の有効性を否定するものではなく、より安全に使うための情報整備という位置づけだ。
リブレラは多くの犬にとって関節痛のつらさを和らげる有力な選択肢であり続けるが、投与後に急に足を引きずる・立てなくなる・関節の腫れが悪化するといった変化が出た場合は、早めにかかりつけ獣医師へ相談してほしい。開始前後にレントゲンで関節の状態を確認し、投与中も定期的に経過を診てもらうと安心だ。自己判断で中止・継続を決めず、痛みの程度や活動量の変化を飼い主が記録して獣医師と共有することが、最適な痛み管理につながる。どんな薬にもメリットとリスクがあることを踏まえ、愛犬に合った選択を主治医と一緒に考えていきたい。
💡 今日のワンポイント(犬)
今日は「犬の過去と未来」がそろいました。1万1000年前から人と共に多様化してきた犬たちに、いまや寿命そのものを延ばす薬の開発が現実味を帯びています。新しい薬やケアは心強い一方、効果とリスクの両面を知り、かかりつけ獣医師と相談しながら愛犬に合った選択をしていくことが何より大切です。
🐱 猫ニュース — 2026.07.08
本日 2件
1. 🚨 リコール・安全情報
「Quest(クエスト)」猫用フード、ビタミンB1(チアミン)が極端に不足——FDAが警告、生食・フリーズドライは“完全食表示でも欠乏死”のリスクに注意
📅 2026.03.13
米FDA(食品医薬品局)は、Steve's Real Food社(Go Raw LLC)の「Quest Cat Food」8ロットを検査したところ、いずれも猫に必須のチアミン(ビタミンB1)が極端に低い、または全く検出されなかったと警告した。AAFCO基準ではキャットフードのチアミン最低量は5.6mg/kgだが、検査ロットは0〜15%程度しかなく、「全ライフステージ対応の総合栄養食」と表示されていても実際には欠乏を招く状態だった。猫は犬の約4倍のチアミンを必要とし、欠乏すると食欲不振・嘔吐から始まり、首が下がって持ち上げられない「頸部腹屈」、ふらつき、けいれん、旋回などに進み、放置すれば死に至る。FDAは8ロットの回収を勧告したが、メーカーは3ロットしか回収しておらず、残りが市場に残る懸念があるとしている。
Quest は米国のブランドで日本の店頭流通は一般的ではないが、生食・フリーズドライの猫用フードを個人輸入・通販で与えている場合は成分表示とロット番号を必ず確認してほしい。症状は早ければ1週間、遅いと数カ月で現れることがあり、早期に気づいて食事を変えれば回復するケースが多い。もし猫にふらつき・首下がり・けいれんなどが出たら、すぐに給餌をやめてかかりつけ獣医師を受診すること。加熱を経ない生食・フリーズドライはチアミンが壊れやすい・不足しやすいという一般的リスクもあるため、こうしたフードを主食にする場合は栄養バランスを獣医師と相談しながら選ぶのが安心だ。
2. 🏥 医療・疾病・予防
猫の慢性腎臓病、「早い段階から療法食」で進行を抑え生存が延びる——早期(IRISステージ1〜2)1430頭を解析(JAVMA 2026)
📅 2026.01
高齢猫の死因として最も多い慢性腎臓病(CKD)について、まだ症状の軽い早期(IRISステージ1〜2)から腎臓療法食に切り替えることの効果を、米国獣医師会誌(JAVMA)の2026年の大規模後ろ向き研究が示した。早期CKDの猫1430頭を対象に、腎臓療法食を与えた群と一般食で管理した群を比較したところ、療法食群では病気の進行が抑えられ、生存期間も延びていた。従来、腎臓療法食は進行した段階(ステージ3以降)で始めるのが一般的だったが、「もっと早く始めた方が予後が良い」可能性を裏づける結果だ。リンやたんぱく質を調整し、オメガ3脂肪酸などを加えた療法食が、腎臓への負担を早くから減らすと考えられる。
CKDは初期には症状がほとんど出ず、気づいたときには進行していることが多い。だからこそ、シニア猫(おおむね7歳以降)は年1〜2回の血液・尿検査で腎臓の値をチェックし、早期発見につなげることが大切だ。もし早期CKDと診断されたら、この研究をふまえて「早めの療法食導入」を主治医と相談する価値がある。ただし療法食は嗜好性や他の持病との兼ね合いもあるため、切り替えは必ず獣医師の指導のもとで、猫が無理なく食べられる形で進めてほしい。水をよく飲める環境づくりも、腎臓を守る日々のケアとして有効だ。
💡 今日のワンポイント(猫)
猫の健康は「食事」と切っても切れません。総合栄養食の表示があっても、まれに栄養が不足していることがあり、とくに生食・フリーズドライは注意が必要です。一方で、腎臓病のように“正しい療法食を早く始める”ことが寿命を延ばす病気もあります。フード選びと定期健診を、かかりつけ獣医師と一緒に見直してみましょう。
毎朝7時配信

コメントをどうぞ