🎗️ 犬猫 腫瘍ニュース — 2026.07.09

🎗️ 犬猫 腫瘍ニュース — 2026.07.09

犬猫の腫瘍・がん関連ニュース&論文 計6件


🎗️ 腫瘍・がん関連ニュース — 2026.07.09

本日 6件


🏥 医療・がん治療

手術せず「注射」で皮膚のがんを溶かす——犬の肥満細胞腫に対するステルフォンタ(チゲラノール・チグレート)の実力

📅 2025

犬に最も多い皮膚のがんのひとつ「肥満細胞腫」に対し、外科手術に代わる選択肢として注目されているのが、腫瘍内に直接注射する薬「ステルフォンタ(一般名チゲラノール・チグレート)」だ。1回の投与で28日までに75%の症例が完全奏効(腫瘍消失)に至り、84日時点で93%が再発しなかったと報告されている。米国では2020年11月にFDAが承認済みで、転移のない皮膚および四肢下部の皮下肥満細胞腫が適応。最新の獣医内科学誌(JVIM)の報告では、高グレード(悪性度の高い)腫瘍でも、1回で完全奏効に至らない場合に2回目を投与することで効果が高まる可能性が示された。

手術が難しい部位(顔・肢先など)や、高齢・麻酔リスクの高い犬にとって、切らずに局所を叩ける治療は大きな福音になりうる。ただし投与後は薬の作用で患部が一時的に大きく崩れる(創傷化する)ため、適切な創管理と、まれに起こる肥満細胞脱顆粒反応への前投薬が欠かせない。愛犬の皮膚にしこりを見つけたら、良性・悪性の見極めと治療法の選択について、腫瘍科のある動物病院で相談してほしい。

📖 Journal of Veterinary Internal Medicine

🔗 https://doi.org/10.1111/jvim.17211

🏥 医療・がん治療


💉 医療・がん治療

犬の骨肉腫に「足を切らずに」立ち向かう——HER2免疫療法OST-HER2+緩和放射線で生存延長、査読論文が公表

📅 2026.06

犬に多い悪性骨腫瘍「骨肉腫」で、断脚(足の切断)を避けたい飼い主に向けた新しい一次治療の臨床データが、2026年6月に査読付き論文として公表された。OS Animal Health社が開発するHER2標的免疫療法「OST-HER2」を緩和的放射線治療と併用したところ、生存期間中央値は放射線単独群の124日に対し159日へと延長し、2年生存率でもOST-HER2併用群が有意に上回った。OST-HER2はすでに米農務省(USDA)から条件付き承認を受けており、同社は2026年中にFDAへの生物製剤承認申請(BLA)を目指している。

骨肉腫は痛みが強く進行も速いため、従来は断脚+抗がん剤が標準だった。断脚が体格や併発疾患の面で難しい犬にとって、「肢を温存しながら腫瘍の増大・転移を抑え、生存を延ばす」選択肢が加わる意義は大きい。犬の骨肉腫はヒトの小児骨肉腫とよく似ており、この成果はヒト医療への橋渡し(比較腫瘍学)としても期待されている。愛犬が足を引きずる・特定の部位を痛がるといった様子が続く場合は、早めに整形外科・腫瘍科の受診を。

📖 OS Animal Health(査読付き臨床試験データ)

🔗 https://www.biospace.com/press-releases/os-animal-health-announces-peer-reviewed-publication-of-clinical-trial-data-for-ost-her2-plus-palliative-radiation-as-frontline-treatment-in-canine-osteosarcoma

💉 医療・がん治療


🐱 研究・科学

「猫の乳がん」の見通しを立てやすく——75頭の解析でヒト乳がん式の新しい病期分類を提案

📅 2025.03

猫の乳腺腫瘍は約8〜9割が悪性で、進行が速く予後が厳しいがんとして知られる。イタリアなどのチームは猫75頭の乳腺癌を後ろ向きに解析し、ヒトの乳がんで使われるAJCC病期分類を猫に応用した新しいステージング体系を提案した(Animals誌・2025年3月)。その結果、「潰瘍化(皮膚が破れている)」「腫瘍径3cm超」「リンパ節転移」の3つが生存期間の悪化を強く予測する因子と判明。さらに従来ひとくくりだったステージIIIをIIIA・IIIB・IIICに細分することで、リスクをより正確に見分け、治療方針を立てやすくなった。

猫の乳腺腫瘍は早期発見と早期の外科切除が予後を大きく左右する。避妊手術を早い時期に行うと発生リスクが下がることも知られている。日頃から胸〜お腹のラインをやさしく触ってしこりの有無を確認し、小さなうちに気づくことが何より大切だ。未避妊のメス猫や高齢猫では特に注意し、しこりを見つけたら「様子見」せず動物病院へ。

📖 Animals, 2025, 15(6):779

🔗 https://www.mdpi.com/2076-2615/15/6/779

🐱 研究・科学


🔬 研究・科学

血液で「がんの勢い」を測る——犬の血漿からセルフリーDNAを定量する新検査「OncoCan」

📅 2026

がんの早期発見・経過観察を、採血だけで手軽に行おうという「リキッドバイオプシー(液体生検)」の開発が犬でも進んでいる。2026年に発表された新しい検査「OncoCan」は、犬の血漿中に漏れ出す“セルフリーDNA(cfDNA、細胞外を漂う遊離DNA)”の量を測定し、がんの予後(見通し)評価を支援するものだ。がん細胞が壊れると血中にDNA断片が増えるため、その量を数値化することで、腫瘍の量や勢い、治療への反応をモニタリングできる可能性がある。

すでに実用化されているヌクレオソーム検査(Nu.Q)や次世代シークエンサーで変異を探す検査(OncoK9)とは着眼点が異なり、cfDNAの“量”に注目するのが特徴だ。針を刺す生検が難しい部位のがんや、治療中の経過フォローで、体への負担が少ない検査として期待される。ただし現時点では確定診断の置き換えではなく、あくまで補助的な位置づけ。気になる症状があれば、画像検査や細胞診とあわせて総合的に判断してもらうことが大切だ。

📖 Frontiers in Veterinary Science, 2026

🔗 https://www.frontiersin.org/journals/veterinary-science/articles/10.3389/fvets.2026.1768078/full

🔬 研究・科学


🏥 医療・がん治療

ペットのがんに「ピンポイント放射線」——コロラド州立大がん専門センターが最新リニアック(Varian Edge)を稼働

📅 2026.04.22

犬猫のがん治療で世界をリードするコロラド州立大フリント動物がんセンター(FACC)が、2026年4月20日に最新の放射線治療装置「Varian Edge リニアック」を本格稼働させた。腫瘍だけをピンポイントで狙い、周囲の正常組織へのダメージを抑えながら、高精度・短時間で放射線を照射できるのが特徴で、定位放射線治療(SRS/SBRT)にも対応する。第1号の患者は、鼻腔内腫瘍と闘う7歳のゴールデン・レトリバー「Cricket(クリケット)」だった。

鼻腔内腫瘍や脳腫瘍のように、手術で取りきれない・取りにくい部位のがんでは、放射線治療が痛みの緩和や腫瘍制御の主力になる。高精度な装置は照射回数や麻酔の負担を減らし、通院するペットと家族の負担軽減にもつながる。日本国内でも動物向けの放射線治療を提供する高度医療施設が増えつつある。愛犬・愛猫が手術の難しい部位にがんを指摘された場合は、放射線治療という選択肢についても主治医に尋ねてみるとよい。

📖 Colorado State University Flint Animal Cancer Center

🔗 https://www.csuanimalcancercenter.org/2026/04/22/radiation-oncology-upgrade/

🏥 医療・がん治療


🇯🇵 研究・科学

【日本】下顎の骨肉腫だった猫が「3年間 再発・転移なし」——両側下顎切除+カルボプラチンで長期生存

📅 2025.10.31

日本の臨床現場からの報告。グラン動物病院の獣医師らが、下顎(あご)の前方にできた腫瘍を主訴に来院した3歳の去勢オス猫(雑種)の1例を、日本獣医がん学会雑誌に短報として報告した(2025年10月公開)。腫瘍は病理検査で骨肉腫と診断され、両側の前方下顎切除術(bilateral rostral mandibulectomy)で完全切除を実施。術後はカルボプラチンによる補助化学療法を計6回行った。その結果、術後3年が経過しても再発・転移は認められず、良好な経過をたどっている。

猫の口腔内腫瘍は扁平上皮癌が多く、骨肉腫は比較的まれで、部位的にも治療が難しいことが多い。本症例は、あごの一部を切除するという負担の大きい手術でも、完全切除+適切な補助療法を組み合わせれば長期生存が望めることを示した貴重な国内報告だ。猫の口臭・よだれ・食べにくさ・あごの腫れは、歯の問題だけでなく口腔腫瘍のサインのこともある。「年のせい」と見過ごさず、早めに口の中を診てもらうことが早期発見につながる。

📖 日本獣医がん学会雑誌, 2025, 14(3), 23-26

🔗 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jvcs/14/3/14_2024-007/_article/-char/ja

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