🐾🐱 犬猫ニュース — 2026.07.12
犬4 + 猫2 = 計6件
🐾 犬ニュース — 2026.07.12
本日 4件 | カテゴリ:医療・疾病・予防、栄養・食事・サプリ、研究・科学、トレーニング・行動科学
1. 🏥 医療・疾病・予防
犬の「蒸発性ドライアイ」に涙の“質”で挑む——脂質層の厚みで治療を選び分ける新しいアプローチ(Veterinary Ophthalmology 2026)
📅 2026.06
ドライアイ(乾性角結膜炎)は「涙の量が足りない」病気だと思われがちだが、涙の表面をおおう油(脂質)の層が乱れて水分がどんどん蒸発してしまう「蒸発性ドライアイ(EDED)」というタイプがある。2026年に獣医眼科の専門誌で報告されたコホート研究は、犬のEDEDについて涙液膜の脂質層の厚みを実測し、その厚みに応じて治療を選び分けるという新しい考え方を示した。さらに関連研究では、免疫抑制点眼薬タクロリムスとヒアルロン酸系の潤滑点眼を併用すると、ヒアルロン酸単独よりも涙が目の表面にとどまる時間(涙液膜の安定性)が有意に改善したことも示されている。
目をショボショボさせる、目やにが多い、白目が充血する——こうしたサインは「ただの結膜炎」ではなく、涙の“質”の問題が隠れていることがある。蒸発性タイプは水分を足すだけの点眼では改善しにくく、油層を整える治療の組み合わせが鍵になる。愛犬が慢性的に目の不快感を示す場合は、涙液検査を含めた眼科的な評価を受け、タイプに応じた点眼設計を獣医師(できれば眼科の専門医)に相談してほしい。市販の目薬を自己判断で続けるより、原因の切り分けを先にするのが近道だ。
🔗 https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/vop.70079
2. 🥩 栄養・食事・サプリ
生肉食(RMBD)の犬は「太りにくい」一方で微量ミネラルが不足しがち——血中のヨウ素・銅・亜鉛・マンガンが低下(BMC Vet Res 2026)
📅 2026.06
2026年にBMC Veterinary Researchで報告された研究は、生肉ベースの食事(RMBD)を与えられた犬と、市販の総合栄養食(CD)を与えられた犬を比較した。RMBDの犬は肥満や栄養の偏りが少ないという利点が見られた一方で、血清中のヨウ素(P=0.001)・銅(P=0.005)・亜鉛(P<0.001)・マンガン(P=0.035)の濃度が総合栄養食群より有意に低かった。摂取量の解析でも、鉄・銅・亜鉛・マンガン・ヨウ素がRMBDで有意に少なく、NRC(全米研究評議会)が推奨する銅・亜鉛の1日摂取量を満たしておらず、マンガンとヨウ素にいたっては推奨量の20%未満というレシピもあった。
注目すべきは、これらの犬に明らかな欠乏症状は出ていなかった点だ。つまり「見た目は元気」でも、長期的には甲状腺(ヨウ素)や皮膚・被毛・免疫(亜鉛・銅)に関わる微量栄養素がじわじわ不足しているおそれがある。手作り食や生食を選ぶ場合は、肉と内臓だけでなく、ミネラルや微量元素をきちんと計算に入れたレシピ設計が欠かせない。獣医栄養の専門家に栄養計算を依頼するか、不足しやすい成分を補うサプリメントの利用を、かかりつけ獣医師と相談することを勧めたい。
🔗 https://link.springer.com/article/10.1186/s12917-026-05283-4
3. 🧬 研究・科学
4万7000頭で読み解く「犬とCBD」——長く与えるほど攻撃性がやわらぐ? 使われているのは認知症・関節炎・がんの高齢犬(Dog Aging Project/Frontiers)
📅 2025.11.28
アリゾナ州立大などの研究チームが、大規模な市民科学プロジェクト「Dog Aging Project」の4万7355頭のデータ(2019〜2023年の年次調査)を解析し、犬のCBD・ヘンプ製品の使用実態と行動への影響を調べた。結果をFrontiers in Veterinary Scienceに発表している。米国の家庭犬の7.3%がCBDを使った経験があり、使われるのは平均で約3歳年上の高齢犬だった。使用率が最も高かったのは認知症の犬(18.2%)で、変形性関節症(12.5%)、がん(10%)が続いた。ヒトの医療用大麻が合法な州ほど使用率が高く、飼い主の意識が投与判断に影響している可能性が示された。
行動面では、CBDを長期間与えられた犬は、与えていない犬に比べて攻撃性が低い傾向が見られ、しかも年月とともに攻撃性が弱まっていった。一方で、興奮や不安といった他の行動には同様の改善は見られなかった。研究者は「攻撃性の多くはストレスや不安による“闘争・逃走”反応。なぜ攻撃性だけが和らいだのかは不明」とし、因果関係の確認には対照試験が必要だと注意を促している。CBDは下痢などの消化器症状を起こすこともあるため、使うなら信頼できる製品を選び、用量を控えめにして獣医師に相談を——というのが現時点での実務的な助言だ。
🔗 https://www.sciencedaily.com/releases/2025/11/251128050506.htm
4. 🏋️ トレーニング・行動科学
「使える探知犬」を分けるのは鼻より“気質”——環境への動じなさとオモチャ報酬への反応が実働を予測(Applied Animal Behaviour Science 2026)
📅 2026.05
麻薬・医療・害虫探知などに使われる作業犬は、訓練を積んでも適性を満たせず現場に出られない個体が一定数いる。2026年に報告された研究は、ハンドラーが回答する検証済みの行動評価尺度を使って多数の探知犬の気質を分析し、どんな行動特性が「実働(オペレーショナル)」ステータスと結びつくかを調べた。その結果、環境の変化に動じない“環境健全性(environmental soundness)”と、オモチャなど報酬への反応の良さが、実働に就けるかどうかを最も安定して予測する特性だった。1117頭を15項目で評価した記述的な研究でも、探知の種類(禁制品・医療・害虫)ごとに行動プロファイルが異なり、平均的な作業犬とはズレた——たとえば「対犬恐怖」や「接触過敏」がやや高い——傾向がみられている。
この知見は、単に「鼻がいい犬」を選ぶだけでは優秀な探知犬は育たないことを示している。落ち着き、立ち直りの早さ、遊びへの意欲といった気質を早い段階で見極めれば、訓練の“落第”を減らし、犬にも人にも負担の少ない選抜・育成につながる。家庭犬の視点でも同じで、うちの子の「動じにくさ」や「遊びへの反応」は、しつけやアクティビティ選びのヒントになる。愛犬の気質を客観的に観察し、得意・不得意に合った関わり方を考えるきっかけにしたい。
🔗 https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0168159126001140
💡 今日のワンポイント(犬)
今日の4本に共通するのは、「見た目は元気でも“質”を見てあげる」という視点です。涙の質、栄養の質、そして気質。数字や症状に表れる前の小さな変化に気づけるのは、毎日そばにいる飼い主だけ。迷ったら専門家に相談することが、愛犬の健康寿命を延ばす近道です。
🐱 猫ニュース — 2026.07.12
本日 2件 | カテゴリ:医療・疾病・予防、栄養・食事・サプリ
1. 🏥 医療・疾病・予防
猫の「隠れた口の痛み」に本気で向き合う——FelineVMAが最新の口腔・歯科ケアガイドラインを公表、専門医への紹介基準を初めて明記(2025年版)
📅 2025.12.30
米国猫獣医学会(FelineVMA)が2025年、猫の口腔・歯科ケアに関する最も詳細なガイドラインを公表した(Journal of Feline Medicine and Surgery掲載)。診断・治療・麻酔・予防・飼い主への説明までを網羅し、歯が溶ける「歯の吸収病巣(tooth resorption)」の分類、難治性の「慢性歯肉口内炎(FCGS)」への早期介入、そして専門医への紹介の道筋を体系化している。歯周病は猫で最も多い口腔疾患で、研究によっては最大96%の猫に歯肉の炎症が見られるという。今回、一般開業医がいつ歯科専門医に紹介すべきかの明確な基準(残根、顎骨骨折、腫瘤の疑い、全身状態の悪い麻酔ハイリスク例、全顎抜歯や複雑な歯内治療が必要な場合など)が初めて示された。
猫は痛みや不調を本能的に隠すため、口の中のトラブルは見逃されやすい。ガイドラインは、意識のある状態では正確な歯科評価も治療もできないとし、全身麻酔下での全顎歯科レントゲンと多角的な鎮痛を基本に据える。難治性のFCGSに対しては尾側または全顎の早期抜歯が最も有効(研究によっては約67%で改善)とされ、長期のステロイド使用は免疫抑制のリスクから推奨されない。愛猫がよだれ、口臭、食べづらそうな様子、口を気にする仕草を見せたら、早めにかかりつけ獣医師で口腔チェックを受けてほしい。年1回の健診に「口の中」も組み込むことが、痛みのない生活につながる。
🔗 https://www.avma.org/news/new-guidelines-call-earlier-diagnosis-intervention-feline-dental-disease
2. 🥩 栄養・食事・サプリ
肥満猫の減量食、「市販品」は動物病院用より必須アミノ酸・ビタミンが不足しがち——カロリー制限に潜む栄養の“落とし穴”(AJVR 2026)
📅 2026.02
猫の肥満は先進国で12〜63%にのぼる深刻な問題で、減量には食事のカロリー制限が欠かせない。2026年にAmerican Journal of Veterinary Research(87巻2号)で報告された研究は、肥満猫に市販(OTC)の減量食と、動物病院で処方される療法用の減量食を与えた場合の栄養摂取を比較した。その結果、カロリーを絞ったとき、市販の減量食では複数の必須アミノ酸やビタミンの摂取量が推奨値を下回るケースが、療法食よりも多かった。減量のために量を減らすほど、体に必要な微量栄養素まで一緒に削られてしまう「落とし穴」が浮かび上がった形だ。
猫は完全な肉食動物で、タウリンやアルギニンなど特定のアミノ酸を食事から必ず摂る必要があり、不足すると心臓や目、筋肉に影響が及ぶ。つまり「量を減らせばいい」という単純な話ではなく、カロリーは抑えつつ必須栄養素はしっかり満たす設計が求められる。愛猫の減量に取り組むなら、パッケージの「低カロリー」表示だけで選ばず、療法用減量食の利用や、市販品を使う場合の栄養バランスについて、かかりつけ獣医師に相談してほしい。急な絶食や過度な制限は肝リピドーシス(脂肪肝)を招く危険もあるため、必ず計画的に進めることが大切だ。
🔗 https://avmajournals.avma.org/view/journals/ajvr/87/2/ajvr.25.05.0156.xml
💡 今日のワンポイント(猫)
猫は「痛い」「つらい」を隠す名人です。口の中の健康も、体重管理も、飼い主が意識して“見て・測って・相談する”ことが、愛猫の健康寿命を延ばすいちばんの近道になります。
毎朝7時配信

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