🎗️ 犬猫 腫瘍ニュース — 2026.07.17

🎗️ 犬猫 腫瘍ニュース — 2026.07.17

犬猫の腫瘍・がん関連ニュース&論文 計6件


🎗️ 腫瘍・がん関連ニュース — 2026.07.17

本日 6件

1. 💊 医療・がん治療

犬のリンパ腫に「自宅で飲ませる」抗がん薬 ― LaverdiaがFDA完全承認、初の経口治療に

📅 2026.06.29

米FDAの動物用医薬品センター(CVM)が、犬のリンパ腫治療薬「Laverdia-CA1(ベルジネクサー錠)」に完全承認を与えた。犬のリンパ腫に対する初の「経口・自宅投与」の治療薬で、飼い主が自宅で週2回(72時間以上あけて)与えられる。薬は腫瘍抑制たんぱく質の核外輸送を阻害し、その働きを回復させることで悪性リンパ球に選択的な毒性を発揮する。160頭のB細胞・T細胞リンパ腫の犬を対象にした臨床試験では、無投薬群の23日に対し、投与群は37日と、病気の進行までの期間が有意に延長した。

Laverdiaは2021年1月にマイナー用途の条件付き承認を受け、4回の年次更新を経て有効性データを蓄積し、今回の完全承認に至った(承認はAniviveからDechraへ移管)。注射薬のTanovea(ラバクフォサジン)と合わせ、「注射」と「経口」という作用機序の異なる2剤がそろったことで、獣医師は病態や前治療、飼い主の希望に応じて治療を組み合わせたり切り替えたりできるようになる。通院負担が減る意義は大きいが、抗がん薬であることに変わりはなく、投与量・タイミング・副作用管理は必ず腫瘍科の獣医師の指示に従ってほしい。

🔗 https://www.dvm360.com/view/fda-grants-full-approval-to-laverdia-for-canine-lymphoma

🏷️ 医療・疾病・予防


2. 💉 医療・がん治療

猫の「口のがん」に自分の腫瘍で作るワクチン ― フロリダ大が“パーソナライズRNAナノ粒子”を試験

📅 2026.06.10

フロリダ大学獣医学部が、猫の口腔扁平上皮癌(oral SCC)に対して、猫自身の腫瘍サンプルから作る「パーソナライズRNAナノ粒子ワクチン」の臨床試験を進めている。猫の免疫にがん細胞を認識・攻撃させることを狙うもので、この個別化RNAナノ粒子アプローチを猫に用いるのは初めてだという。個別化が難しい場合に備え、非個別化型のワクチンも用意されている。口腔扁平上皮癌は猫でもっとも攻撃的ながんの一つで、診断後の生存期間がわずか2〜3カ月とされることも多く、有効な治療の乏しさが長年の課題だった。

免疫療法は、手術・化学療法・放射線に続く「第4の柱」として2026年版AAHA腫瘍ガイドラインでも正式に位置づけられ、犬猫でも急速に現実味を帯びてきた。従来ほとんど打つ手がなかった猫の口腔がんに対し、体の免疫を武器にする新しいアプローチが検証されている意義は大きい。とはいえ臨床試験段階であり、効果や安全性の評価はこれからだ。愛猫が食べにくそうにする、よだれや口臭、口からの出血、顔の腫れといったサインがあれば、口腔がんは進行が速いため、できるだけ早く受診してほしい。

🔗 https://research.vetmed.ufl.edu/feline-rna-nanoparticle-vaccine-against-oral-squamous-cell-carcinoma/

🏷️ 医療・疾病・予防


3. 🧠 研究・腫瘍学

犬の「脳腫瘍(グリオーマ)」に免疫細胞×放射線 ― UTサウスウエスタンが新戦略の臨床試験

📅 2026.05.15

米UTサウスウエスタン医療センターの獣医放射線腫瘍クリニックが、犬のグリオーマ(神経膠腫)に対し、「CAR好中球(CAR-neutrophils)と放射線治療を組み合わせる」臨床試験を進めている。CAR技術で腫瘍を狙うよう改変した好中球を放射線と併用し、腫瘍の縮小と生存期間の延長を目指す。同クリニックでは、鉄剤の一種フェルモキシトールを放射線と併用してグリオーマを治療する試験も走っており、脳腫瘍という治療が難しい領域で複数の新しいアプローチが検証されている。

グリオーマは犬の代表的な原発性脳腫瘍で、発作や行動変化、歩行異常などを引き起こし、手術到達が難しい部位にできることも多い。犬のグリオーマはヒトの脳腫瘍と類似点が多く、こうした比較腫瘍学の試みは、犬の治療選択肢を広げると同時に、ヒトの難治性脳腫瘍の研究にも橋渡しされる可能性がある。愛犬に原因不明のてんかん発作や急な性格・歩き方の変化が現れたら、脳腫瘍を含む神経疾患の可能性があるため、早めに神経科やMRI検査に対応した施設で相談してほしい。

🔗 https://www.utsouthwestern.edu/departments/radiation-oncology/veterinary-research-oncology-clinic/clinical-trials.html

🏷️ 研究・科学


4. 🔬 研究・腫瘍学

犬の「インスリノーマ」に抗がん薬ビノレルビン ― ミズーリ大が安全性と効果を検証

📅 2026.05.20

米ミズーリ大学獣医医療センターの腫瘍科が、犬のインスリノーマ(膵臓のβ細胞にできる悪性腫瘍)に対して、抗がん薬「ビノレルビン」の安全性と効果を評価する臨床試験の症例を募集している。インスリノーマはインスリンを過剰に分泌するため、重い低血糖による脱力・ふらつき・けいれん・失神などを引き起こす。手術での摘出が第一選択だが、診断時にはすでに肝臓やリンパ節へ転移していることも多く、進行例に有効な内科治療の選択肢は限られているのが現状だ。

ビノレルビンはヒトの腫瘍で使われてきた薬で、犬のインスリノーマという“希少がん”で系統的に検証する試みは貴重だ。手術後の残存病変や、手術ができない症例に対する新たな一手になる可能性がある。低血糖発作を繰り返す犬では、食事の工夫や内科管理で症状をコントロールしつつ、こうした臨床試験を含めた治療の選択肢を腫瘍科と相談する価値がある。愛犬が空腹時や運動後にぐったりする、ふらつく、けいれんするといった症状を繰り返す場合は、低血糖を見逃さないよう早めの受診を。

🔗 https://vhc.missouri.edu/small-animal-hospital/oncology/clinical-trials/current-clinical-trials/

🏷️ 医療・疾病・予防


5. 💉 医療・がん治療

肺に転移した犬のメラノーマ・癌腫に「犬用の免疫チェックポイント抗体」 ― UCデービスのCAALM試験

📅 2026.06.01

米UCデービス獣医学部が主導する「CAALM試験」は、犬特異的な抗PD-L1抗体「UCD-PDL1」という新しい免疫チェックポイント阻害薬の安全性・忍容性・初期の有効性を検証する臨床試験だ。対象は、メラノーマ(悪性黒色腫)や癌腫が肺へ転移した犬。がん細胞が免疫の“ブレーキ”を悪用して攻撃を逃れる仕組みを解除し、体の免疫細胞ががんを認識・攻撃する力を取り戻させることを狙う。ヒトのがん治療で大きな成果を上げてきたチェックポイント阻害薬を、犬向けに最適化して届けようという試みだ。

肺転移は多くの固形がんで予後を左右する最大の壁であり、従来の抗がん剤だけでは制御が難しいことも多い。犬用に設計された抗体が転移巣に効けば、余命の延長やQOLの維持につながる可能性がある。免疫チェックポイント阻害薬は自己免疫的な副作用を伴うことがあるため、慎重なモニタリングが欠かせない。愛犬がメラノーマや癌腫と診断され、肺転移が心配な場合は、標準治療に加えてこうした臨床試験が選択肢になりうるか、腫瘍科で相談してみてほしい。

🔗 https://www.ccralliance.org/post/the-caalm-study

🏷️ 医療・疾病・予防


6. 🔬 研究・腫瘍学

甲状腺腫瘍を取ったあと「ヨウ素を取り込む腫瘍」を見分ける ― ミズーリ大が特殊染色を検証

📅 2026.05.20

米ミズーリ大学獣医医療センターの腫瘍科は、犬の甲状腺腫瘍を摘出したあとに、「ナトリウム・ヨウ素共輸送体(NIS)」を検出する特殊染色を用いて、その腫瘍がヨウ素を取り込む性質を持つかどうかを判定できるかを調べる臨床研究を進めている。ヨウ素を取り込む腫瘍であれば、放射性ヨウ素(I-131)による治療が効きやすいと期待され、術後の追加治療の方針決定に役立つ可能性がある。甲状腺腫瘍は転移や局所再発を起こすことがあり、手術単独では取り切れない症例で“次の一手”をどう選ぶかが課題になる。

腫瘍の性質を染色で見極めて、放射性ヨウ素治療の適応を事前に判断できれば、効かない治療を避け、効く子に的確に届ける「個別化医療」に近づく。これは人の甲状腺がん治療で確立した考え方を、獣医領域に応用しようという試みでもある。愛犬の首元にしこりを触れる、飲み込みにくそう、声や呼吸に変化があるといった場合は、甲状腺腫瘍の可能性を含めて早めに検査を受け、摘出後の追加治療についても腫瘍科と十分に相談してほしい。

🔗 https://vhc.missouri.edu/small-animal-hospital/oncology/clinical-trials/current-clinical-trials/

🏷️ 研究・科学



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