🎗️ 犬猫 腫瘍ニュース — 2026.07.21

🎗️ 犬猫 腫瘍ニュース — 2026.07.21

犬猫の腫瘍・がん関連ニュース&論文 計7件


🎗️ 腫瘍・がん関連ニュース — 2026.07.21

本日 7件


1. 🧬 研究・科学

猫のがん遺伝子地図、ついに完成——493検体・13種の腫瘍を解読したら、ヒトのがんと驚くほど似ていた

📅 2026.02.19

英ウェルカム・サンガー研究所などの国際チームが、猫の腫瘍と正常組織のペア検体493例を次世代シーケンサーで解析し、13種類の腫瘍タイプにわたる「猫のオンコゲノム(がん遺伝子の全体像)」を初めて大規模に描き出しました。ヒトのがん関連遺伝子約1000個に対応する猫のオーソログ(相同遺伝子)を対象に調べたところ、31個のドライバー遺伝子が同定されました。最も高頻度に変異していたのはTP53で、全腫瘍の33%に認められ、これはヒトの汎がん研究での34%とほぼ同じ数字です。コピー数異常ではPTENやFASの欠失、MYCの増幅が繰り返し検出されました。論文は2026年2月19日付のScience誌に掲載されています。

腫瘍タイプ別の一致もはっきりしていました。猫の乳腺がんではFBXW7変異が50%超で見つかり、これはヒトの乳がんで知られる変異と同じ遺伝子です。さらにFBXW7変異腫瘍はビンカアルカロイド系抗がん剤に感受性を示し、すでに獣医療で使われている薬が「効く猫を選んで使える」可能性が出てきました。肺がんではTP53変異が約40%、皮膚の肥満細胞腫ではKIT変異が41%(多くはエクソン8・9)でした。これまで猫のがんの遺伝子解析は3件の小規模研究しかなく、猫には分子標的薬がほぼ存在しませんでした。愛猫に腫瘍が見つかったとき、数年以内に「遺伝子を調べて薬を選ぶ」選択肢が現実になるかもしれません。腫瘍の診断を受けたら、遺伝子検査や分子標的治療の適応について主治医の獣医師に相談してみてください。

🔗 https://www.dvm360.com/view/study-maps-cancer-genes-in-cats-finding-remarkable-similarities-to-human-cancers

🏷️ 研究・科学


2. 🧬 研究・科学

採血だけで「この治療、効くかどうか」がわかる日——タフツ大が犬のリンパ腫で免疫シグネチャーを発見

📅 2026.03.25

米タフツ大学カミングス獣医学大学院とUMassチャン医科大学の共同研究チームが、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の犬を対象にした臨床試験の血液検体を再解析し、治療反応を予測する遺伝子シグネチャーを見つけました。試験では犬たちが3つの新規治療レジメンに無作為に割り付けられ、いずれも「イヌ用抗体+低用量ドキソルビシン」に続けて3種類の実験的免疫療法のいずれかを投与するものでした。研究チームは腫瘍組織ではなく血中免疫細胞の遺伝子発現に着目し、治療前・治療開始7日目・化学免疫療法終了時・再発時または治療後400日時点の4ポイントで採血を解析しました。結果はScientific Reports誌に掲載されています。

長期生存と結びついていたのはCD1EとCCL14の2遺伝子でした。CD1EはT細胞ががんを認識しやすくする分子シグナルを運び、CCL14は免疫細胞を必要な場所に呼び寄せる「化学的な目印」として働きます。意外だったのはインターフェロン刺激遺伝子で、従来は抗腫瘍的と考えられてきたにもかかわらず、一貫して生存期間の短縮と早期再発に結びついていました。さらにTBHD・NPNT・ISG20の3遺伝子は治療開始からわずか1週間の時点で予後不良を予測しました。共同筆頭研究者のGardner博士はこれらを検出する簡便な検査法をすでに開発済みで、治療早期に再発リスクの高い犬を見つけて方針を切り替える道が開けます。愛犬がリンパ腫の治療中なら、経過中のモニタリング方法について主治医の獣医師に確認しておくとよいでしょう。

🔗 https://now.tufts.edu/2026/03/25/simple-blood-tests-may-predict-response-lymphoma-treatment

🏷️ 研究・科学


3. 🧬 研究・科学

犬の縦隔型リンパ腫70頭を追跡——「ロムスチン系」と「アントラサイクリン系」、成績に差はなかった

📅 2026.03.31

英ケンブリッジ大学などによる多施設共同の後ろ向き研究が、原発性縦隔型リンパ腫の犬70頭の治療成績をVeterinary and Comparative Oncology誌に報告しました(2026年3月31日オンライン公開)。免疫染色を実施した症例の95.6%がT細胞性で、90%がサブステージb(全身症状あり)、高カルシウム血症は69.1%に認められました。化学療法への臨床的奏効率は92.7%、客観的奏効率は97.9%と極めて高く、76.6%が完全寛解に到達しています。一方で無増悪生存期間の中央値は132日(95%CI 83〜181日)、全生存期間の中央値は223日(95%CI 175〜271日)にとどまりました。6か月生存率55.7%、1年22.9%、2年15.7%という数字です。

注目すべきは、ロムスチンベース(LOP/LOPP)とアントラサイクリンベース(CHOP/CEOP)のあいだで成績に統計学的な有意差がなかった点です。つまり心毒性や費用、投与スケジュールなど、犬と家族の事情に合わせてプロトコルを選べる余地があるということになります。予後因子としては、高カルシウム血症・化学療法誘発性の好中球減少・CD4陽性CD8陰性の免疫表現型が長い無増悪期間と関連し、診断時点での好中球減少と顆粒状形態は生存期間の短縮と関連していました。縦隔型リンパ腫は呼吸が速い・咳が出る・元気がないといった形で現れることが多く、レントゲンで胸に大きな影が見つかって発覚します。奏効率は高くても長期成績は厳しい病気なので、診断がついた時点で治療の選択肢と現実的な見通しを主治医の獣医師とよく話し合ってください。

🔗 https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/vco.70062

🏷️ 研究・科学


4. 🧬 研究・科学

猫の多発性皮膚がん「ボーエン様病変」にCO2レーザー——切らずに焼く選択肢が5例で検証された

📅 2026.02.17

米アイオワ州立大学ロイド獣医医療センターのチームが、組織病理で確定診断されたボーエン様上皮内癌(BISC)の猫5頭に対する炭酸ガス(CO2)レーザー焼灼の成績を、Journal of Feline Medicine and Surgery誌(2026年3月号、電子版2月17日先行公開)に発表しました。5頭はいずれも過角化性の局面や痂皮、限局性の脱毛、色素性丘疹、びらん、二次性膿皮症など複数の皮膚病変を示し、病変の出現から治療開始までの中央値は365日(範囲84〜1614日)でした。全頭が鎮静または全身麻酔下で少なくとも1回のCO2レーザー焼灼を受け、治療に関連した有害事象は1件も認められていません。

初回レーザー後の増悪までの期間の中央値は269日(範囲158〜379日、追跡可能だった4頭)で、2頭は複数回のレーザーを実施しました。1頭は手術と2回のレーザーの併用で治療後130日時点で完全寛解を維持し、転移をきたした猫は1頭もいませんでした。BISCは猫パピローマウイルスが関与する特殊な扁平上皮癌で、全身に浅在性の病変が多発するのが特徴です。深部浸潤や転移はまれな一方で、次々と新しい病変ができるため「治しても治しても出てくる」性質があり、従来は外科切除やイミキモドクリームが主体でした。CO2レーザーは低侵襲で忍容性が高く、新しい病変が出るたびに繰り返せるのが強みです。愛猫の皮膚にかさぶたや脱毛が多発して治りにくいときは、皮膚科と腫瘍科の両面から診てもらえる獣医師に相談してみてください。

🔗 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41700623/

🏷️ 研究・科学


5. 🏥 医療・疾病・予防

コロラド州立大が放射線治療装置を刷新——第1号患者は鼻腔腫瘍と闘う7歳のゴールデン「クリケット」

📅 2026.04.22

米コロラド州立大学フリント動物がんセンター(FACC)が、新型リニアック「Varian Edge」の稼働を開始したと発表しました。放射線腫瘍科チームは数週間の訓練を経て治療計画の作成と照射に習熟し、装置は2026年4月20日にオープン。記念すべき第1号患者となったのは、鼻腔腫瘍を抱える7歳のゴールデン・レトリーバー「クリケット」でした。彼女の治療プロトコルは通常分割照射18回で構成され、大学は病勢を大きく改善できると見込んでいます。放射線腫瘍科長のTiffany Martin博士は「精度・スピード・適応性のいずれも未曾有のレベルに達した」とコメントしています。

新システムの利点は、周囲の正常組織への影響を抑えつつ精度を高められること、そして麻酔時間と治療時間そのものが短縮されることです。動物の放射線治療は毎回全身麻酔が必要なため、1回あたりの麻酔時間が短くなるのは高齢の犬猫にとって直接的な安全性の向上を意味します。画像誘導と治療計画の機能も強化され、複雑な形の腫瘍から末期患者の緩和照射まで、個々の症例に合わせた調整がしやすくなりました。研究面でもKeara Boss博士が「放射線と他の治療の新しい組み合わせを探る道が開けた」と期待を寄せています。鼻腔腫瘍や脳腫瘍のように手術が難しい部位の腫瘍では放射線治療が第一選択になることがあります。手術できないと言われた場合でも、放射線治療の適応があるかどうかを主治医の獣医師に確認する価値があります。

🔗 https://www.csuanimalcancercenter.org/2026/04/22/radiation-oncology-upgrade/

🏷️ 医療・疾病・予防


6. 🏥 医療・疾病・予防

「断脚しかない」と2人の外科医に言われた4歳のベラ——減量手術+放射線で脚が残った

📅 2026.01.16

米UCデービス校獣医学大学院が、腫瘍治療助成金によって前肢を温存できた症例を公開しました。患者は4歳のピットブル・テリアミックスの雌「ベラ」。2025年初めに右肩部の浸潤性脂肪腫(infiltrative lipoma)と診断されました。脂肪組織由来の良性腫瘍ですが、浸潤性のタイプは周囲の筋肉など局所構造に入り込む性質があり、ベラの場合は上腕骨に達するまで筋肉内へ広がり、なお増大を続けていました。飼い主が相談した2人の外科医はいずれも完全切除は不可能と判断し、断脚を提案しています。

UCデービスの軟部外科チームも根治切除には断脚が必要という見解は同じでしたが、代わりに辺縁切除(マージナル・デバルキング)で腫瘍量を減らし、残存組織を放射線で叩くという二段構えを提示しました。問題は費用でしたが、飼い主はPetco Love財団とBlue Buffalo財団による助成の対象となり、放射線治療にたどり着けました。ベラは夏の終わりまでに手術と放射線を完了し、秋の再診では良好な結果が確認され、現在も経過観察が続いています。飼い主は「以前と同じように走って、跳んで、遊んでいます」と話しています。良性腫瘍でも浸潤性であれば機能や生活の質を大きく損なうことがあり、外科単独では選択肢が「断脚か放置か」に狭まりがちです。断脚を提案されたときは、腫瘍科・放射線科を含む集学的治療が可能な施設でセカンドオピニオンを取ることを、主治医の獣医師に相談してみてください。

🔗 https://www.vetmed.ucdavis.edu/news/grant-treat-oncology-patients-saves-dogs-leg

🏷️ 医療・疾病・予防


7. 🏥 医療・疾病・予防

「このしこり、針を刺すべき?」にAIが答える——熱拡散イメージング機器の新型が登場

📅 2026.01.16

犬の皮膚・皮下腫瘤をスクリーニングする非侵襲デバイスの新型「VISTA iQ」を、イスラエルのHT VET社が発表しました。同社の既存製品「HT Vista」の進化版にあたり、中核技術である熱拡散イメージング(Heat Diffusion Imaging:HDI)とAI解析を組み合わせて、しこりが良性である可能性が高いか、細胞診など次の検査に進むべきかを判断する材料を提供します。2026年1月17〜21日に米フロリダ州オーランドで開催された北米最大級の獣医学会VMXで初めて実機が展示されました。旧型のHT Vistaは新規販売を終了し、既存ユーザーはいつでも下取り・アップグレードが可能とされています。

新型ではワイヤレス設計となり、タブレットやスマートフォンと連携して院内のどこでも使えるようになりました。人間工学に基づいた形状とマルチユーザー機能により、通常の診察の流れの中に腫瘍スクリーニングを組み込みやすくしています。レーザーグリッドと加速度センサーによる正確なサイズ測定、光と振動によるリアルタイムのフィードバック、専用アプリでの腫瘤の性状・既往・治療計画の一元記録なども搭載されました。犬の皮膚のしこりは加齢とともに増え、「様子を見ましょう」で放置された結果、肥満細胞腫や軟部組織肉腫の発見が遅れるケースが少なくありません。愛犬の体にしこりを見つけたら、大きさや場所を記録したうえで早めに主治医の獣医師に見てもらい、細胞診の必要性を判断してもらってください。

🔗 https://www.dvm360.com/view/new-canine-cancer-detection-device-relies-on-ai

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