📚 犬猫 研究論文 — 2026.07.22

A st. bernard dog rests in the snow.

📚 犬猫 研究論文 — 2026.07.22

注目論文 3件 | 獣医学2件 + 行動科学1件



🧬 研究・科学(獣医学・寄生虫)

神奈川の山間部で犬の「東洋眼虫症」13例——室内飼いでも感染、目の異常は地域も手がかりに

📅 2026.02.27

東洋眼虫(Thelazia callipaeda)は犬・猫・人・野生哺乳類の眼に寄生し、ショウジョウバエ科マダラメマトイ属のハエが媒介する人獣共通の寄生虫だ。あすなろ動物病院と岐阜大学のチームは、神奈川県山間部で2021〜2024年に13例の犬を東洋眼虫症と診断した(年間平均罹患率0.26%)。内訳は雄9・雌4、年齢中央値10歳、体重中央値13.1kg。12例が山間部に居住し、10例は室内飼育、フィラリア予防薬を投与されていた犬も6例いた。発症は6〜12月に多く、回収された虫体数は中央値3隻(1〜15隻)だった。

治療は虫体の摘出が12例中10例(83%)で有効で、3例はイベルメクチン注射を要した。注目すべきは、室内飼いでも感染し、フィラリア予防をしていても防げなかった点だ。媒介ハエが増える地域では、目やに・充血・涙・まばたきの増加といった眼症状の裏に寄生虫がいる可能性を、地理的な環境とあわせて疑う必要がある。保虫宿主となる都市型の野生動物(タヌキなど)の生息域の広がりに伴い、発生エリアの拡大も懸念される。目の異常が続くときは自己判断せず、動物病院で洗眼・検査を受けてほしい。

📖 日本獣医師会雑誌, 2026, 79(2), e15-e20(DOI: 10.12935/jvma.79.e15)

🔗 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jvma/79/2/79_e15/_article/-char/ja/

🧬 研究・科学(獣医学・寄生虫)


🧠 研究・科学(行動・認知)

「一緒に遊ぶ」は「訓練する」より絆を深める——4週間の比較試験で示された因果関係

📅 2026.04.30

犬と飼い主の「遊び」が関係性に与える影響を、Royal Society Open Science(2026年)に掲載された研究が検証した。参加者を「遊び」群・「訓練」群・対照群に分け、4週間にわたって介入。遊び群は引っ張りっこ、追いかけっこ、かくれんぼ、指をわしゃわしゃ動かして焦らす遊びなど、社会的なやり取り中心の遊びを行った。その結果、遊び群では犬との「情緒的な近さ(emotional closeness)」が有意に高まり、遊びが絆を深める因果的な効果を持つことが示された。しかも、その効果は訓練よりも大きかった。

犬との遊びは人生を通じて自発的に起こり、犬同士の遊びとは動機づけの面で異なる独立した行動だとされる。「しつけこそ関係づくりの基本」と考えられがちだが、この研究は肩の力を抜いた純粋な遊びの時間こそ、信頼と愛着を育てる近道であることを示唆する。1日数分でも、勝ち負けや号令にこだわらず一緒に体を動かす遊びを取り入れることが、犬の福祉と人との関係の両方を豊かにしてくれそうだ。

📖 Royal Society Open Science, 2026, 13(4), 252294

🔗 https://royalsocietypublishing.org/rsos/article/13/4/252294/481415/Play-interactions-improve-the-dog-owner

🧠 研究・科学(行動・認知)


💊 研究・科学(獣医学・疼痛)

変形性関節症の犬に「フルスペクトラム大麻オイル」——6週間で半数超が1段階改善、副作用なし

📅 2026.03.15

慢性の変形性関節症(骨関節炎)を抱える犬に、CBD・CBDA・THC・THCAを含むフルスペクトラムの大麻(Cannabis sativa)オイル抽出物を投与した無作為化・二重盲検試験が、MDPIのAnimals誌(2026年)に掲載された。抽出物(46.4 mg/mL)を1日2回・6週間にわたり経口投与したところ、大麻投与群では半数を超える犬が疼痛評価スケール「COAST」で1段階の改善を示した一方、他の群では変化がなかった。試験期間中、目立った有害事象は観察されなかった。

犬の変形性関節症は加齢とともに増える痛みの代表格で、既存の鎮痛薬(NSAIDsなど)が使いにくい個体もいる。カンナビノイド由来の選択肢は関心が高いが、製品の品質や成分量のばらつき、薬物相互作用など未解明の課題も多い。市販のCBDサプリを自己判断で与えるのは避け、あくまで研究段階の知見として受け止めてほしい。THCは犬にとって中毒の原因にもなるため、使用を検討する場合は必ず獣医師に相談し、成分が明確な製剤を医学的管理のもとで用いることが前提になる。

📖 Animals (MDPI), 2026, 16(6), 900

🔗 https://www.mdpi.com/2076-2615/16/6/900

💊 研究・科学(獣医学・疼痛)


毎朝7時配信

コメントをどうぞ