🎗️ 犬猫 腫瘍ニュース — 2026.07.27

🎗️ 犬猫 腫瘍ニュース — 2026.07.27

犬猫の腫瘍・がん関連ニュース&論文 計6件


🎗️ 腫瘍・がん関連ニュース — 2026.07.27

本日 6件


1. 🧬 研究・がん標的

犬の悪性黒色腫(メラノーマ)の弱点を探す——血管新生の司令塔「VEGFR2」は治療標的になるか

📅 2026.02

Veterinary and Comparative Oncology誌(2026年)に、犬の悪性黒色腫(メラノーマ)における「VEGFR2」という分子を抗腫瘍治療の標的として評価した研究が掲載された。VEGFR2は、腫瘍が自分に栄養を送る新しい血管を作る「血管新生」の司令塔となる受容体で、犬のメラノーマのがん細胞にも存在することが確認されている。現在、犬で唯一承認されている血管新生を抑える薬「トセラニブ(パラディア)」も、このVEGFR2を阻害することで効果を発揮する。研究チームは、VEGFR2がメラノーマ細胞でどのように働き、薬でどこまで抑えられるかを詳しく調べた。

口腔内メラノーマは犬で非常に悪性度が高く、転移しやすいがんの一つで、有効な治療の選択肢が限られている。VEGFR2のような明確な標的が定まれば、既存の分子標的薬をより効果的に使う道や、新しい薬の開発につながる可能性がある。ただし、これは治療標的としての可能性を裏づける基礎〜前臨床段階の研究であり、すぐに新しい治療になるわけではない。愛犬の口の中や皮膚に黒っぽいしこり・できものを見つけたら、良性とは限らないため、早めに獣医師の診察を受けてほしい。

🔗 https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/vco.70029

🧬 研究・がん標的


2. 🧬 研究・個別化医療

【日本】愛犬・愛猫の腫瘍から「ミニがん」を作り、効く薬を先に見つける——東大のがんオルガノイド検査

📅 2026.07

東京大学附属動物医療センターで、犬猫の固形腫瘍に対して「がんオルガノイド」を使ったパーソナライズ治療の臨床試験が進んでいる。がんオルガノイドとは、患者の腫瘍組織から作り出す立体的な「ミニチュアのがん」で、これに複数の分子標的薬を試すことで、その子のがんに実際に効きそうな薬を治療前に絞り込める。この臨床試験は2025年6月に同センターの臨床試験委員会で承認され、症例ごとに有効な薬を特定してオーダーメイドの治療を目指す取り組みとして注目されている。

犬猫のがん治療は、これまで「まず標準的な抗がん剤を試し、効かなければ次を考える」という手探りになりがちだった。オルガノイド検査が実用化すれば、無駄な投薬や副作用を減らし、最初から効く可能性の高い薬を選べるようになるかもしれない。人のがん医療でも同様のアプローチが研究されており、犬猫での成果は比較腫瘍学として人の医療にも波及しうる。まだ研究段階の検査だが、日本の大学がこうした先端医療に取り組んでいることは、飼い主にとって心強い動きである。

🔗 https://www.vm.a.u-tokyo.ac.jp/vmc/research/index.html

🧬 研究・個別化医療


3. 🏥 医療・膀胱がん

膀胱がんと診断された11歳の愛犬が、あと3年を生きた——パデュー大の比較腫瘍学が挑む犬の膀胱がん

📅 2026.03

米パデュー大学獣医学部で、11歳で膀胱がん(移行上皮癌/尿路上皮癌、TCC)と診断されたピットブル×ビーグルの雑種「エラ」が専門的な治療を受け、余命を3年延ばしたことが2026年に紹介された。同大の比較腫瘍学プログラムでは、犬の浸潤性膀胱がんやリンパ腫、脳腫瘍などの研究が進められている。膀胱がんは特定の犬種でリスクが高く、症状が出る前に膀胱の超音波検査で早期に異常を見つけることが、体に負担の少ない有効な手段になると指摘されている。

犬の膀胱がんは、頻尿・血尿・排尿困難など膀胱炎とよく似た症状で始まるため、見過ごされたり誤診されたりしやすい。抗がん剤や分子標的薬、放射線治療を組み合わせることで、以前より長く良い生活の質を保てるケースが増えている。エラのように、早期発見と適切な治療で「余命宣告」から数年を得られる例もある。高齢犬で膀胱炎の症状が長引く・繰り返す場合は、超音波などの精密検査を獣医師に相談してみてほしい。

🔗 https://vet.purdue.edu/wcorc/cancer-research/

🏥 医療・膀胱がん


4. 🔬 医療・手術支援

がんを「光らせて」取り切る——ペン獣医大が磨く、近赤外蛍光ガイド手術

📅 2026.06

米ペンシルベニア大学獣医学部(Penn Vet)の外科医デビッド・ホルト氏は、がん組織を近赤外光で光らせて可視化する「蛍光ガイド手術」を犬のがん手術に応用している。特殊な色素ががん細胞に集まり、近赤外光を当てると腫瘍が光って見えるため、切除すべき縁(マージン)がはっきり分かる。これにより、正常な組織を温存しながら、取り残しを減らしてクリーンな切除縁を得やすくなる。ホルト氏はこの技術を犬の乳腺腫瘍や肺腫瘍の摘出に用い、グリオーマ(脳腫瘍)の境界の識別にも役立てている。

がん手術で最も大切なことの一つは、がん細胞を「取り残さない」ことだ。取り残しがあると局所再発や転移のリスクが高まるが、肉眼では正常組織との境界が分かりにくいことも多い。腫瘍が光れば、外科医は目で見ながら確実に切除範囲を判断できる。この技術は人のがん手術にも応用が広がっており、犬での成果が人の医療を前進させる比較腫瘍学の好例でもある。愛犬ががんの外科手術を受ける際、どのような方法で切除範囲を見極めるのか、担当医に尋ねてみるのもよいだろう。

🔗 https://penntoday.upenn.edu/news/penn-vet-david-holt-making-cancer-visible

🔬 医療・手術支援


5. 🐱 猫の腫瘍

猫の「注射部位肉腫」と皮膚リンパ腫——炎症の正体をクローナリティ解析で読み解く

📅 2026.05

猫では、ワクチンなどの注射をきっかけに、まれに悪性の「注射部位肉腫(FISS)」が発生することが知られている。2026年に報告された研究は、この注射部位肉腫と、注射部位にできる皮膚リンパ腫(CLIS)に共通して見られる「リンパ球・形質細胞の浸潤(炎症)」に注目し、その細胞がクローナル(単一起源で増殖した腫瘍性のもの)かどうか、そして猫白血病ウイルス(FeLV)のタンパク質が関わっているかを調べた。注射部位に起きる炎症と腫瘍化の関係を、分子レベルで解き明かそうとする試みである。

注射部位肉腫は完全に切除しても約3分の1で再発するとされる難しいがんで、発生の仕組みの解明は予防と治療の両面で重要だ。とはいえ、ワクチンによる肉腫の発生は非常にまれで、ワクチンで防げる感染症のリスクの方がはるかに大きいため、「怖いから打たない」という判断は禁物である。注射後に接種部位のしこりが3か月以上残る、2cmを超える、だんだん大きくなる——こうした「3-2-1ルール」に当てはまる場合は、早めに獣医師に相談してほしい。

🔗 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40914880/

🐱 猫の腫瘍


6. 🧬 研究・がんワクチン

亡き愛犬スカウトに捧げる血管肉腫ワクチン試験——「既製品」ワクチンで犬の血管肉腫に挑む

📅 2026.02

バイオ企業カルビリ(Calviri)が進める「Scout Out Canine Hemangiosarcoma(SOCH)」試験は、犬の血管肉腫(ヘマンジオサルコーマ)に対する治療ワクチンの臨床試験だ。ステージ1〜2の犬に、手術・抗がん剤といった標準治療に加えて同社の「既製品(オフ・ザ・シェルフ)」ワクチンを併用し、生存期間を延ばせるかを調べる。米国初の無作為化・多標的の血管肉腫ワクチン試験とされ、2026年初頭時点で60頭中54頭が登録され、春には登録完了の見込みだという。試験名と資金は、スーパーボウルCMで知られたゴールデンレトリバー「スカウト」を亡くした支援者の寄付にちなむ。

血管肉腫は脾臓や心臓などにでき、破裂して突然命を落とすこともある悪性度の高いがんで、標準治療を行っても多くは1年以内に亡くなってしまう難敵だ。個々の腫瘍の変異に合わせるオーダーメイドワクチンは費用も手間も膨大だが、カルビリは腫瘍RNA由来で患者間に共通する「ネオ抗原」を使うことで、あらかじめ作り置きできる汎用ワクチンを目指している。もし有効性が示されれば、コストを抑えつつ多くの犬に届けられる可能性がある。大型犬を中心に発症が多いがんだけに、今後の結果が待たれる。

🔗 https://www.dvm360.com/view/biotechnology-company-launches-cancer-vaccine-trial-for-dogs

🧬 研究・がんワクチン


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