🎗️ 犬猫 腫瘍ニュース — 2026.08.30

🎗️ 犬猫 腫瘍ニュース — 2026.08.30

犬猫の腫瘍・がん関連ニュース&論文 計7件


🎗️ 腫瘍・がん関連ニュース — 2026.08.30

本日 7件

1. 🧪 医療・疾病・予防

猫の高悪性度リンパ腫に「COP→ドキソルビシン」逐次プロトコル——奏効率77.7%、完全寛解を保てた猫は生存中央値546日

📅 2026.08.28

猫の高悪性度リンパ腫に対し、COP(ビンクリスチン・シクロホスファミド・プレドニゾロン)を6週間毎週行った後、ドキソルビシンを3週ごとに6回投与する逐次プロトコルの成績が、Journal of Feline Medicine and Surgery誌に発表された。2005〜2024年に治療を受けた27頭を後ろ向きに解析したところ、開始6週時点の全奏効率は77.7%。無増悪生存期間の中央値は98日、生存期間中央値は154日だったが、ドキソルビシン完了時に完全寛解を維持していた猫では無増悪生存554.5日・生存中央値546日と大きく延びた。グレード3〜4の好中球減少は各3頭にとどまり、忍容性は良好だった。

「抗がん剤は猫がかわいそう」と思われがちだが、この結果は最初の治療にしっかり反応した猫では1年半近い延命が現実的であることを示している。リンパ球・単球比と治療完遂時の反応が予後と関連していた点も、治療継続の判断材料になる。猫のリンパ腫は早期発見・早期治療開始が鍵なので、食欲低下や体重減少が続く場合は腫瘍科での精査を検討してほしい。

🔗 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/42665890/

🏷️ 医療・疾病・予防


2. 🧬 研究・科学

犬の乳腺腫瘍はPI3Kが「アクセル」だった——過剰発現で増殖・遊走・浸潤がすべて加速

📅 2026.08.05

未避妊のメス犬で最も多い腫瘍である乳腺腫瘍について、その進行を駆動する分子メカニズムを検証した研究がFrontiers in Veterinary Science誌に掲載された。研究チームは犬乳腺腫瘍の細胞株2種(CHMp・CIPm)にレンチウイルスでPI3K遺伝子を過剰発現させたところ、対照群と比べて増殖・遊走・浸潤の能力がいずれも有意に上昇。さらにリン酸化AKTとBcl-2の上昇、Baxの低下など、アポトーシス(細胞死)を回避する方向へのタンパク質変化も確認された。PI3K/AKT経路はヒトの乳がんでも治療標的になっている代表的ながん経路だ。

ヒトではPI3K阻害薬がすでに乳がん治療に使われており、犬の乳腺腫瘍でも同経路を標的にした治療開発の合理性を裏付けるデータと言える。犬の乳腺腫瘍は早期の避妊手術でリスクを大きく減らせることが知られており、未避妊のメス犬の飼い主は定期的に乳腺のしこりをチェックし、見つけたら小さいうちに切除の相談をすることが最善の防御になる。

🔗 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/42620570/

🏷️ 研究・科学


3. 🏥 医療・疾病・予防

犬の「口の中のできもの」338例を生検したら——半分は腫瘍ですらなく、腫瘍の7割は良性。ただし悪性の半分は扁平上皮癌

📅 2026.08.20

犬の口腔内腫瘤338例の生検・病理結果を解析した韓国の後ろ向き研究がThe Veterinary Journal誌に掲載された。小型犬が多い韓国の犬集団において、口の中のできものの52.7%は腫瘍ではない病変(歯肉過形成など)で、確定された腫瘍160例のうち73.7%は良性(歯周性線維腫、犬有棘細胞性エナメル上皮腫が中心)だった。一方、悪性腫瘍26.3%の内訳では扁平上皮癌が50.0%と最多で、悪性黒色腫(26.2%)がそれに続いた。大型犬中心の欧米の報告とは分布が異なり、日本と似た小型犬中心の地域データとして参考価値が高い。

「口のできもの=がん」と怯える必要はないが、見た目では良悪性を区別できないのも事実で、悪性の場合は進行が速い。歯みがきの習慣は口腔内の異変に早く気づく最良の機会でもある。できものを見つけたら「様子見」で放置せず、生検による確定診断を受けることが、結果として不要な心配も手遅れも防いでくれる。

🔗 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/42624279/

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4. 🏥 医療・疾病・予防

「治療法がほぼない」猫の口腔扁平上皮癌に3本の矢——イリノイ大が放射線+オラパリブ+SGLT2阻害薬の臨床試験を実施中

📅 2025.11.17

米イリノイ大学獣医学部は、極めて予後の悪い猫の口腔扁平上皮癌に対し、体幹部定位放射線治療(SBRT)にヒトのがん治療薬オラパリブ(PARP阻害薬)と糖尿病治療薬ベキサグリフロジン(SGLT2阻害薬)という2つの経口薬を組み合わせる臨床試験を進めている。2剤には放射線によるがん細胞の殺傷効果を高めると同時に、免疫によるがん細胞への攻撃を促す作用が期待されている。同大学ではこのほかにも骨肉腫や口腔メラノーマなど十数件のがん臨床試験が患者を募集中で、多くは費用の一部から全額までが研究費でカバーされる。

猫の口腔扁平上皮癌は診断後の生存期間が2〜3か月とされ、手術・化学療法・放射線のいずれも単独では歯が立たない難敵だ。ヒト用の承認薬を組み合わせて猫に応用するこのアプローチは、成功すれば人の頭頸部がん治療にも知見を還元する「比較腫瘍学」の好例となる。日本からの参加は難しいが、こうした試験の結果が数年後の標準治療を変えていくことに期待したい。

🔗 https://vetmed.illinois.edu/2025/11/17/cancer-discovery-for-pets-and-people-only-at-illinois/

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5. 🏥 医療・疾病・予防

まれな「骨盤の骨肉腫」74頭の多施設解析——無治療なら生存8日、治療すれば145日

📅 2026.08.22

犬の原発性骨腫瘍で最多の骨肉腫のうち、まれな骨盤発生例74頭(2007〜2025年)を集めた多施設後ろ向き研究がVeterinary and Comparative Oncology誌に発表された。最も多い症状は跛行(84%)で、発生部位は腸骨が57%と最多。診断時にすでに31%で肺を中心とした転移が認められた。全体の無増悪生存期間中央値は75日、生存期間中央値は79日と厳しい数字だが、何らかの治療を受けた犬は無治療の犬に比べ無増悪生存116日対7日、全生存145日対8日と有意に長かった。体重が重い犬と診断までの期間が短い犬で生存が良好な傾向もみられた。

四肢の骨肉腫と違い骨盤例は断脚という選択肢が取りにくく、診断も遅れがちだ。この研究は予後不良な部位であっても、個々に応じた集学的治療が延命につながり得ることを示した。後ろ足の跛行や腰まわりの痛みが続く大型犬・中型犬では、レントゲンで骨盤までしっかり評価してもらうことが早期発見への近道になる。

🔗 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/42630097/

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6. 💊 医療・疾病・予防

ゾエティス、「ブロックバスター候補12超」のパイプラインを公表——がん領域はモノクローナル抗体・がんワクチン・早期発見診断へ投資

📅 2026.08.10

動物薬世界最大手のゾエティスは、慢性腎臓病・腫瘍・循環器・不安症・肥満などの領域で、将来の年間売上1億ドル超が見込める「ブロックバスター候補」を12以上抱えるパイプラインを公表した。がんは犬の約4頭に1頭が生涯で罹患するとされ、同社の腫瘍研究にはモノクローナル抗体、腫瘍増殖を抑える治療薬、がんワクチン、早期発見・標的治療を支える診断ツールの開発が含まれる。循環器では犬の僧帽弁疾患と猫の肥大型心筋症、その他では猫の慢性腎臓病治療薬も開発中だ。

大手製薬が腫瘍領域を成長の柱と位置づけたことは、ペットのがん治療薬の選択肢が今後数年で本格的に広がることを意味する。アトピー治療のサイトポイントのように、動物専用に設計された抗体医薬ががん領域にも波及すれば、通院負担や副作用のプロファイルは大きく変わるだろう。承認・上市の続報に注目したい。

🔗 https://healthcarebusinessoutlook.com/zoetis-advances-next-wave-of-pet-healthcare-with-12-potential-blockbuster-therapies/

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7. 🧬 研究・科学

猫の「ワクチン関連肉腫」は1万回の接種に約1件——1400万接種のメタ解析が出した答え

📅 2026.07.30

猫のワクチン接種後にまれに発生する注射部位肉腫(FISS)について、発生率の報告が研究によって大きくばらついてきた問題に、カナダ・ゲルフ大学などのチームが系統的レビューとメタ解析で決着を試みた。Journal of Small Animal Practice誌に掲載された解析は8研究・約1,406万回の接種と411例のFISSを統合し、発生率を10万接種あたり8.8件(約1万接種に1件)と推定。2000年以降の研究では発生率が低い傾向がみられ、アジュバント(免疫増強剤)不使用ワクチンの普及が寄与した可能性が示唆された。

著者らは「FISSはまれな有害事象であり、現在のエビデンスはワクチン接種の重要性をむしろ裏付ける」と強調している。感染症で命を落とすリスクはFISSのリスクよりはるかに大きく、接種を避けるのは本末転倒だ。ただし接種後のしこりが「3か月以上残る・直径2cm超・1か月後も増大」する場合は精査が必要という3-2-1ルールは覚えておきたい。接種部位を記録し、しこりに気づいたら早めに獣医師へ相談してほしい。

🔗 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/42532508/

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