🐾🐱 犬猫ニュース — 2026.09.05
犬4 + 猫2 = 計6件
🐾 犬ニュース — 2026.09.05
本日 4件
1. 🏥 医療・疾病・予防
尿道が腫瘍でふさがった犬に「バルーン」で道を開く——英エディンバラ大が9歳の去勢オスで成功、ステントも膀胱瘻チューブも使わない低侵襲の選択肢として臨床試験へ
📅 2026.09.03
英エディンバラ大学ロイヤル(ディック)獣医学部の小動物病院が、尿道の狭窄や閉塞を起こした犬に対する「バルーン拡張術」の臨床試験を始めた。きっかけとなったのは、前立腺腫瘍で尿道が部分的にふさがれた9歳の去勢オスの症例だ。腫瘍科から内科に紹介されたこの犬は、排尿時の激しいいきみ(有痛性排尿困難)と膀胱を空にできない症状が進行しており、CT検査で腫瘍の進行と尿道の部分閉塞が確認された。併発していた細菌性膀胱炎は治療できたが、薬で尿道のけいれんを抑えることはできなかった。尿道ステントは排尿の自制(失禁しないこと)を保つという優先事項から不適切と判断され、担当医は尿道拡張用のバルーンカテーテルで閉塞部を押し広げる方法を選んだ。
X線透視下で開通の改善を確認し、犬は翌日退院。尿道を弛緩させる内科治療を続けたところ、5日以内に尿の勢いが目に見えて改善し、いきみが減り、尿失禁も消えたと飼い主が報告した。担当した小動物内科の英国獣医師会認定専門医ジュリアン・ダンドリュー氏は「緩和的な処置ではあったが、バルーン拡張が今後どこまで尿道閉塞の犬を助けられるか見ていきたい」と話す。ステントや膀胱瘻チューブと違って尿道に異物を残さず、自然な筋肉のコントロールを温存できるため、長期的な尿失禁や再発性の尿路感染症のリスクを下げられる可能性があり、飼い主の費用負担も抑えられるという。高齢の去勢オスで排尿に時間がかかる、何度もトイレの姿勢をとるのに少ししか出ない、といったサインは前立腺や尿道の異常の可能性があるので、早めに獣医師に相談してほしい。
2. 🧬 研究・科学
「ボール遊び」が犬の脳を守るかもしれない——ハンガリーの858頭調査、週1回以上の飼い主との遊びが認知機能低下スコアの低さと関連。散歩だけでは効果が小さかった
📅 2026.08.11
ハンガリー・エトヴェシュ・ロラーンド大学のペーテル・ポングラーツ博士らは、シニア犬858頭(雑種206頭、純血種652頭)の飼い主にアンケートを行い、犬の「スポーツ歴」や飼い主との共同活動の頻度、体型、既往歴、認知機能の老化のサインなどを調べた研究をFrontiers in Veterinary Scienceに発表した。米モリス動物財団が8月11日に解説記事を公開している。純血種の内訳はビーグルのような自立型の使役犬種206頭、ボーダーコリーのような協調型の犬種394頭、トイ犬種50頭。解析の結果、年齢が犬の認知機能低下(CCD)スコアと強く関連していた一方、体高や体重との関連はみられなかった。そして研究チームが最も驚いたのは、飼い主と犬の「共同活動」があるとCCDスコアが有意に低く、この関係は犬の過去のスポーツ歴とは独立していたことだった。
共同活動とは、ボール投げや引っ張りっこのような「双方向」の遊びのことで、単に散歩に連れて行くだけではCCDスコアを下げる効果が小さかった。週1回以上の共同活動があれば、犬の頭の働きを保つ助けになるという。ポングラーツ博士は「アジリティのような競技に出る運動能力の高い犬でなくても、CCDを避ける助けになる。トイ犬種や、フレンチブルドッグのように体型の制約で競技が難しい犬の飼い主にとっても朗報だ」と述べ、長生きするトイ犬種では特に重要だと強調する。ただし、これは関連を示した観察研究であり、遊びが認知症を予防すると証明したわけではない。また効果は若い頃からの継続的な活動に結びついており、高齢になってから急に始めても同じ効果は望みにくいという。愛犬が若いうちから、散歩に加えて短時間でも一緒に遊ぶ習慣をつけておきたい。夜鳴きや徘徊、トイレの失敗などCCDが疑われるサインが出たら、早めに獣医師に相談しよう。
🔗 https://www.morrisanimalfoundation.org/article/dog-cognitive-decline-play-and-brain-health
3. 🐕 犬学
セラピー犬と10分過ごした高校生は唾液のストレスホルモンが下がり、「やればできる」感覚が上がった——米セイクリッドハート大が74人で測定、次は対照群つきの大規模研究へ
📅 2026.09.04
米コネチカット州のセイクリッドハート大学の研究チームが、訓練を受けたセラピー犬との10分間のふれあいが高校生のストレスに与える影響を調べた研究をFrontiers in Psychologyに発表し、コネチカット公共放送が9月4日に報じた。対象はコネチカット州とニューヨーク州の高校生74人で、犬とのふれあいの前後に唾液を採取してストレスホルモンのコルチゾール濃度を測定し、あわせて主観的なストレスの自己評価も行った。筆頭著者で心理学教授のドーン・メルツァー氏は「ストレスの低下と、自己効力感——困難な課題でも自分はやり抜けるという自信——の上昇が見られた」と説明している。
ペットが情緒的な支えになることを示した研究はこれが初めてではない。米ミルフォードで事故や事件のあとに人々を支援する団体K9ファースト・レスポンダーズのブラッド・コール氏は、同級生の死や交通事故、殺人事件といった高ストレスの場面でセラピー犬が感情の調整を助け、「犬がコミュニケーションの壁を下げてくれるので、ボランティアが子どもたちと話せるようになり、危機カウンセラーの仕事が楽になる」と話す。ただし研究チームは、今回見つかったのは犬とのふれあいとストレス軽減の予備的な関連であり、因果関係を確立するにはさらなる研究が必要だと慎重だ。今後は対照群を設けたより大規模な研究で効果がどれくらい持続するかを調べる予定で、大学生を対象にした別の研究も終盤にさしかかっているという。日本でも学校や病院で犬が活動する例が増えているが、犬側の負担も考慮し、休憩や「嫌がったら離れる」ルールを守ることが活動の持続には欠かせない。
4. 🏥 医療・疾病・予防
「パンデミック子犬」の飼い主の8人に1人が家計を理由に犬のケアを削っていた——英RVCの770人調査、通院の先延ばしや保険・トレーニング費の削減も。実態はもっと深刻か
📅 2026.09.04
英王立獣医大学(RVC)の研究チームが、新型コロナ禍に迎えられた「パンデミック子犬」の飼い主770人を対象に、生活費高騰が犬のケアに与えた影響を調べた研究を学術誌Animalsに発表した。データは犬が3歳の誕生日を迎える2022年から2024年にかけて集められたもの。回答者の71.6%は平均以上の収入層だったにもかかわらず、36%が生活費の問題で世帯収入に悪影響が出たと答えた。それでも費用を理由に犬のケアを変更したと答えたのは12.4%にとどまり、今後変更する見込みと答えた人がさらに10.8%いた。一方で、直近9か月に犬が健康問題を経験した飼い主のうち14.8%は、家庭療法に頼る、予定していた通院を取りやめる・先延ばしにする、専門家に相談する前にネット検索に時間をかけるなど、獣医療の受け方を変えていた。トリマー(15.6%)、散歩代行やデイケア(15.7%)、ペット保険(16.6%)、専門家によるトレーニング指導(21.2%)への支出を減らした人はさらに多かった。
研究チームは「回答者が比較的裕福で、このコホート特有の性質があることを考えると、結果は広く一般化できないかもしれず、生活費危機が英国全体の犬の福祉に与える悪影響を大幅に過小評価している可能性がある」と警告している。責任著者のロウェナ・パッカー上級講師は、多くの飼い主が家計の圧力から犬を「守ろう」としているとしつつ、「飼い主が物価上昇を吸収できる限度はあり、経済的な圧力が犬のケアに関する判断に影響していた。こうした変化は長期的に犬の健康と福祉に重要な影響を及ぼしうる」と述べ、経済的に苦しい時期に獣医療・予防・行動面の支援へアクセスできるようにすることが、より深刻な福祉問題の予防につながると訴えた。研究は英国の動物保護団体バタシーが資金提供した。日本でも物価高と獣医療費の上昇は続いており、予防医療や保険を削る前に、かかりつけの獣医師に費用面も含めて率直に相談し、優先順位を一緒に決めておくことが結果的に出費を抑える近道になる。
💡 今日のワンポイント
今日の4本に共通するのは「日々の小さな習慣が犬の将来を左右する」ということ。週1回のボール遊びが脳を守り、排尿の変化への早い気づきが低侵襲治療の選択肢を広げ、家計が苦しいときこそ獣医師との率直な相談が犬を守る。そして犬が人を癒やす場面では、犬自身の休息も忘れずに。
🐱 猫ニュース — 2026.09.05
本日 2件
1. 🏥 医療・疾病・予防
開胸せずに首の静脈から「栓」を入れて心臓の穴をふさぐ——2歳の猫が世界で3例目の低侵襲PDA治療、傷はわずか3mmで24時間以内に退院
📅 2026.09.02
英ウォリントンの2歳の猫「ベア」が、先天性心疾患の動脈管開存症(PDA)に対する世界でも数例しか報告のない低侵襲治療を受けた。嘔吐の症状でかかりつけ医を受診したところ大きな心雑音が見つかり、循環器専門医の初期検査でPDAに一致する心臓の変化が確認されて、専門病院チェスターゲーツ・ベタリナリー・スペシャリストに紹介された。心エコー検査では、まだ心不全には至っていないものの、心臓にはすでにPDAによる負担が出始めていた。猫のPDAは従来、開胸を伴う複雑で侵襲の大きな手術で治療されてきたが、ベアには首の頸静脈から細いカテーテルを通し、「アンプラッツァー血管プラグII」という閉塞デバイスを心臓の中まで誘導して動脈管をふさぐ方法がとられた。
この「鍵穴」手技で残る傷はわずか3mm。体重1.5kgの動物にも実施できるため、4.9kgのベアは「理想的な候補」だったという。処置は同院クリニカルディレクターで欧州小動物循環器専門医のリズ・ボーデ氏が率い、麻酔チームの支援のもとリアルタイム画像でデバイスの正確な留置を確認した。一晩の入院後、翌朝のスキャンでベアの心臓はすでに正常な大きさへ戻り始めており、長期的な心不全リスクは「きわめて低い」と判断されて、処置から24時間以内に退院した。ボーデ氏は「この手技は世界で3頭の猫でしか報告されていない。ベアに低侵襲の選択肢を提供でき、これほど順調に回復したことをうれしく思う」と話す。犬では一般的になりつつあるカテーテルによるPDA閉鎖が、体の小さな猫にも広がりつつある。子猫や若い猫で心雑音を指摘されたら「様子見」にせず、循環器の専門的な検査を受けるよう獣医師に相談してほしい。
2. 🏋️ トレーニング・行動科学
「外猫を室内飼いに切り替える」のは思ったより簡単だった——豪アデレード大が飼い主87人を調査、3分の2以上が「予想より楽」、半数の猫は数週間で適応
📅 2026.08.04
オーストラリア・アデレード大学動物獣医科学部のジュリア・ヘニング博士らは、屋外で暮らしていた猫を室内飼いに移行させた経験のある豪州・ニュージーランドの飼い主87人を調査した研究をApplied Animal Behaviour Scienceに発表した。飼い主は当初、猫の幸福や行動を心配していたが、3分の2以上が「移行は予想より簡単だった」と答え、猫と飼い主双方にとって利点が困難を上回ったと報告した。室内飼いに踏み切った最大の動機は猫の安全で、交通事故、ほかの動物からの攻撃、病気や寄生虫、中毒、そして猫が鳥などの野生動物に与える脅威への懸念が挙げられた。移行後は同じ項目が「最大の利点」として圧倒的に多く挙がり、安心感の向上に加え、猫の健康を観察しやすくなった、一緒に過ごす質の高い時間が増えた、猫との絆が深まったという声もあった。約半数の猫は数週間で室内生活に慣れ、若い猫ほど早く適応した。
一方で、適応期間中は猫がよく鳴く、ドアや窓を引っかく、いらだって見えるといった課題も共通して報告された。十分な環境エンリッチメント(遊びや隠れ場所などの刺激)を用意できるか、トイレの管理、体重増加の予防も飼い主の懸念だった。フードや猫砂、家の改修などで費用は増えたが、外歩きによるケガや健康リスクが減ることで獣医療費は時間とともに下がったという。多くの飼い主は猫の自由を制限することに罪悪感を抱いていたが、最も安全な選択だと信じていた。共同著者のスーザン・ヘイゼル博士は「移行の成功は猫と同じくらい飼い主を支えることにかかっている。移行期に見られる行動は一時的なものだという安心材料と、キャットタワーや爪とぎ、おもちゃ、遊びの機会といった実践的な戦略が猫の適応を助ける」と話す。移行はケガや病気、引っ越しなど予期せぬ出来事をきっかけに始まることが多く、3分の1以上は準備の時間がほとんどなく、半数近くは何の準備もしていなかったにもかかわらず、大半が「思ったより楽だった」と振り返った。日本でも完全室内飼いは推奨されており、迎え入れの際や引っ越しを機に切り替える場合は、上下運動できる場所と隠れ場所を先に用意しておくと、鳴きや引っかきの時期を短くできる。
🔗 https://phys.org/news/2026-08-indoor-easier-cats-owners.html
💡 今日のワンポイント
心雑音の「様子見」をやめること、室内飼いへの切り替えを恐れないこと。どちらも「今の猫の状態を正しく知る」ことから始まる。猫の変化に気づいたら、次の定期健診を待たずに相談を。
毎朝7時配信

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