🎗️ 犬猫 腫瘍ニュース — 2026.10.10

🎗️ 犬猫 腫瘍ニュース — 2026.10.10

犬猫の腫瘍・がん関連ニュース&論文 計7件


🎗️ 腫瘍・がん関連ニュース — 2026.10.10

本日 7件


1. 💊 治療・新薬

犬の骨肉腫に集束超音波「ヒストトリプシー」で腫瘍の一部を破壊、32頭で重い副作用なし——化学療法併用19頭の生存期間中央値は316日(バージニア工科大学)

📅 2026.08.05

米バージニア工科大学の獣医学部と生体工学部の研究チームが、『Cancers』誌(18巻15号)に発表した臨床試験の結果です。ヒストトリプシーは、集束超音波で組織を物理的に壊す方法で、今回は犬の骨肉腫の腫瘍体積のうち2cm³だけを全身麻酔下で処理し、1日後・3日後・5日後に断脚手術を行いました。登録は32頭で、骨肉腫と確認されたのは28頭です。重い有害事象はなく、皮膚の赤みなどは24時間以内に治まりました。処理した部分では免疫チェックポイント関連の遺伝子(CTLA4、PD-L1、PD-1)の発現が上がり、血液中の単球の活性化も見られました。補助化学療法を受けた19頭の生存期間中央値は316日で、標準治療の目安である10〜12か月を超えた犬は9頭でした。

比較は同時期の対照群ではなく過去の報告との照合で、遺伝子解析は各群6頭、割り付けも飼い主や病院の都合で決まっています。化学療法なし5頭の中央値は127日で、小さな数のため探索的な結果にとどまります。論文の本文には数値の不整合もあり、著者は部分的な処理や試験期間の短さなど複数の限界を挙げています。骨肉腫は進行が速いので、足の跛行や腫れに気づいたら早めに受診し、新しい治療は主治医と相談してください。

🔗 https://www.mdpi.com/2072-6694/18/15/2511

💊 治療・新薬


2. 💊 治療・新薬

骨肉腫の犬7頭に、ニクロサミドのナノ粒子プロドラッグを手術・カルボプラチン後に投与、生存期間中央値は約632日——ただし高体温の緊急例も、10頭の小規模な実現可能性試験(AJVR)

📅 2026.01.28

『American Journal of Veterinary Research』に掲載された臨床での実現可能性試験を、dvm360が2026年1月28日に紹介しました。自然発生の骨肉腫の犬10頭が、腫瘍の切除とカルボプラチン4回の標準治療を受け、そのうち7頭が、もとは駆虫薬であるニクロサミドのステアリン酸プロドラッグ(ナノ粒子製剤、10 mg/kg)の週1回・最大4回の点滴を追加で受けました。投与した7頭の転移までの期間の中央値は約510日、全生存期間の中央値は約632日で、3頭が4年を超えて生存しました。副作用は、一過性の肝酵素上昇、激しいパンティング、発熱で、1頭は緊急の冷却が必要でした。

非ランダム化の7頭だけで、比較は過去の成績に頼っており、転移が先に出た犬もいます。最大耐用量は決まっておらず、薬物動態の採血も2時間分にとどまります。著者らは、用量設定試験とより大規模なランダム化試験が必要としており、現時点で臨床での使用を勧める根拠にはなりません。骨肉腫の治療法は、主治医の腫瘍専門医と相談して選んでください。

🔗 https://www.dvm360.com/view/novel-niclosamide-prodrug-shows-promise-against-canine-osteosarcoma

💊 治療・新薬


3. 💉 製薬・バイオ企業

鉄代謝に働く試験薬Telomir-Znが、犬とヒトの骨肉腫の培養細胞3株で増殖を抑制と企業発表——オハイオ州立大学と共同、論文化は未確認で犬での試験は未定

📅 2026.09.22

米フロリダ州の製薬企業Telomir Pharmaceuticalsは2026年9月14日、オハイオ州立大学獣医学部(Shay Bracha准教授)との共同研究で、試験薬Telomir-Znが骨肉腫の培養細胞で抗腫瘍活性を示したと発表し、dvm360が9月22日に報じました。試験はヒト由来のHOSと、犬由来のD17およびAbramsの計3株を使った試験管内の実験で、会社によると、3株とも低い濃度で増殖が抑えられました。会社は、細胞内の不安定な鉄を乱し、鉄に依存するヒストン脱メチル化酵素を阻害して、がんで止められた遺伝子の働きを戻すと説明しています。犬の自然発生の骨肉腫での試験は、大学と協議中の段階です。

これは企業の発表であって、治療成績ではありません。濃度や抑制の程度は公表されず、査読を経た論文かどうかも確認できません。動物やヒトでの有効性、安全性、投与量のデータもなく、同社の主力はヒトの乳がんです。骨肉腫の愛犬の治療は、これまで通り主治医と相談してください。

🔗 https://www.dvm360.com/view/experimental-drug-found-to-slow-bone-cancer-cell-growth-in-dog-and-human-lab-tests

💉 製薬・バイオ企業


4. 🏥 医療・疾病・予防

コロラド州立大学フリント動物がんセンターが新しい放射線治療装置Varian Edgeを導入、2026年4月20日に稼働、第1号は鼻腔腫瘍のゴールデン・レトリーバー

📅 2026.04.22

米コロラド州立大学のフリント動物がんセンターが、放射線腫瘍科に新しい直線加速器「Varian Edge」を導入したと、2026年4月22日に発表しました。装置は4月20日に稼働を始め、スタッフは数週間の訓練を受けています。センターは、精密で効率的な照射により周囲の健康な組織を守り、麻酔や治療の時間を短くできると説明しています。最初に治療を受けたのは鼻腔に腫瘍がある7歳のゴールデン・レトリーバーで、通常分割の放射線を18回行う予定です。費用は寄付でまかなわれ、今後は放射線への反応や併用療法の研究にも使う計画です。

これは施設の導入のお知らせで、治療成績の報告ではありません。精度や時間短縮の主張は定性的なもので、費用や仕様、生存期間などの数値は示されていません。放射線治療は腫瘍の種類や場所によって向き不向きがあるため、受けられる施設や適応は、かかりつけの獣医師を通じて確認してください。

🔗 https://www.csuanimalcancercenter.org/2026/04/22/radiation-oncology-upgrade/

🏥 医療・疾病・予防


5. 🔬 診断・バイオマーカー

まれな眼瞼の皮脂腺癌でMYC遺伝子のコピー数増加、犬のマイボーム腺腫瘍との比較も計画——タフツ大学カミングス獣医学部のPeterson助教

📅 2026.10.07

米タフツ大学カミングス獣医学部の病理医Cornelia Peterson助教の研究を、同大が2026年10月7日に紹介しました。対象は、まぶたのマイボーム腺に多い皮脂腺癌で、ヒトでは年に50万人に1人以下のまれな腫瘍です。解析した腫瘍の多くで、MYC遺伝子が通常の2コピーではなく4〜6コピーに増えていました。2026年7月に『American Journal of Pathology』に出た論文では、マウスとヒト細胞の実験で、MYCがこのがんの発生に関わる重要な因子と示唆されています。犬のマイボーム腺腫瘍は一般に境界がはっきりした良性のものが多く、ヒトの悪性腫瘍との違いを調べることで、悪化の要因が分かる可能性があるとしています。

犬を直接対象にした成績ではなく、確認された結果はマウスとヒト細胞の段階です。犬の腫瘍の比較や脂質バランスの研究は、これから進める内容とされ、症例数も記事には書かれていません。犬のまぶたにできものがあるときは、良性が多いとはいえ自己判断せず、大きさや変化を獣医師に見てもらってください。

🔗 https://www.newswise.com/articles/she-scours-genes-to-find-what-s-behind-a-rare-eye-cancer

🔬 診断・バイオマーカー


6. 🏥 医療・疾病・予防

猫の腫瘍5,289件(5,154頭)をイタリア2登録機関で解析、悪性は80.6%・線維肉腫17.5%・腺癌15.4%・扁平上皮癌14.0%、年齢が1歳上がるごとに悪性の確率が約8%上昇(ピサ大学など)

📅 2026.01.19

イタリアのピサ大学などの研究チームが、『Scientific Reports』16巻に発表した後ろ向き研究です。ピサ大学の病理登録と、ラツィオ州の動物腫瘍登録の2008〜2023年のデータから、猫5,154頭の原発腫瘍5,289件を解析しました。悪性は80.6%で、種類は線維肉腫が926件(17.5%)、腺癌が814件(15.4%)、扁平上皮癌が738件(14.0%)、リンパ腫が507件(9.6%)でした。年齢が1歳上がるごとに悪性のオッズは約8%上がり(OR 1.08)、雌(OR 1.39)と雑種(OR 1.89)で高く、避妊・去勢は腺癌の低いオッズ(OR 0.79)と関連しました。扁平上皮癌の診断は増え、線維肉腫は減る傾向でした。

組織検査に出された症例が中心で、罹患率を示すものではなく、純血種が7.2%と少ないため犬種別の解析はできていません。猫専用のコード体系がなく犬用を改変したことや、論文内の数値に食い違いがあることも限界で、著者も探索的な解析としています。高齢の猫で口の中や皮膚の治りにくい傷、しこりがあれば、早めに動物病院へ相談してください。

🔗 https://www.nature.com/articles/s41598-026-35379-8

🏥 医療・疾病・予防


7. 🏥 医療・疾病・予防

【日本】ヘリコバクター様細菌の検出を契機に除菌療法を行い、猫の胃の大細胞性リンパ腫が2.5年超寛解——日本獣医がん学会雑誌の短報(ユウ動物病院、North Lab)

📅 2026.06.25

『日本獣医がん学会雑誌』15巻1号(2026年)の短報で、J-STAGEでの公開日は2026年6月25日です。著者はユウ動物病院の佐々木悠氏、佐藤百花氏、荒井春樹氏、岸川直幹氏と、North Labの賀川由美子氏です。症例は7歳の去勢雄の猫で、3か月間、治療に反応しない嘔吐と体重減少が続き、胃体部の腫瘤を内視鏡生検で胃の大細胞性リンパ腫と診断しました。ヘリコバクター様の菌は、組織検査では見つからず、細胞診の塗抹で確認されています。除菌療法のみが行われ、要旨では、2.5年を超える寛解が得られたと報告されています。

確認できたのは要旨の範囲で、除菌療法の薬の内容や、画像などの詳しい所見はここでは確認できていません。1例の報告であり、除菌療法でリンパ腫が治るとは言えず、他の猫に同じ結果が出る保証もありません。猫の嘔吐や体重減少が続くときは、自己判断で様子を見ず、獣医師に相談して検査を受けてください。

🔗 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jvcs/15/1/15_2026-001/_article/-char/ja

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