📚 犬猫 研究論文 — 2026.10.11

A small shih tzu dog sits on artificial grass

📚 犬猫 研究論文 — 2026.10.11

注目論文 3件



1. 🩺 医療・疾病・予防(栄養・消化器・猫)

【日本】健康な猫5頭に処方食4種を順番に与えて便中の腸内細菌を比較——腎臓病用食ではビフィズス菌(Bifidobacterium)を含む放線菌門が増加、食事の種類で菌の構成が変わる(日本獣医生命科学大学)

📅 2026.10.03

日本獣医生命科学大学の研究チームによる試験です。臨床的に健康な猫5頭に、市販の処方食4種(低炭水化物食、体重管理食、可溶性食物繊維を多く含む食、腎臓病用食)を、4×4のラテン方格法(全頭が全ての食事を順番に経験する方法)で与えました。便から細菌の16S rRNA遺伝子を解読して腸内細菌の構成を調べています。腎臓病用食では、ビフィズス菌を含む放線菌門が多く、Blautiaなどが少なくなりました。低炭水化物食ではAdlercreutzia、Collinsella、Slackiaが、高可溶性繊維食ではレンサ球菌科の割合が高くなりました。菌の多様性(アルファ多様性)に食事間の差はありませんでしたが、菌の構成(ベータ多様性)には差がみられました。

著者らは、食事の組成が健康な猫の便中の腸内細菌に影響しうると結論する一方、探索的な研究でデータの性質上、仮説を示す段階の結果としています。要旨からは、これらの菌の変化が猫の健康や病気の経過に良い影響を与えるかどうかは確認できません。対象も健康な猫5頭のみです。処方食は病気ごとの目的で設計されたフードなので、健康な猫に自己判断で切り替えるのは避け、フードの変更や下痢・軟便が続く場合は、かかりつけの獣医師に相談してください。

📖 Journal of Veterinary Medical Science, 2026, 88(10), 1471–1478(DOI: 10.1292/jvms.24-0494)

🔗 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jvms/88/10/88_24-0494/_article/-char/en

🩺 医療・疾病・予防(栄養・消化器・猫)


2. 🧠 トレーニング・行動科学(高齢犬・認知機能)

高齢犬84頭を追跡すると、トイレの失敗が多い犬ほど抑制制御と回り道課題の成績が低い——失敗スコアは年齢とともに上昇し、尿比重の低下とも関連、尿検査の異常は想定より少ない(ノースカロライナ州立大学ほか)

📅 2026.09.01

ノースカロライナ州立大学などの研究チームが、加齢に関する長期追跡コホートに参加する飼い犬84頭を前向きに調べました。登録時の平均年齢は12.77±1.91歳です。半年ごとに自由排尿の尿検査を行い、飼い主が犬認知症評価尺度(CADES)に記入し、認知テストも実施しました。解析した尿検査231件のうち、膿尿19件、血尿14件、細菌尿11件、蛋白尿194件でした。トイレの失敗スコア(0〜25)は年齢とともに高くなり(P<0.001)、尿比重が低いほど高くなりました(P<0.001)。多変量解析でも年齢と尿比重は有意なままで、失敗スコアが高い犬ほど抑制制御(P<0.001)と回り道課題(P<0.001)の成績が低くなっていました。

著者らは、トイレの失敗は尿比重と実行機能(行動を計画・抑制する働き)に関連し、尿検査の異常は想定より少なかったことから、泌尿器や全身の病気だけでなく認知機能低下のサインである可能性を示しています。ただし観察研究のため、原因と結果の関係は要旨からは確認できません。高齢の犬がトイレを失敗するようになったら、叱らずに、まず動物病院で尿検査を含む診察を受け、病気と認知機能の両面から獣医師に相談してください。

📖 Journal of Veterinary Internal Medicine, 2026, 40(5), aalag208(DOI: 10.1093/jvimsj/aalag208)

🔗 https://doi.org/10.1093/jvimsj/aalag208

🧠 トレーニング・行動科学(高齢犬・認知機能)


3. 🧠 トレーニング・行動科学(食の好み・犬猫)

微生物由来たんぱく質10%配合フードは、犬30頭・猫30頭の2皿テストで好まれた——犬は72%対50%、猫は51%対34%(ポルトガル・MicroHarvest社)

📅 2026.09.23

ポルトガルのMicroHarvest社の研究チームによる、ペットフードの新しい原料としての微生物由来たんぱく質の嗜好性試験です。家庭で、犬30頭・猫30頭に、微生物たんぱく質を10%配合したフードと、主要栄養素をそろえた対照フードを2つの皿で並べて4食与えました。犬は微生物たんぱく質のフードを72%食べたのに対し対照は50%(p=0.002)、猫は51%対34%(p=0.001)で、どちらの種でも先に近づく・先に食べる割合が高くなりました。成分分析では栄養素の構成は同等で、必須アミノ酸もそろい、トリプトファンが多く、オメガ6対オメガ3の比が低いことが示されています。

著者ら自身が探索的な研究と位置づけ、結果は短期間の嗜好性に限られ、長期的な受け入れや健康への影響の証拠とはみなせないと述べています。研究は原料を開発する企業の所属で、犬猫の健康への効果は要旨からは確認できません。食いつきが良いことは栄養面の良さを意味しないため、新しい原料のフードを試す場合は、総合栄養食かどうかを確認し、アレルギーや持病のある子は獣医師に相談してから少量ずつ切り替えてください。

📖 PLoS One, 2026, 21(9), e0356767(DOI: 10.1371/journal.pone.0356767)

🔗 https://doi.org/10.1371/journal.pone.0356767

🧠 トレーニング・行動科学(食の好み・犬猫)


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