🎗️ 犬猫 腫瘍ニュース — 2026.10.31

🎗️ 犬猫 腫瘍ニュース — 2026.10.31

犬猫の腫瘍・がん関連ニュース&論文 計6件


🎗️ 腫瘍・がん関連ニュース — 2026.10.31

本日 6件


1. 🧬 研究・科学

犬の侵襲性口腔腫瘍(棘細胞性エナメル上皮腫)に、既存薬ネラチニブが有効な可能性——コーネル大学が単一細胞解析で標的ERBB4を特定

📅 2026.08.18

米コーネル大学の研究チームが、犬の棘細胞性エナメル上皮腫(CAA)に既存の薬ネラチニブが効く可能性を示し、成果を『Molecular Therapy Oncology』(2026年7月21日)に発表した。CAAは良性だが周囲の骨に入り込む口腔腫瘍で、悪性で転移する口腔扁平上皮癌(COSCC)と見分けにくく、誤診が約3分の1の症例で起きるという。生検検体の単一細胞RNAシーケンスで、CAAに特有でニューロンに似た分子の特徴を持つ希少な細胞を同定し、この細胞がERBB4遺伝子を発現していた。

数十種類の治療化合物から、ERBB4を阻害するFDA承認薬ネラチニブを選び、生きたCAA腫瘍組織で試したところ腫瘍の増殖を効果的に抑えた。研究はコーネル大学のリニー犬健康センターなどが資金を提供している。ただし検体数や抑制の数値は記事にはなく、犬への投与は未検証で、臨床試験の実施を目指す段階だ。顎の骨を切除する手術が必要になることの多い腫瘍で、将来は手術以外の選択肢や診断精度の向上につながるかもしれないが、現時点で治療に使えるわけではない。

🔗 https://news.cornell.edu/stories/2026/08/existing-drug-could-treat-invasive-canine-oral-tumors

🧬 研究・科学


2. 🏥 医療・疾病・予防

カリフォルニア大デービス校が犬の脳腫瘍(グリオーマ)の臨床試験2件の参加犬を募集——NCI資金、放射線治療費に最大4,000ドルを補助

📅 2026.09.10

米カリフォルニア大学デービス校獣医学部が、グリオーマ(星細胞腫や乏突起膠腫などの脳腫瘍)が疑われる、または確定した犬を対象に、米国立がん研究所(NCI)が資金を提供する2つの臨床試験の参加犬を募集している。CARE試験は、がん細胞の生き残りを助けるオートファジー(細胞の自己分解)を阻害する研究段階の薬を、標準的な放射線治療と組み合わせて週2回・4週間静脈投与する。治療前後に腫瘍の生検を行い、薬が腫瘍に届くかや生物学的な反応を調べ、試験関連の処置は無償で放射線治療に4,000ドルが補助される。

PRISM試験は60頭を2つの経路(観察・緩和と放射線治療)に分け、グリオーマが時間とともにどう変化し経過とどう関係するかを追う。観察・緩和経路は実験的治療なしで月1回の受診と脳MRIを行う。いずれも開始時に生検を行い、後に安楽死を選ぶ場合は剖検も参加条件に含まれる。確定診断前の疑い例もスクリーニングの対象で、実施場所は米カリフォルニア州デービスだ。参加しても個々の犬の転帰が良くなる保証はなく、CARE試験の薬の安全性と有効性も確立していない。日本の飼い主には、臨床試験という選択肢があることの紹介にとどまるが、脳腫瘍が疑われる犬は神経科のある動物病院での精査が大切だ。

🔗 https://www.dvm360.com/view/uc-davis-clinical-trials-are-recruiting-dogs-with-glioma

🏥 医療・疾病・予防


3. 🧬 研究・科学

実験薬「Telomir-Zn」が犬とヒトの骨肉腫細胞株で増殖を抑制——オハイオ州立大が評価、企業発表ベースの培養細胞レベルの予備データ

📅 2026.09.22

米オハイオ州立大学獣医学部のシェイ・ブラチャ准教授(腫瘍学)らが、米テルミア・ファーマシューティカルズ社の実験薬Telomir-Znを、骨肉腫の細胞株3種で評価した。ヒトのHOS、犬のD17とAbramsの3株で、いずれも同程度の低い濃度で増殖が抑えられたと同社が9月14日に発表し、dvm360が22日に報じた。薬は鉄と銅の調節を標的にするとされ、同社の当面の注力はヒトの進行性・転移性トリプルネガティブ乳がんの第1/2相試験だ。

大型犬の原発性骨腫瘍の約80〜90%は骨肉腫で、ヒトでも転移のある患者の5年生存率は約30%とされる。ブラチャ氏は犬とヒトの細胞株で活性が一貫している点を「特に注目に値する」と述べた。ただし結果は培養細胞のみで、実際の濃度や抑制率は公表されておらず、査読前の企業発表だ。自然発症の犬の骨肉腫での試験は大学と協議中だが、実施の確約も時期も示されていない。現時点で犬の治療に使える薬ではなく、効く可能性を探る初期のシグナルとして受け止めたい。

🔗 https://www.dvm360.com/view/experimental-drug-found-to-slow-bone-cancer-cell-growth-in-dog-and-human-lab-tests

🧬 研究・科学


4. 🧬 研究・科学

がんワクチンを受けた犬51頭で、腸内細菌11種が生存期間と関連——オレゴン州立大の初期研究(Veterinary Oncology)

📅 2026.02.17

米オレゴン州立大学カールソン獣医学部のナタリア・シュルジェンコ氏らは、新しいがんワクチン(細胞の増殖を促す2種のたんぱく質を免疫に抑えさせる免疫療法)を受けたさまざまな年齢・犬種の犬51頭を対象に、治療前の直腸スワブで腸内細菌を解析した。その結果、生存期間と関連する細菌11種を同定し、生存が長い方に関連するものと短い方に関連するものがあった。成果は『Veterinary Oncology』に発表され、同大学が2月17日にニュースリリースを出した。

研究者自身が「初期の研究」「最初の一歩」と位置づけており、示されたのは関連であって因果ではない。生存期間の数値や効果量、11種の菌名、がん種別の症例数、対照群などは記事に記載がない。将来的には、スワブで治療への反応を予測したり、腸内細菌を整えてワクチンの効果を高めたりする可能性があるが、いずれも未検証だ。現時点で、市販のプロバイオティクスなどでがん治療の結果を改善できるという根拠はない。公開から8か月ほど経った研究である。

🔗 https://news.oregonstate.edu/news/early-study-connects-dogs%E2%80%99-cancer-survival-which-microorganisms-live-their-gut

🧬 研究・科学


5. 🏥 医療・疾病・予防

猫の消化管型リンパ腫とIBDの見分け方——腫瘍専門医クリフォード氏が解説、猫のリンパ腫の80%超が消化管型と推定(Vet Blastポッドキャスト)

📅 2026.10.06

米国の獣医腫瘍専門医クレイグ・A・クリフォード氏(DACVIM腫瘍学)が、dvm360のVet Blastポッドキャストで、猫の消化管の病気の診断の難しさを語った(10月6日掲載)。同氏によれば、中〜大細胞型のリンパ腫は悪性度が高く、それまで元気だった猫が突然食べなくなり消化器症状を示すことが多い。最も多い形は消化管型で、同氏の推定では猫のリンパ腫の80%以上が消化管型だという。

一方、小細胞型は低悪性度で、食欲低下・体重減少・嘔吐・下痢といった症状が数週間から数か月続き、炎症性腸疾患(IBD)と症状が重なる。新しい研究データではなく専門医の解説で、取得できたのは番組の抜粋のみのため、具体的な検査名や治療の詳細は確認できていない。慢性の嘔吐や下痢、体重減少がある猫を「ただの胃腸炎」と決めつけず、症状が続くときは動物病院で精査を受けることが大切だ。

🔗 https://www.dvm360.com/view/ibd-or-lymphoma-sorting-out-the-feline-gi-puzzle

🏥 医療・疾病・予防


6. 🏥 医療・疾病・予防

犬のがん患者から生まれる低侵襲治療——パデュー大の腫瘍アブレーション研究、集束超音波とパルス電場で腫瘍を壊す

📅 2026.10.22

米パデュー大学獣医学部の比較腫瘍学研究センターで、シャウナ・クラーン氏とニコラオス・ディルヴィシス氏らが、犬のがん患者を通じて腫瘍アブレーション(腫瘍を壊す低侵襲治療)を研究していると、同大学が10月22日に紹介した。エネルギー源は集束超音波とパルス電場療法の2種類で、微小な気泡の働きで腫瘍組織を機械的に壊す新しい集束超音波の方法もある。CTで計画し、リアルタイムの超音波ガイドで行い、多くは外来で実施できるという。膀胱がんや一部の侵攻性の骨腫瘍は、犬とヒトで遺伝的にも臨床的にも近いとされる。

手術・放射線・化学療法より効果的で副作用が少ない可能性が述べられているが、これは定性的な説明で、頭数や転帰などの数値は示されておらず、査読論文の引用もない。利用できるかどうかは地域や施設で異なり、効果は腫瘍の部位や種類、全身状態にも左右される。手術が難しい腫瘍に対する将来の選択肢の紹介と位置づけ、現時点で犬の標準治療として確立したものではない点に注意したい。

🔗 https://www.purdue.edu/newsroom/2026/Q4/canine-cancer-patients-contribute-to-next-generation-minimally-invasive-cancer-therapies-for-dogs-and-humans

🏥 医療・疾病・予防


🎗️ 犬猫腫瘍ニュース | all-i-need-are-dogs.blog

コメントをどうぞ