📚 犬猫 研究論文 — 2026.10.31
注目論文 3件
1. 🏥 獣医学・感染症
【日本】猫シェルターで発生した家猫B型肝炎ウイルスのアウトブレイク——173頭中46頭(26.59%)が陽性、病変は胆管炎・線維化・胆管癌(宮崎大学ほか)
📅 2026.06.01
家猫B型肝炎ウイルス(DCHBV)は猫の慢性肝炎や肝がんと関連するウイルスで、著者らの以前の調査では日本の検体での陽性率は1%未満だった。宮崎大学などの研究チームは、日本の猫シェルターで初めて記録されたDCHBVのアウトブレイクを調べた。対象の猫173頭について血液・口腔スワブ・直腸スワブをリアルタイムPCRで測定したところ、46頭(26.59%)が陽性で、血中と口腔のウイルス量には有意な相関があった。ウイルス血症の猫では、口腔スワブの40.54%、直腸スワブの19.44%でウイルスDNAが検出された。
死亡した猫のポリメラーゼ遺伝子は99.2%超で一致し、単一株による流行と考えられた。肝組織ではウイルスが肝細胞と胆管上皮に確認され、胆管炎、線維化、胆管癌がみられた。著者らは、伝播経路が従来考えられていたより複雑かもしれないと結論している。多頭飼育や保護猫の受け入れでは、検査と衛生管理が重要になりうるが、国内の一般的な陽性率は低いとされる。なお本稿は要旨ページに基づき、研究の限界は確認できていない。猫の肝臓の病気が気になる場合は、獣医師に相談してほしい。
📖 Journal of Veterinary Medical Science, 2026, 88(6): 838-847(DOI: 10.1292/jvms.26-0138)
🔗 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jvms/88/6/88_26-0138/_article
🏥 獣医学・感染症
2. 🧠 行動・認知科学
犬猫の防御的な行動を「恐れ」と見るか「怒り」と見るかで、飼い主の対応が変わる——米国の成人194人のオンライン調査(コロラド大学コロラドスプリングス校)
📅 2026.07.15
米コロラド大学コロラドスプリングス校のアンナ・E・ホロウェイ氏らは、米国の成人194人(21〜78歳)に、新しく迎えた犬または猫が接触なしで防御的な行動を示す文章シナリオを読んでもらった。行動の強さは低・高の2段階(被験者間)、動物の種は犬・猫(被験者内)とした。参加者は恐れと怒りを1〜5点で評価し、場所を移す・手放す・トレーナーに頼る・投薬・再譲渡・叩く、の6つの対応について実行しそうな度合いを1〜4点で答えた。
行動が強いほど、感情の知覚も対応の可能性も高まった。全体では怒りより恐れが多く当てはめられたが、強度が上がると怒りの割合が増えた。恐れと見た人は場所を移すなどの穏やかな対応を、怒りと見た人は手放す・叩くなど影響の大きい対応を取りやすかった。動物の感情は道徳的に重要だと考える人ほど、破壊的・嫌悪的な対応をしにくかった。対応は自己申告の意図で、実際の行動ではない点や、文章だけで映像・音声がない点が著者の挙げる限界だ。唸りや吠えは恐れのサインのことが多く、叩くのではなく、環境の調整や専門家への相談を考えてほしい。
📖 Frontiers in Psychology, 2026, 17: 1857104(DOI: 10.3389/fpsyg.2026.1857104)
🔗 https://www.frontiersin.org/journals/psychology/articles/10.3389/fpsyg.2026.1857104/full
🧠 行動・認知科学
3. 🏥 獣医学・外科
犬猫の開放創に「蛍光バイオモジュレーション」を追加しても有意な差なし——15頭(犬8・猫7)で1つの傷を半分に分けて比較(スペイン・CEUカルデナル・エレラ大学)
📅 2026.07.22
傷に光変換ジェルを塗り、青色LED(440〜460nm)を当てる蛍光バイオモジュレーションが、犬猫の開放創の治りを助けるかを調べた前向き無作為化試験。スクリーニングした46頭のうち基準を満たした15頭(犬8頭・猫7頭)が対象で、傷は体表面積の0.05〜6%だった。1つの傷を2つの部分に分け、無作為に片方へ週1回の光治療(ジェルを約2mmの厚さで塗り、2分照射、ジェルを除去してもう一度照射)を加え、もう片方は対照とした。両方にTIME(組織・感染・湿潤・辺縁)に基づく標準的な創傷管理を行い、最長4週間観察した。
創の面積の縮小、盲検の2人による肉眼スコア、手術で閉鎖した7創の病理組織と免疫染色のいずれにも、統計的に有意な差はなかった。面積では、治療側が優位だった創が7、対照側が優位が6、同等が2だった。治療を早く始めた一部で面積縮小が早い傾向はあったが有意ではなく、完全閉鎖にも差はなかった。著者らは、効果があっても小さいか限られた症例にとどまるとしている。症例数が少なく、一部の資金・資材・掲載料を使用機器の製造元であるベトキノール社が提供している点にも注意が必要だ。創傷の治療は標準的な管理が基本なので、補助療法を検討するときも獣医師に相談してほしい。
📖 Frontiers in Veterinary Science, 2026, 13: 1870940(DOI: 10.3389/fvets.2026.1870940)
🔗 https://www.frontiersin.org/journals/veterinary-science/articles/10.3389/fvets.2026.1870940/full
🏥 獣医学・外科
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