🎗️ 犬猫 腫瘍ニュース — 2026.11.01
犬猫の腫瘍・がん関連ニュース&論文 計6件
🎗️ 腫瘍・がん関連ニュース — 2026.11.01
本日 6件
1. 🧬 研究・科学
犬のがんを血液の小分子RNAと機械学習で判別——犬389頭でAUC中央値0.926、miRNAのみの0.881を上回る(ARKRAY・東京大学ほか、J Vet Intern Med)
📅 2026.09.01
ARKRAY、東京大学、鹿児島大学、山口大学などの研究チームは、血液中の小分子RNAを使った犬のがんスクリーニングを検討した。対象は389頭で、がんの犬85頭、がん以外の病気の犬77頭、健康な犬227頭。マイクロRNA(miRNA)に加え、miRBase以外の小分子RNAをカスタムデータベースで注釈し、2種類のデータセットでそれぞれ12の機械学習モデルを作成して、5分割交差検証とAUCで性能を比べた。
併用モデルのAUC中央値は0.926(95%信頼区間0.911〜0.944)で、miRNAのみの0.881(0.860〜0.897)より高かった(P < .001)。著者らは、複数種の小分子RNAを組み合わせると犬のがんの分類が改善するとしつつ、独立した集団での前向きな検証が必要と述べている。性能は同じデータ内の交差検証によるもので、感度・特異度などは要旨に示されていない。現時点で動物病院で使える検査ではなく、症状やしこりがあれば通常の検査を受けることが大切だ。
🔗 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/42960979/
🧬 研究・科学
2. 🏥 医療・疾病・予防
犬の軟部組織肉腫31腫瘍で、切除の取り残しは3例のみ——切除マージン1〜1.5cmで7/8、2〜2.5cmで10/11、3cmで11/12が完全切除(バージニア工科大学ほか)
📅 2026.11.01
バージニア・メリーランド獣医大学の研究で、犬の軟部組織肉腫を手術で取る際、計画した側方の切除マージンが2cm以上か3cm以上かで病理検査上の完全切除の割合が違うかを調べた。副次的に、1〜1.5cmの狭いマージンと筋膜1層分の深さでも許容できる完全切除率が得られるかも検討した。術前に生検が行われたのは30腫瘍中14(46.6%)で、そのうち85%で腫瘍の悪性度が正しく診断された。
31腫瘍のうち完全切除は、1〜1.5cmで7/8(88%)、2〜2.5cmで10/11(91%)、3cmで11/12(92%)だった。完全切除できなかった3例はすべてグレード1だった。著者らは、症例数が少なく統計的な有意差は示せなかったが、3群で切除率は同程度で、臨床的に意味がありうると述べている。群の頭数が8〜12と少なく、研究デザイン(後ろ向きか前向きか)は要旨からは確認できなかった。切除の範囲は腫瘍の場所や悪性度で変わるため、個々の犬の方針は担当の獣医師と相談してほしい。
🔗 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/42960214/
🏥 医療・疾病・予防
3. 🏥 医療・疾病・予防
犬のリンパ腫でCHOP系治療、ドキソルビシンは消化器の副作用が56.3%、エピルビシンは34.2%——178頭の多施設後ろ向き研究(J Small Anim Pract)
📅 2026.10.27
イタリアと英国リバプール大学の腫瘍科チームが、多剤併用化学療法(CHOP系・CEOP系)を受けた多中心型リンパ腫の犬178頭の診療記録を4施設で調べた。114頭(64%)がエピルビシン、64頭(36%)がドキソルビシンを使っていた。消化管型リンパ腫が疑われる、または消化管への浸潤が確認された犬、診断時に腹部画像検査がない犬は除外された。
消化器の有害事象は、ドキソルビシンの犬で56.3%、エピルビシンの犬で34.2%に起き(オッズ比2.47、95%信頼区間1.33〜4.67、P = .005)、多変量解析でもドキソルビシンは独立した関連因子だった(オッズ比2.70、1.39〜5.38、P = .004)。年齢が高いこととメスであることも高リスクと関連し、ステージVは低リスクと関連した。後ろ向きで無作為化されておらず、著者も前向き研究が必要と述べている。治療薬の選択は病状全体で決まるため、副作用が心配なときは担当医と相談してほしい。
🔗 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/42947482/
🏥 医療・疾病・予防
4. 🧬 研究・科学
猫の皮膚扁平上皮癌33頭で、EGFR-1陽性は78.8%、陽性例は生存期間が短い——電気化学療法を受けた猫の予後マーカー候補(ブラジル・サンパウロ州立大学ほか)
📅 2026.10.13
ブラジルのサンパウロ州立大学などのチームは、電気化学療法(ECT)を受けた猫の皮膚扁平上皮癌33頭(前向き24頭、後ろ向き9頭)の腫瘍で、EGFR-1とVEGF-Aを免疫組織化学で調べ、臨床病理所見や生存との関係を検討した。EGFR-1は26/33(78.8%)で陽性で、全生存期間の短縮、神経周囲浸潤、強い炎症細胞浸潤と関連した。VEGF-Aは23/32(71.9%)で検出され、過去の同癌の既往、神経周囲浸潤、皮下脂肪を越える浸潤と関連した。
EGFR-1とVEGF-Aのスコアは正の相関(スピアマンのρ = 0.692、p < 0.001、n = 32)を示した。EGFR-1陰性の猫は陽性の猫より長く生存した(p = 0.033)。著者らは両マーカーが悪性度の高い挙動を反映し、予後マーカーになりうると述べつつ、大規模な研究が必要としている。症例数が少なく、前向きと後ろ向きが混在している点に注意が必要だ。なお著者の1人は病理検査会社の所属である。
🔗 https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC13711497/
🧬 研究・科学
5. 🧬 研究・科学
犬の膀胱の尿路上皮癌でEGFRとCD117が高悪性度と関連——EGFR陽性腫瘍の95.0%がCD117も陽性(ポルトガル、トラス・オス・モンテス・アルト・ドウロ大学ほか)
📅 2026.09.23
犬の尿路上皮癌は膀胱に起こる一般的で攻撃性の高い癌である。ポルトガルのトラス・オス・モンテス・アルト・ドウロ大学などのチームは、チロシンキナーゼ受容体のEGFRとCD117(c-KIT)の発現を免疫組織化学で調べた。大半の症例で両方が陽性で、それぞれ組織学的な高グレードと関連した。多変量解析ではEGFRが高グレードと独立して関連し、CD117は独立した関連を示さなかった。EGFRとCD117の共発現も高グレードと独立して関連した。
EGFR陽性腫瘍の95.0%がCD117も陽性という重なりも示された。著者らは、両方を同時に評価した初の研究だとし、犬のモデルがヒトの精密腫瘍学や併用の分子標的療法の検討に役立つ可能性を挙げている。ただし示されたのは発現とグレードの関連で、治療効果を調べた研究ではなく、症例数などは要旨の確認範囲では不明である。現時点でこの結果から治療が変わるわけではない。
🔗 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/42944095/
🧬 研究・科学
6. 🧬 研究・科学
犬猫のメラノーマ(黒色腫)の診断・治療・予後を整理——111件の文献を対象にした総説、限局例の基本は外科切除(韓国・慶尚国立大学)
📅 2026.10.08
韓国・慶尚国立大学獣医学部のチームが、犬と猫のメラノーマ(メラニン細胞の腫瘍)の疫学、分子生物学、診断、病期分類、治療、予後をまとめたナラティブレビューを発表した。PubMedで重複除去後1,887件を検索し、スクリーニングの結果111件を対象にした。診断は細胞診、病理組織検査、メラニン色素のない腫瘍の免疫組織化学、画像診断、センチネルリンパ節マッピング、分子検査などが取り上げられている。
治療は外科、放射線、電気化学療法、化学療法、ワクチン、免疫チェックポイント阻害薬、分子標的薬が対象で、予後因子として腫瘍の部位と病期、組織学的グレード、有糸分裂数、色素の有無が挙げられている。著者らは「限局性の疾患では外科切除が治療の基本」とする一方、進行したメラノーマに有効な全身療法はまだ限られていると述べている。新しい研究結果ではなく既存文献の総説である。口や爪の周り、皮膚にできたしこりは早めに動物病院で調べてもらうことが大切だ。
🔗 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/42944149/
🧬 研究・科学
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