🎗️ 犬猫 腫瘍ニュース — 2026.11.04

🎗️ 犬猫 腫瘍ニュース — 2026.11.04

犬猫の腫瘍・がん関連ニュース&論文 計7件


🎗️ 腫瘍・がん関連ニュース — 2026.11.04

本日 7件


1. 🏥 医療・疾病・予防

犬のメラノーマと肥満細胞腫に抗PD-1抗体「ギルベトマブ」——Merck Animal Healthが臨床成績を公表、臨床的有益率66.7%(米国で条件付き承認)

📅 2026.10.10

Merck Animal Healthは、犬のメラノーマ(悪性黒色腫)と肥満細胞腫に使う犬用の抗PD-1抗体ギルベトマブの研究成果を、獣医学誌JVIMとJAVMAの論文として紹介した。ギルベトマブはUSDAが条件付きで承認した薬で、米国のみで入手できる。30分の点滴で、ジフェンヒドラミンを前投与する。臨床的有益率(完全奏効+部分奏効+病勢安定)は全体で66.7%、口腔メラノーマのステージII〜IIIでは奏効率20%・病勢安定40%、肥満細胞腫のステージI〜IIIでは奏効率46%で、無増悪期間の中央値は評価期間内に到達しなかった。

治療中に高い生活の質を保てた犬は96%で、重篤な有害事象は5.9%、標準的な処置で管理できたという。記事に頭数の記載はなく、条件付き承認のため安全性・有効性は完全には評価されていないとも明記されている。日本では入手できないため、国内の飼い主が使える薬ではないが、免疫チェックポイント阻害薬が犬でも現実の選択肢になりつつあることを示すニュースだ。治療の選択は担当の獣医腫瘍科医とよく相談してほしい。

🔗 https://www.global-agriculture.com/animal-health-welfare/merck-highlights-landmark-gilvetmab-research-in-canine-cancer-treatment/

🏥 医療・疾病・予防


2. 🧬 研究・科学

犬と子どもの骨肉腫に挑む——米タフツ大が1,500万ドルの共同研究で犬の臨床試験を計画

📅 2026.06.04

米タフツ大学カミングス獣医学部(Cheryl London氏ら)と、8機関が参加するBreak Through Cancerの「Defying Osteosarcoma TeamLab」が、人(小児・10代・若年成人)と犬の骨肉腫を同時に研究する複数年の取り組みを始める。患者主導の財団から1,500万ドルの資金が提供され、20人超の研究者が参加する。米国で診断される人の患者は年間1,000人未満だが、犬は年間25,000頭を超える。犬の骨肉腫は1〜2年で命にかかわることが多く、治療は約40年大きく進歩していない。

カミングス校は最初の4年で4〜6件の犬の臨床試験を行い、2030年までに少なくとも2件の小児向けの新しい試験に情報を提供する計画だ。犬は免疫系が保たれ、骨への浸潤、肺転移、遺伝子変異などが人の病態に似ているため、有力な研究モデルになる。これは新しい研究結果の報告ではなく取り組みの枠組みの紹介だが、犬の骨肉腫の治療の改善につながる臨床試験が増えることが期待される。

🔗 https://www.eurekalert.org/news-releases/1130885

🧬 研究・科学


3. 🧬 研究・科学

探知犬が血液の匂いで血管肉腫を嗅ぎ分け、平均約70%の正答率——ペンシルベニア大の概念実証

📅 2026.01.20

ペンシルベニア大学のPenn VetとWorking Dog Centerの研究チームは、訓練した探知犬が犬の血管肉腫を血液の匂いで見分けられるかを調べ、『The Veterinary Journal』に発表した。探知犬5頭が、血管肉腫の犬、他の非がん疾患の犬、健常犬のサンプルを含む12組の対照サンプルを、それぞれ1組あたり7試行で評価した。結果は、血管肉腫のサンプルを平均約70%の確率で正しく識別したというものだ。研究者は、この確率が人のがんを犬が探知した研究の範囲内にあるとしている。

血管肉腫は早期発見が難しく、見つかった時点で予後が悪いことが多い。研究者は、将来、匂いを使った年1回のスクリーニング検査を行い、陽性なら画像検査へ進む流れも考えられると述べている。ただし今回は概念実証の段階で、実用化には、より大規模な検証と、匂いの正体の特定が必要だ。今のところ飼い主が使える検査ではないため、しこりや元気消失、ふらつきなどに気づいたら、早めに動物病院へ連れていくことが大切だ。

🔗 https://www.eurekalert.org/news-releases/1113161

🧬 研究・科学


4. 🧬 研究・科学

犬猫の悪性度の高い乳腺がん(グレードIII)は免疫抑制的で血管が豊富——ゲント大のチームが腫瘍の微小環境を比較(BMC Veterinary Research)

📅 2026.03.18

ベルギー・ゲントのCancer Research Institute Ghentなどの研究チームは、犬38例、猫26例の乳腺がんの組織を調べ、悪性度(グレード)ごとの腫瘍の周りの環境を比較した。グレードIIIでは、抗原提示細胞、腫瘍関連マクロファージ、好中球といった自然免疫細胞が間質に集まり、腫瘍の核を囲む境界をつくっていた。腫瘍の核の中にあるTリンパ球は活性化しておらず、活性化したT細胞は間質にあってB細胞の集合と並ぶことが多かった。

グレードIIIの腫瘍は、犬も猫もグレードI/IIより血管の密度が高かった。腫瘍の大きさは免疫細胞の浸潤と血管密度に影響したが、壊死は影響しなかった。著者らは、仕組みの解明は予後の予測と治療に役立てる今後の課題だとしている。抄録に数値データはなく、サンプル数は本文から確認した。乳腺腫瘍は避妊手術の時期との関係が知られており、乳腺にしこりを見つけたら、小さいうちに獣医師に相談してほしい。

🔗 https://link.springer.com/article/10.1186/s12917-026-05393-z

🧬 研究・科学


5. 🏥 医療・疾病・予防

犬の鼻腔内腫瘍にコバルト60放射線治療、奏効率82.5%——ブラジルの40例、無増悪期間の中央値は382日(Cancers)

📅 2026.06.22

ブラジルの研究チームは、2018年9月〜2025年2月にコバルト60による放射線治療を受けた悪性の鼻腔内腫瘍の犬40頭の記録をまとめた。全頭がCTでステージングされ、32頭は根治目的(48〜54 Gy、10〜13分割)、残りは緩和目的の照射を受けた。腫瘍の種類は腺癌が42.5%で最多で、82.5%がステージIII〜IVだった。客観的奏効率は82.5%(完全奏効17.5%、部分奏効65%)、臨床的有益率は92.5%、無増悪期間の中央値は382日、生存期間の中央値は430日だった。

ステージIVの生存期間(345日)は、ステージI〜IIIの1,063日より短かった。急性の副作用は皮膚、口腔粘膜、目に多く、管理可能とされている。後ろ向き研究で、単純な比較はできない。鼻水や鼻血が続く、くしゃみが増えるといった症状は鼻腔内腫瘍のサインにもなるため、片側だけの鼻血や長引く鼻水があれば、早めに受診してほしい。治療の方針は、獣医腫瘍科医と相談して決めることが大切だ。

🔗 https://www.mdpi.com/2072-6694/18/12/2013

🏥 医療・疾病・予防


6. 🧬 研究・科学

【日本】犬の肝細胞癌、手術後に血中IgEが低下——酪農学園大学などの研究(Journal of Veterinary Medical Science)

📅 2026.04.02

酪農学園大学、農研機構、北欧動物病院の研究チームは、健常犬18頭と肝細胞癌(HCC)の犬10頭で、手術の前後の血漿中の総IgE(免疫グロブリンE)を測定した。健常群とHCC群で、手術前のIgE値に差はなかった。一方、HCCの犬10頭のうち9頭で、手術後にIgEが低下した。著者らは、手術とIgEの低下の関連は統計的に有意だとしており(p値は要旨に記載なし)、HCCに対する内因性のIgE産生を示唆すると解釈している。

IgEはアレルギーに関わる抗体として知られるが、がんとの関係も近年注目されている。今回の研究は対象が10頭と少なく、IgEががんの診断や予後に使えるかはまだ分からない。著者らは今後、がん抗原に特異的なIgEの測定が必要だとしている。肝臓の腫瘍は初期の症状が乏しいことが多く、定期的な血液検査や超音波検査で見つかることもあるため、シニア期に入った犬は定期的な健康診断を受けてほしい。

🔗 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jvms/88/4/88_25-0561/_article

🧬 研究・科学


7. 🏥 医療・疾病・予防

猫の口の腫瘍92例、最多は扁平上皮癌で67%——腫瘍が2cmを超えると進行ステージが多い(カセサート大学、Animals)

📅 2026.02.25

タイ・カセサート大学獣医学部のチームは、2018年1月〜2024年12月に来院し、組織検査で確定した口腔内腫瘍の猫92頭を後ろ向きに分析した。上皮性の腫瘍が73%、そのうち扁平上皮癌(SCC)が全体の67%を占めて最多だった。間葉系腫瘍は27%で、線維肉腫、骨肉腫、リンパ腫などが含まれた。上皮性腫瘍の猫は年齢が高く(11.0±3.8歳、間葉系は6.8±4.1歳、p<0.001)、最も多い発生部位は上顎の歯肉だった。

腫瘍が2cmを超えると進行したステージが多く、2cm以下ではステージIが多かった。著者らは、高齢猫を中心に定期的な口の中のチェックで早期発見することが重要だと強調している。単施設の後ろ向き研究で追跡が不完全なため、生存や予後は評価できていない。猫は口の痛みを隠しやすいので、よだれが増えた、口臭が強くなった、食べにくそうにする、といった変化があれば、早めに獣医師に診てもらってほしい。

🔗 https://www.mdpi.com/2076-2615/16/5/717

🏥 医療・疾病・予防


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