🐾🐱 犬猫ニュース — 2026.11.04
犬4 + 猫2 = 計6件
🐾 犬ニュース — 2026.11.04
本日 4件
🐕 犬学
1,200年前のミイラ化した「ペルービアン・ヘアレス・ドッグ」を発見——ワリ帝国の遺跡で犬19頭以上の骨を分析、トウモロコシを食べ、特別に扱われていた可能性(Dartmouth大、Journal of Anthropological Archaeology)
📅 2026.10.17
米ダートマス大学のWeronika Tomczyk氏らが、ペルー北部沿岸にあるワリ帝国(600〜1050年ごろ)の遺跡「カスティージョ・デ・ウアルメイ」で出土した犬の遺骨を分析し、『Journal of Anthropological Archaeology』に発表した。見つかったのは犬の骨341点(少なくとも19頭分)と、ほぼ全身が残った雄犬のミイラ1体で、放射性炭素年代測定で1,200年以上前のものと分かった。毛のない皮膚と耳が残った頭骨には赤い顔料(辰砂)が塗られ、3頭とも第一前臼歯がなかった。毛がない遺伝子は歯の数の少なさとも結びつくことから、現在のペルービアン・ヘアレス・ドッグの祖先にあたる犬と判断されている。炭素・窒素などの同位体分析では、多くの犬がトウモロコシを食べており、毛のない子犬の食事は人の子どもに近かった。
子犬が「マスター・バスケットメーカー」と呼ばれる職人と一緒に埋葬されていた例や、宮殿内に成犬が埋められていた例もあり、毛のない犬は他の犬と違う扱いを受けていたとみられる。ただし研究チームは、ペット、作業犬、あるいは別の役割だったのかは今回の証拠だけでは判断できず、トウモロコシも意図的に与えられたのか残飯を食べていたのかは不明だとしている。犬と人の付き合いが、少なくとも1,000年以上前の南米で、すでに食事や埋葬の形で特別な関係になっていたことを示す興味深い研究だ。ペルービアン・ヘアレス・ドッグは2000年にペルーの文化遺産に指定され、AKC(米国ケネルクラブ)でもペルービアン・インカ・オーキッドとして公認されている。
🔗 https://www.sciencedaily.com/releases/2026/10/261016070644.htm
🏋️ トレーニング・行動科学
犬も「ブーバ=丸、キキ=とがった形」と結びつける?——人の声を聞かせ、頭の向きで視線を追跡した70頭の実験(パルマ大、Proceedings of the Royal Society B)
📅 2026.10.14
人は「ブーバ」という音を丸い図形、「キキ」という音をとがった図形と結びつける傾向があり、「ブーバ・キキ効果」として知られる。イタリア・パルマ大学のEleonora Biffi氏らは、この効果が成犬にもあるかを調べ、『Proceedings of the Royal Society B』に発表した。飼い犬は計70頭(実験1が51頭、実験2が19頭)で、いずれも飼い主が同伴した。部屋の左右にスクリーンとスピーカーを置いて、人の声の「ブーバ」「キキ」と、丸い図形・とがった図形を約15分間見せ、GoProで撮影した犬の頭の向きをAIで追跡して視線の代わりとした。実験2では、飼い主が音楽を流すヘッドホンを着けて、音声が聞こえない状態にした。
その結果、「ブーバ」を聞いているときは丸い図形を、「キキ」のときはとがった図形を、より長く見る傾向があった。実験1では犬全体がとがった図形をよく見る偏りがあったが、飼い主がヘッドホンを着けた実験2ではこの偏りは消えた。研究者は飼い主の無意識の合図の影響は考えにくいとしつつ、犬やオオカミの顔が角張っていることが逆向きの偏りを生んだ可能性も挙げ、結論には追加の研究が必要だとしている。具体的な統計値は元記事では示されていない。犬が人の声の「音の響き」と形のイメージを結びつけているのかもしれない、という段階の研究であり、しつけで声のトーンを使い分けるときの参考として楽しめる話題だ。
🔗 https://sciencealert.com/dogs-seem-to-agree-with-humans-that-bouba-is-round-and-kiki-is-spiky
🥩 栄養・食事・サプリ
成犬ビーグル10頭に粗タンパク質30%食と18%食を4週間ずつ給与——尿中窒素排泄は5.60→3.34 g/日に減少、体重や便スコアは変わらず(韓国・国立畜産科学院、Animals)
📅 2026.10.30
韓国・農村振興庁の国立畜産科学院のKyoung-Min So氏らは、健康な成犬ビーグル10頭(雌雄各5頭、去勢済み、平均体重10.2 kg、平均2.33歳)に、乾物中の粗タンパク質が31.36%の食事を4週間、続いて19.20%の食事を4週間与え、窒素の出入りと尿毒素への影響を比べた。結果は『Animals』に掲載された。低タンパク食に切り替えると、尿中窒素の排泄量は1日5.60 gから3.34 gに、血清尿素は26.2から17.3 mg/dLに、血清アンモニアは204.8から84.5 μg/dLに下がった。一方、窒素出納は2.52から1.04 g/日に低下し、タンパク質の見かけの消化率も92.1%から85.7%に下がった。尿毒素のインドキシル硫酸の排泄量に有意差はなく、体重、ボディコンディションスコア、便スコアも変わらなかった。
両方の期間とも窒素出納はプラスで、短期的には低タンパク食でも体を維持できていた。ただし、30%食から18%食の順番に固定した非無作為の試験で、期間と順番の影響が切り分けられておらず、長期のタンパク質の充足を示すものではない。10頭の健康な犬という小規模な研究のため、腎臓や肝臓に持病のある犬や高齢犬にそのまま当てはめることはできない。フードのタンパク質量を変える場合は、かかりつけの獣医師に相談してほしい。
🔗 https://www.mdpi.com/2076-2615/16/21/3436
🧬 研究・科学
飼い主の「顔と声」が食い違うと犬の脳波が変化——麻布大など、家庭犬3頭で非侵襲の脳波計測(Scientific Reports)
📅 2026.10.21
麻布大学獣医学部、奈良先端科学技術大学院大学、関西大学、東北大学などの研究チームは、家庭犬3頭の頭皮上7か所から非侵襲で脳波を記録し、飼い主の感情の「顔」と「声」が一致しないときの反応を調べた。飼い主の「喜び」または「怒り」の表情の映像を見せ、1.5秒後に同じ感情か異なる感情の声を流したところ、顔と声が食い違う条件では、音声開始後250〜500ミリ秒に、左前頭部(F3)で一致条件より大きな後期陽性の事象関連電位が見られた。顔と声の組み合わせによる交互作用も確認され、論文はScientific Reportsに掲載された(プレスリリースは10月21日)。
この結果は、犬が顔と声の感情情報を脳の中で統合している可能性を示す「概念実証」にあたる。ただし対象は3頭のみで、結果をそのまま一般化することはできず、ヒトのP300やN400と同じ働きだと断定することもできない、と論文自身が明記している。犬が飼い主の表情と声のちぐはぐさに「気づいている」ことを脳の反応から捉えようとした点が新しく、飼い主が笑顔で厳しい声を出すような場面が犬を混乱させる可能性を考えるきっかけになる。今後、より多くの犬での確認が待たれる。
🔗 https://www.azabu-u.ac.jp/topics/2026/1021_50077.html
💡 今日のワンポイント
犬は飼い主の顔と声の両方から気持ちを読み取っている可能性があります。声だけ優しく、顔が怖い、といったちぐはぐな合図は避け、表情と声をそろえて接してあげましょう。
🐱 猫ニュース — 2026.11.04
本日 2件
🩺 医療・疾病
甲状腺機能亢進症の猫152頭を解析、半数が片側性で人用メチマゾールの使用が84%——韓国の放射性ヨウ素治療症例(忠北大学校、Frontiers in Veterinary Science)
📅 2026.10.01
韓国・忠北大学校のチームが、2018年7月〜2025年9月に放射性ヨウ素療法(RAIT)のため来院した猫159頭のうち152頭(全頭が室内飼育)の診療記録を後ろ向きに調べ、『Frontiers in Veterinary Science』に報告した。診断時の年齢の中央値は12歳で、約30%は別の理由の検査で偶然見つかった。主な症状は体重減少88.2%、嘔吐67.8%、活動性の増加66.4%、頻脈59.9%、食欲増加55.9%、飲水量の増加55.3%で、総T4が19.4 μg/dL以上の重症は10.5%、甲状腺の片側のみの病変が50.7%だった。診断から受診までの期間の中央値は5か月で、治療に使われた抗甲状腺薬メチマゾールは人用・ジェネリック製剤が84.0%、動物用が18.1%(重複あり)で、人用・ジェネリックでは掻痒が多かった。
病気の期間が長いほど、ホルモン値が高く、両側性になり、薬の効きが悪い傾向があった。高齢の猫の体重減少、食欲増加、よく水を飲むといった変化は見逃されやすく、早めの血液検査が有益だと考えられる。ただし単一施設の後ろ向き研究で、韓国全体の有病率を示すものではない。治療法の選択(薬、ヨウ素治療、食事療法など)は猫の状態によって異なるため、獣医師に相談してほしい。
🔗 https://www.frontiersin.org/journals/veterinary-science/articles/10.3389/fvets.2026.1906840/full
🧬 研究・科学
脚が極端に長い兄弟猫に「猫のマルファン症候群」——FBN1遺伝子の変異を初めて分子レベルで報告(コーネル大、Scientific Reports)
📅 2026.10.14
米コーネル大学獣医学部とBaker Institute for Animal Healthの研究チームは、子猫のころから手足が異様に長かった兄弟猫のGaryとShaggyを調べ、家庭猫のマルファン症候群を初めて分子レベルで報告した。論文は『Scientific Reports』に掲載された。マルファン症候群は結合組織が弱くなる遺伝性疾患で、人では約4,000人に1人とされる。2匹はいずれも、結合組織に必要なフィブリリン-1を作るFBN1遺伝子の変異コピーを2つ持っていた。2匹には目の構造の異常と大動脈の拡大があった。
人では変異が1コピーでも発症しうるのに、この2匹は2コピーを持ちながら成猫まで生きていた。変異は遺伝子の働きを完全には止めず、情報の読み取り(スプライシング)を妨げつつ一部の正常な機能を残していたため、と考えられている。研究者は、今回の発見が猫の診断や遺伝子検査の改善につながると期待している。報告された症例は2匹のみで、猫全体での頻度は分かっていない。手足が極端に長い、目や心臓に異常があるといった猫に気づいたら、獣医師に相談することが大切だ。
🔗 https://www.sciencedaily.com/releases/2026/10/261013015801.htm
💡 今日のワンポイント
高齢の猫が食べているのに痩せる、よく水を飲む、落ち着きがない。そんな変化は甲状腺の病気のサインかもしれません。「年のせい」と決めつけず、健康診断で血液検査を受けましょう。
毎朝7時配信

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