📚 犬猫 研究論文 — 2026.11.04

📚 犬猫 研究論文 — 2026.11.04

注目論文 3件



1. 🏥 獣医学・腎臓

【日本】猫の急性腎障害、入院時の血中FGF-23が高いほど回復に時間がかかる——猫45頭を後ろ向きに解析(日本獣医生命科学大学、Journal of Veterinary Medical Science)

📅 2026.09.22

猫の急性腎障害(AKI)は、短期間で腎機能が落ちる命にかかわる病気だが、経過を予測する指標は限られていた。日本獣医生命科学大学の宮川ら(獣医内科学II)は、AKIの飼い猫45頭を対象にした後ろ向き研究で、診断時の血中FGF-23(リンの代謝に関わるホルモン)とマグネシウム(Mg)を測定し、転帰との関連を調べた。FGF-23とMgはいずれも上昇しており(それぞれP=0.01)、FGF-23は治療期間(P=0.008)と入院中の血清クレアチニンの変化(P=0.003)に有意に関連した。この関連は、もともと慢性腎臓病(CKD)があったかどうかや、診断時のクレアチニン値とは独立していた。FGF-23が10倍になると、クレアチニンが最低値に到達する確率が約47%低くなる。

FGF-23は既存のCKDが重いほど高くなる傾向があったが、群間の差は有意ではなかった(P=0.10)。Mgは転帰と有意な関連がなく、役割は明確にできなかった。著者らは、診断時のFGF-23が入院期間や腎機能の低下を予測する材料になりうると結論している。本稿は要旨ページに基づいており、要旨には基準値や限界の記載がない。猫の腎臓の病気は、飲水量やおしっこの量の変化が最初のサインになるため、急に増えたり減ったりしたら早めに動物病院を受診してほしい。

📖 Journal of Veterinary Medical Science, 2026, 論文ID 26-0210(オンライン先行公開、DOI: 10.1292/jvms.26-0210)

🔗 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jvms/advpub/0/advpub_26-0210/_article

🏥 獣医学・腎臓


2. 🧠 行動・認知科学

老犬の「粗相」は認知機能低下のサインかも——尿検査の異常より、尿比重と実行機能に関連(ノースカロライナ州立大のグループ、Journal of Veterinary Internal Medicine)

📅 2026.09.01

シニア犬が家の中でトイレを失敗すると、膀胱炎などの泌尿器の病気を疑いがちだが、認知機能の低下が背景にある場合もある。研究グループは、長期の加齢コホートの飼い犬84頭(平均約12.8歳)を前向きに追い、半年ごとに自然排尿の尿検査、飼い主が記入する認知症評価尺度(CADES)、認知テストを行った。尿検査231件のうち、蛋白尿が194件、膿尿が19件、血尿が14件、細菌尿が11件だった。尿比重は加齢とともに低下し、粗相は加齢と低い尿比重で増えて、多変量モデルでも有意だった。

粗相のスコアが高い犬ほど、抑制制御課題と迂回課題(障害物を回り込む課題)の成績が悪かった。著者らは、尿検査の異常は予想より少なく、老犬の粗相は泌尿器や全身の病気だけでなく、認知機能低下のサインである可能性があると結論している。本稿は書誌と要旨に基づいており、全文は未確認のため、限界の詳細は不明だ。シニア犬の粗相が増えたときは、叱らずにまず動物病院で尿検査や健康診断を受け、病気と認知機能の両面から相談してほしい。

📖 Journal of Veterinary Internal Medicine, 2026, 40(5), aalag208(DOI: 10.1093/jvimsj/aalag208)

🔗 https://doi.org/10.1093/jvimsj/aalag208

🧠 行動・認知科学


3. 🥩 獣医学・栄養学

微生物由来タンパク質入りフード、犬も猫も対照より好んで食べた——犬30頭・猫30頭の自宅での二皿試験(企業資金、PLOS ONE)

📅 2026.09.23

ポルトガルのMicroHarvest社の研究者らは、微生物由来タンパク質(MP)を10%配合したドライフードと、主要栄養素をそろえた対照フードを比べる嗜好性試験を行った。犬30頭(11犬種)と猫30頭(6猫種)が自宅で2つの皿から4回の食事を選ぶ形式で、犬はMP食を72%、対照を50%摂取し(p=0.002)、猫はMP食を51%、対照を34%摂取した(p=0.001)。両種ともMP食に先に近づき、先に食べ始めることが多かった。外部ラボの分析で主要栄養素は同程度、MP食のアミノ酸組成は完全で、トリプトファンが高く、n-6:n-3比が低かった。

注意したいのは利益相反だ。研究はMicroHarvest社が資金を出し、著者2名は同社の従業員と共同創業者兼CTOである。4食分の短期の嗜好のみを見た探索的な研究で、長期に食べ続けられるか、健康にどう影響するかは分かっていない。また新しい食べ物への好奇心と嗜好の違いも分けて評価されていない。環境負荷の低い新しいタンパク源として注目される素材だが、実際の栄養価や安全性の評価は今後の研究が必要で、フード選びの際は企業発表だけでなく第三者の検証も確認したい。

📖 PLOS ONE, 2026, 21(9), e0356767(DOI: 10.1371/journal.pone.0356767)

🔗 https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0356767

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